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第三話 そうだ。エクゲートへ行こう

そうだ。エクゲートへいこう。


二ノ月のある日、俺は思った。

マテウスさんとランジュの元を離れ、そろそろ三年になろうとしている。早いなあ。気軽に行ける距離じゃなかったから実行できなかったけど、生活が落ち着いたら御礼に一度訪ねて行かなければと思っていたんだ。


「よしっ、行こう!」

今ならば冒険者として少しは実力もついたし、ステタテにステホコもある。長距離を移動するランクも度胸もついた。

去年の暮れに人生的に一段落してしまったので、ここらで改めてご挨拶に伺おうと思い立った俺です。

女性に振られて一段落ってどうかとも思うけど……

話したらランジュになんて言われるやら。

今頃は同年代のボーイフレンドなんかできてたりとかするのかなあ。俺なんか全然相手にされないかもな。

例えば洗濯物は一緒に洗ってもらえず、「いや! 自分で外の天然水で洗いなさい!」とか言われちゃったりするんだろうか。そんな時は、まずクリーンしてからクリエイトウィータで洗濯をお願いしよう。って、それもう洗濯不要ですやん。

そんなことを想像してつい笑ってしまった。そこまでは無いとは思うけど、もしもランジュが変わっていても、それはきっと当たり前の成長で楽しいことだ。

でも。うん。ランジュもマテウスさんも、きっと暖かく迎えてくれる気がする。根拠は無いけど、そう思う。

そうじゃなくても、二人に伝えたいことが俺にはある。

あの時は随分とお世話になった。

ハーベストアントとの戦いでは、ランジュのお守りがあったから生き残れた。マテウスさんが基礎を教えてくれたから戦えた。冒険者としてやってこれた。

ありがとうございましたと伝えたい。

何より、あの短かったけれど穏やかな暮らしが心地よく思い出される。

二人に会いたい。

ゆびきりげんまんの約束。

そうだ今こそ行く時だ。


「マテウスさん、ランジュ、元気かなあ」

二人と暮したあの短い日々が懐かしい。

よし、たくさんお土産買って行こう!

会うのが楽しみになってきたぞ。

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