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第13話 ランジュ閃光爆弾事件から数日後

俺がこっそりと「ランジュ閃光爆弾事件」と名づけた日から数日後の夜。

俺は借りている部屋で一人。ステータスウィンドウを開いていた。

「よーし。これで見やすくなったかな」


リョータ

27才

体力 72/72

魔力 26/30


状態:健康

異常:無し


筋力  12

器用度 14

敏捷度 11

生命力 12

魔力   5


表示形式1

<ウィンドウカスタム>


大きさも変化できたのでB4サイズくらいにした。

ウィンドウカスタムボタンでカスタム項目を出せる。

現在の表示形式は日本語表示で、俺だけにしか見えない状態だ。


このステータスウィンドウは、俺自身の固有魔法なのだろうとマテウスさんは言った。

自分の身体能力を無意識に把握しており、それを表示する能力なのだろうと。


なんのこっちゃわからん俺にマテウスさんがイラスト付きで説明してくれたのはドラゴンの飛翔能力だ。うわあ、ドラゴンいるんだな。でかい。

マテウスさん曰く「翼だけではあの巨体を浮かばせることはできないはずなのだが、ドラゴンは魔法を唱えずに空を飛ぶ。おそらく翼か体に飛行能力が備わっているのだ。そのように、生得の魔法能力を固有魔法と言う」そうだ。


固有魔法……おおユニークマジックだ!

ステキ!

と思ったが、ステータスを現すだけなんてどうなんだろう。

しかも簡単な項目だけで装備や魔法なんかも無い。

たとえば持物の名前や説明文が出てきたらそれだけでも物品鑑定が出来て凄い楽なのに。


レベルとかスキルとか項目が増やせないかいろいろ試したりしてみたけれどできなかった。

項目名や見た目と字が少し綺麗になっただけマシとするべきなのか。


ウィンドウをカスタムすると魔力が1減る。

魔力を使い切ると疲労するが時間がたつと回復した。


この世界の時間はほとんど地球と同じ感じだ。

1日は24時間くらいかな。

時計がないのでなんともわからないけど。


時間の単位はコク。

1日12コクで、1コクは2時間くらい、と思う。


暦の数え方は。

1週間は月・炎・水・樹・金・地・陽の曜日で7日間。

1ヶ月は30日で、それだと2日余ると思ったら月の始まりと終わりに光と闇の日があってちょうど30日だった。

1年は12ヶ月で、年の終わりと始まり間に「無の日」と「創生の日」と呼ばれる暦に入らない日がある。

これは世界が生まれる前の「闇の凝縮した無」と「創世」を現しているのだそうだ。


今は10月だそうだ。

夏かと思ってたぜ。

昼間の日差しは強いけど夜は涼しい。


「もっといろいろ覚えないと」

マテウスさんに魔法のことをいろいろ聞いてみたが転移の魔法もあるらしい。

ただし、かなり高度な術で必要な魔力や費用も高い。

異世界に転移する魔法があるのか聞きたかった。

けれど、すぐにそんな質問したら怪しいだろうと我慢した。


元の世界に帰る方法を調べたい。

確かに自分はこの世界に来たおかげで命は助かったが、やはり自分のいた世界に帰りたい。


いつまでもここでマテウスさんにお世話になって暮らすわけにもいかない。

それに身近に居るランジュが美少女過ぎる。

アニメのキャラかというくらいの美形。

そしてアニメやゲームに無いいい匂いがするし、触ってくる。


ランジュはかなり慕ってくれているが、もちろん男としてではないし祖父意外に接する相手がいないからだろう。

俺は恥ずかしながら体が健康になりすぎて困っている。

おにいちゃんと慕ってくれる彼女に申し訳ない。

このままではいかん。


それに俺自身がこの新しい世界を見てみたい欲求がある。

魔法が有り、モンスターも争いも有る世界。

戦うのは無理だし、どうやら自分のちょっとした知識くらいでは「俺、大賢者だよSugeee」もできなさようだ。


となると何とか食い扶持を見つけて働くか。

どこか大きな町なら職があるだろうか。

あるいは。

この世界には異世界定番の冒険者という職業があることをマテウスさんが教えてくれた。


ステータスウィンドウを調べていた時にマテウスさんが言っていた。

俺のステータスウィンドウは、ギルド証に似てるって。

聞いてみたら、この世界には冒険者や商人などギルドがあって、ギルド員の証明に小さなプレートが渡されるそうだ。特殊な技術で作られていて、本人が念じて触ると名前やランクなどを光って浮かび上がらせる。他人のギルド証では反応しないので、身元証明に使われるそうだ。


冒険者。これは憧れる。

もしも日本で非実在職も含む「成りたい職業アンケート」があったら。

勇者、魔法使い、冒険者は上位だろうと思う。


依頼を受けてクエストをこなしてお金を貰う。

冒険者ギルドは世界中に支部がある大きな組織で、マテウスさんも昔冒険者をしていた時があるそうだ。

魔物と戦うのは怖いが薬草の採取やアイテムの素材集め依頼もある。


誰でも登録できるし、あちこち行くにはいい身元証明書になる。

帰還方法を探すためは、ギルドに所属がいいかもしれない。


それに、ここは剣と魔法と魔物の世界だ。

どんな冒険があるんだろう。

そう思うと希望がわいてくる。

そして――


「こんどこそDDT(Datu Do TEi)だぜ!」

そこは変わってない俺だった。

新しい目標を胸にそろそろ寝ようかと思っていると、とんとんと戸口が叩かれた。

ちなみにこの部屋にドアは無い。


え。もしや、美少女逆夜這いキターー?!

どどどどどうしよう寝た振りするぞと慌てていると。


「リョータ殿。もうお休みだろうか」

はい。マテウスさんでしたー。


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