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第四一話 MPゼロ
戦闘蟻を斬る。
鋭い鎌のような顎が俺の体を掠めた。
そのまま戦闘蟻の左後ろへ斬り抜ける。
転がりながら振り返るとステータスウィンドウをカスタマイズして向けた。
フラッシュのような赤い稲妻。
やはり来た。
ステ盾で受ける。
離れた距離から女王蟻の赤い眼が死の光線を放っていた。
戦闘蟻を斬った瞬間を狙って。
なんとかしのいだ。
けれど。
光に浮かび上がる俺のステータス表示。
体力 8/72
魔力 0/36
状態:怪我
筋力 13
器用度 14
敏捷度 12
生命力 13
魔力 6
魔力がゼロになった。