望み
僕は悪い人間です。死ぬことを望んでいました。
ある日、窓の外を眺め、青い空を恨めしく見上げて死んでやると言いました。
遠ざかる空。不思議な浮遊感。背中に衝撃。痛みは……あったかな? 覚えてない。
ただ泣いていました。死ねなくて泣いていました。
僕は悪い人間です。嘘つきな人間です。嘘にまみれて生きてきました。
あぁ、本当に僕は嘘つきです。だって……本当に──
──死を望んだことなどないのだから。
構って欲しかった。愛して欲しかった。それだけなのに……。
誰か……僕を愛して。僕を見て。お願いだから……。誰か……。