#1 燃死の屍人(ネクロ・パイロ)
女性「ハァッハァ、来ないで!」
路地裏を逃げる女性
骸「アーァーガーオーアー」
女性「ハァッハァ、んあ!」
転んでしまう女性
骸「アーアーバババ!」
女性「いや、いや!キャアアアアアア!」
ウゥーンウゥーン(パトカーの音)
バンッバンッ!(ドアを閉める音)
獅子神「ここが現場か」
鑑識A「獅子神!お疲れさん。」
獅子神「よ、田角さん。状況は?」
田角「被害者は清水 美那21歳。頭が欠損してるわ。」
死体を確認する獅子神
獅子神「こいつは、またひでぇな。」
田角「これで3夜連続だ。」
獅子神「そうだな。」
鑑識B「ちょっと君!部外者が入ってきちゃダメだよ!」
鑑識のひとりがオレンジ髪の青年を注意する
シンク「ん?」
田角「何してるの!早く追い出せ!」
獅子神「いや、田角さん。あいつ俺の相棒でさ。」
田角「相棒?」
シンク「そうだ!俺も刑事だから!」
獅子神「悪いなぁこんななりだから見えねぇよな。」
偉そうな刑事「おやおや、これは胡散臭い部署の獅子神じゃないか。」
獅子神「ん?あぁお前か。」
偉そうな刑事「お前ってなんだ!俺には中尾 源八って名前がなぁ!」
獅子神「シンク。とりあえず署に戻るぞ。」
シンク「り!」
中尾「無視すんじゃねぇ!」
署に戻ったシンクと獅子神
獅子神「課長!戻りました。」
徳永課長「おう!おかえり!どうだった。」
獅子神「また頭だけがない変死体でした。」
徳永課長「骸の線が濃厚か?」
獅子神「そう願いたいです。あれがもし人間がやってんなら性根が腐ってる。」
徳永課長「そうだなぁ。」
獅子神「また21歳の女性でしたし3夜連続ともなれば。」
徳永課長「また今夜も起こると考えるのが妥当だよな。」
通路から声がする
シンク「ありがとうねぇ!」
掃除のおばさん「糖分は大事だからね。頑張りな!」
シンク「うん!ありがとう!」
獅子神「シンク!お前どこいったかと思ったら!」
シンク「掃除のおばさんが飴くれた!あげないよ!」
獅子神「要らねぇよ!ったくこっちが真剣に悩んでるっつうのに!」
徳永課長「頭使うなら糖分は大事だぞ。貰うな。」
シンク「あぁ!」
獅子神「何か襲われた人の共通点があれば楽なんだがな。」
シンク「21歳の女性じゃないの?」
獅子神「あのな、その条件の人何人いると思ってんだ。他に何か、仕方ねぇか。」
徳永課長「あそこに行くのか?」
獅子神「癪ですがね。」
シンク「俺は?」
獅子神「来ても邪魔だ。留守番してろ!」
シンク「えぇー!!!」
しばらくして
獅子神「シンクいるか!」
シンク「おかえり〜。」
徳永課長「獅子神、何か分かったか!」
獅子神「はい!シンク急ぐぞ!」
シンク「え?」
中尾「暇してるか?胡散臭い部署の方々ぁー。」
獅子神「シンク急げ!」
中尾「獅子神じゃねぇか。なにか掴めたか?」
獅子神「今それどころじゃねぇんだ!また今度な!」
中尾「はぁ!?」
タッタッタッ(ハイヒールの音)
女性「また、遅くなっちゃった。」
トチャットチャッ
骸「アーアーバババ!」
女性「急がないと終電が。」
トチャットチャッ
女性「ん?なに?」
女性が振り返るが後ろに何もいない
女性「気のせいかな。」
女性が前を向く
骸「アーアーバババ!」
骸が女性に襲いかかる
獅子神「あぶね!」
獅子神が女性を突き飛ばす
女性「キャッ!」
獅子神「やっぱりあいつに早く頼るんだった!俺の馬鹿野郎!」
女性「なに?一体。」
シンク「キミ、大丈夫?」
骸「アーアーバババ!オッマッエッラッダッレッダ!」
獅子神「日本語上手だな。まだ骸になって
日が経ってないんだな。」
骸「ダッレッダ!」
獅子神「お前の生前の名前は太見 充之助だな。」
骸「アーアーババ!」
獅子神「まぁもうお前に何言ってももう無駄かシンク!頼む!」
シンク「り!」
シンクはポケットから特殊なジッポライターを取り出す
そして火を灯し自身に着火
シンクは火だるまになった
骸「シッンッダ!ジッブッンッデッシッンッダ!バッカ!」
獅子神「シンクは死んだが死んでねぇ!」
人は死ぬと魂の行く先は二つに別れるという
一つは潔く神様に魂を返す者
それを人は仏と呼んだ。
一つは醜く魂を現世に縛り悪意に染まり
化け物になってしまう者
それを人は骸と呼んだ
だが稀に第3の例が現れる
それは骸に変わる寸前に人の姿を留め
生き返る者。それを人は屍人と呼んだ。
シンク「俺!復活!」
獅子神「そう、シンクはその屍人。火で自身を焼くことがあいつの自殺(変身)方法
その名も焼死の屍人!」
もし読んでくれた方が居たら感謝いたします。
セリフが多く読みづらいところや
ツッコミどころが多い所もあると思いますが
多めに見ていただけるとありがたいです
キャラクター説明
シンク(真紅)
焼死の屍人へと変身できる青年
獅子神 健護
シンクのバディの刑事