1章2話 ドキドキ冒険者ギルド
市場通りを抜けた先にある大きめの建物を目指し市場通りを歩くと聞き慣れた声がかけられた。
「よぉボウズ今日も買い出しーーーー何だその格好?」
よく買い出しに行く雑貨屋の主人だ。
父と昔一緒に仕事してたということで、何かと親切にしてもらっている。
母とも知り合いだがどうにもパワーバランスが壊れており、値段が高いとボヤくだけで脂汗を流しながら原価を割る勢いの割引をしてるあたり相当な何かがあったのだろう。
「おじさんおはようございます。つい先程家を追い出されました。理由は成人したからだそうです。」
「マジでやりやがったのかよあいつ。成人とはいえまだ15だぞ。成人ではあるが大人じゃないし、なんなら子供だろ。」
「おじさんなんかこう成る事知ってそうな口ぶりですけど?」
「いや、気にするな。忘れてくれ。あと俺がこんなこと言ってた言ってたのはカーミラには言わないでくれ。もう表歩けなくなる。。。。」
真っ青になりながら涙目で訴えてくる中年男性見るに耐えれなかったので首を立てに振ってそっと立ち去った。
うちの母は一体過去に何をしたのだろうか。
異様な存在なのは幼少の頃から薄々は感じていた。
街に出ればみんなが親切(?)にしてくれるし、家の周りも父も母も掃除をしていないのにいつもきれいだ。
何よりも家を空ける際に鍵を締めた記憶が一切ない。
にも関わらず不届き者が粗相をしに侵入したこともない。
一体何者なんだろうか。
などと考えながら歩いていると昼前だというのに料理と酒臭いと喧騒が充満する建物についた。
ーーーーーー冒険者ギルドだ。
中は広く人も多いが真夏にも関わらず中は非常に涼しい。
魔導空調機で冷房をガンガンかけて冷却しているのだろう。
入り口から入って左奥の受付カウンターに向かい。
綺麗な制服を着た受付の女性に登録をしたいと声をかける。
「冒険者ギルドへようこそ。ではこちらの用紙に記入をお願いします。記入が終わりましたら適正診断とジョブの登録を行いますね。」
渡された用紙に必要事項の指名、年齢、生年月日、血液型を記入し、提出する。
「ありがとうございます。お名前は......コルト•シャグさんですね。では適正診断の準備をしますので、少々お待ちください。」
受付の女性はそのまま奥へ姿を消した。