表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/68

お金稼ごうか、ってことで冒険者を......ってことで逃げることにします

「さーて......これからどうしようかな?」


月明りが差し込む部屋の中、僕は残りの残金を目の前に「ふむぅ」と考え込んでいた。


「1、2......で銅貨が1枚」


まずい、これはまずい。


一応この宿は先に宿泊料を払っておくタイプの宿屋であるため今日は問題なく泊まることはできる。


しかし......


「明日からは無理だなぁ」


この宿の宿泊料は銀貨3枚。つまり、足りない。


.....うへぇ。


僕は机に突っ伏すとそんな声を上げる。


「これは、お金稼がなきゃいけないよなぁ」


僕はそう言って外を見る。


追っては来ていないようだ。風も怪しい人物はいないって言ってる.....そう言えばいつの間にか風と会話できるようになってたんだよな。これもシルフのせいか。っと話を戻そう。



どうにかして、金を稼がなくてはいけない。


この世界で金を稼ぐ方法、それはたくさんあるが、一番簡単な方法は......


「冒険者。うん!明日はギルドに行こう!」


ヘンリラッテでは追手がいてできなかったし!


さて、そうと決まれば早速寝よう。


冒険者は体力が必要な職業ってシルフから聞いてた。森の中やダンジョンに入って魔物を狩ったりするからだそうだ。


「.....おやすみー」


僕は誰ともいわずそう言うとベッドの中に入って目をつぶる。


.......少し、ワクワクして眠るのに時間がかかってしまったが、窓から入ってくる風のおかげで問題なく眠ることができたのだった。




ガタッ......そんな音が聞こえ僕は目を「ぱちり」と開ける。


何だろ?この音。


どうやら僕の隣から聞こえてくるようだ。


「っち、何だよこいつ。金持ってねえじゃねえか」


男の声だ。


僕は体を動かし寝返りを打ったふりをして顔を男の方に向ける。


「うわっ......なんだ。寝返り打っただけか。脅かしやがって」


そう言って男は胸をほっとなでおろす。


なるほど......どうやらこの男盗人らしい。


僕の荷物を物色しているようだ。


......まったく、夜は窓を閉めなきゃいけないね。すっかり忘れてたよ。


「『聖拘束(セイント・バインド)』」

「うわっ⁉なんだ!」


僕がそうつぶやくと男の体を光の輪がしばりつけた。


「な......くそ!ほどけねえ!なんだよこれ!」

「無駄だよ、それは君にはほどけない」

「なっお前起きて......」


盗人はそう言って驚いたような顔をする。


「うん、最初から起きてたよ。とりあえず君は明日衛兵さんに突き出しておくから......」

「ちょ、おま「『聖拘束(セイント・バインド)』」んんんん――――!?」


僕はうるさい男の口に『聖拘束(セイント・バインド)』を飛ばし......もう一発ぶち込む。


「『聖拘束(セイント・バインド)』」


ドテッ。


これは盗賊が倒れた音。


足にも『聖拘束(セイント・バインド)』を打ち込んだ僕はベッドに入ると......


「それじゃ、お休み。いい夢を」

「んんんー---......」


男は倒れたままどたどたと暴れまわる。


うーん......うるさいな。これじゃねむれな......あ、そうだ。


「『聖気絶(セイント・スタン)』」

「ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”ン”」


男はそう叫ぶと煙を上げて動かなくなってしまう。



あさ、僕は宿をチェックアウトすると男を引きずって衛兵さんの詰所へと向かった。


「どうしま......こいつは⁉」

「はい、夜部屋に入ってきたから捕まえときました」


僕がそういうのも聞かずに衛兵さんは奥へと消えていく。


どうしたんだろ?


「ふぁぁ......」


あくびをしながら僕はそんなことを思う。


うーん、朝はやっぱり苦手だ。


それに昨日の夜から何も食べてないしでもうおなかペコペコだし......


そう僕が待っていると詰所の奥から先ほどの兵士さんの上官と思われる鎧の男がやってきた。


「いやはや、お待たせして申し訳ない」

「いえいえーぜんぜんだいじょうぶですよー」


僕がそう言うと兵士さんの上官さんはにっこりと微笑み、そして僕が連れてきた男に険しい顔を向けた。


「それにしても、こいつを捕まえてくるなんてな......」

「ん?そんなにひどい泥棒なんですか?」

「いやいや、手口はせこくて単純なんだが......如何せん逃げ足が速くてな。今まで捕まえることができなかったんだ」


そう言うと男は「んんー--」という叫び声をあげた。


口ふさがってるから何を言ってもうめき声になるんだよな。


あ、もしかしたらせこくて単純ってところに怒ってるのかもしれない。結構単純な盗人だね。たぶんそういうことなんじゃないかな?


「被害総額は全部で金貨にして100枚前後。私たちも頭を悩ませていたところなんだ」

「ふむふむ、そうだったんですね」

「こいつには報奨金がかかっていてな......お、丁度来たな。ほれ」


さっきの兵士さんから袋を受け取った兵士さんの上官さんは僕にその袋を手渡してくる。


ずっしりとしていて、ジャラっという音がする、これってもしかして?


「それがこいつの報奨金だ。金貨1枚と銀貨が5枚入っている」

「おおおお!」


僕はそう言って目を輝かせた。


そんな様子を兵士たちは微笑ましそうに眺めた。


「さて、とりあえずそういうことだ.......それじゃ、もう帰っていいぞ」

「あ、そうですか?それじゃ、また......」

「あ、そうだった。すまんがこいつの魔法を解除していってもらってもいいか?」


そう言って兵士の上官さんは、『聖拘束(セイント・バインド)』でぐるぐる巻きにされている盗人さんを指さす。


「おお、そう言えばそうだでした。『聖解除(セイント・ディスペル)』」


僕がそうつぶやくと盗人の体を捕縛していた『聖拘束(セイント・バインド)』は崩れ去り消える」


その瞬間、どこからか取り出したロープを取り出した兵士さんが盗人さんの体を縛り付けた。


うわぁ......早い


「やめろ!やめろおおおおおおお!」

「こら!大人しくしろ!」

「よし!そのまま牢屋にぶち込んでおけ!」

「イエッサー」


そんな感じに一気に騒がしくなる彼らを見て僕は。


「それざ、今度こそ.......また.......」


そう言って僕は苦笑いのまま詰所を出ていきました。


......さて、まあなんかいろいろあったけど。とりあえず!


僕は手に持った袋を掲げる。


お金が手に入ったああああ!


僕はニヤニヤとした顔で、前を向いて歩き出す。


ふふーん....これからどうしようかな。あ、とりあえずご飯を食べよ。それから......


と僕が考えていると、背後でこの世の物とは思えない絶叫が聞こえてきた。


「ん?......あ、そう言えば」


盗人さんにも僕が『聖女』であるってことを内緒にするようにって魔法一応かけておいたんだった.......あれ?ってことは喋った?


「......なんか嫌な予感するな」


おそらく、兵士さんたちが掴まれられなかったお前を捕まえた。あいつの正体はなんだとでもいうような質問をされたんだろう。


......ってことは僕探られてる?


「......これ、面倒になる前に逃げた方がいいかな?」


一応この街は昨日のうちに堪能したし......よし。逃げるか。




......ブランは知らない。兵士たちが質問したのではなく、盗賊が自分から「アイツは『聖女』だ!」と言おうとして電撃を喰らったことを.......

感想、評価は作者のモチベーション維持に直結しています。


なので、面白い期待してる、ブランちゃん可愛い!と思った方は是非!


感想、評価そして、ブックマーク登録の方をよろしくお願いします!


それでは皆さんさようなら!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ