従者桜木花子と召喚者、津井儺祥那。最終話。
祥那は人の左腕と刀剣を抱えて戻って来た。
腕の持ち主は花子。
その刀剣を作り出したのも花子。
幾ばくかの竜種の犠牲を出しながらも、召喚者と転生者は生き延びた。
そして移民も。
飛び立とうとした宇宙船はマサコやエミール、本当に駆け付けた武光によって撃破されたが。
中身を知ってマサコは嘔吐した。
「生命反応は無かった」
そして1つだけ無事に回収された宇宙船と、後から浮島に着陸した黒い仔山羊の中に、文化や種、アマルティアが匿っていた移民達が乗っていた。
それから帰還までにと其々がデブリ回収へ。
マサコも武光も、エミールも祥那も、たった1人の未帰還者を探しながら、宇宙に広がったゴミを回収した。
そして花子が見付からないまま、デブリ回収の終わりを告げられ。
武光とマサコが無色国家の企みを暴こうとする間、祥那はホムンクルスの研究所へと辿り着いた。
「ショナさん、マジっすか」
「魔王、失敗したら殺しますので、良いですか」
「はい、どちらにせよです。是非、宜しくお願い致します」
もう既に桜花で悲嘆を殺しているので、桜花の能力は確実だった。
そして魔王は2人と1匹に分離し、名付ける事で魔王と言う存在は失われた。
そうして次は花子のホムンクルスへ、桜木花子と名付ける事に。
息はしているが目覚め無い。
パーツが足りないと思った祥那は、同じ位置で桜花を使い腕を切り取り、本物の花子の腕を付けて貰った。
それでも花子は目覚めなかった。
そうして無色国家の企みが暴かれると同時に、神々の同盟が結ばれると。
先ずはマサコが消え、次に武光が。
『僕は残りますし、ショナさん、僕に譲ってくれて大丈夫ですよ』
「僕も残りますから、学生時代を是非謳歌して下さい」
目覚めぬ花子の世話を穏やかに出来る筈も無く。
公務に次ぐ公務で、花子に会えぬ日も有った。
改善点が多過ぎて、時間が足りない。
まだ、まだ桜木さんの幸せになれる世界には足りない。
だからきっと目覚めないんだ。
ネイハムは忙しく働く祥那に代わり、目覚めぬ花子の世話をした。
寝る時間になれば泉へ入れ、起きる時間には病院へと戻し、仕事の合間に話し掛ける。
《今日は双子達の入学式ですよ、もう中学生なんです。でも君は年を取りませんね、泉の力でしょうかね。もう起きて良いんですよ、誰も怒ってませんし、私もエミール君も祥那君も君を愛してるんですから、大丈夫。戻って来て大丈夫ですよ、前にも話しましたが、ルーマニアも……》
毎日毎日、エミールか祥那かネイハムが愛していると告げても、ルーマニアが諸外国と国交を復活させ、花子と同じ性質持ちが世間に受け入れられても。
「今日は僕の誕生日祝なんですよ、一緒にお祝いしましょうね、もう10年……」
誰がどんなに愛してると言っても、目覚めず、老いもせず。
『ほら、ハナさんと僕の子供ですよ。家族ですよハナさん……』
そうしてエミールやネイハムすらも亡くなった頃、今度はロキの手元へ。
『召し上げたら目覚めるかもって待ってたんだけど、魂が無いんだね。そっか、大変だったね、良い子良い子、じゃあね。本当にさようならだ』
花子は何処に居たのか。
それは異世界、真っ白なフィンランドの基地の中。
そこでマティアスと呼ばれる看護師長と出会い、帰還の方法を探る中、子を成し、ひっそりと慎ましく暮らしました。




