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麟河航遊ラダウス  作者: 資田欧揮
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Ⅱ鋼操支配(レードコントロール)

 鋼制地アーティクシャリの中でも、主義体が二分されていた。

 従来保守都市派と吸収一体化都市主義派である。

 鋼制地は数十基も建造されてある。

 そのうち、母星リブアース行きの観光船を宇宙へ発射させた居住地はアーティ6(シックス)と呼んだ。

 リブアースからの鋼操機こうそうき軍隊が待機していることすら知る由もなく、航路を母星に合わせて旅立った。


 鋼制地従来保守派殲滅作戦が、着々と母星リブアースの光輝翔翼党により開始されようとしていた。その殲滅作戦が決行されれば、観光船共々破壊対象にされるのも時間の問題である。

 鋼操機シュタレードが奇襲してきたら、もうひと溜まりもない。

 しかし、星の光輝翔翼統合国以外が到着ポイントなので、鋼操機軍隊との遭遇から免除されるだろう。

 軍用対象外機シュターライドがどこの各地にも需要されていて、女子供はたまた高齢者でも操縦可能であってか、自警主体国の世界としてリブアースは構成されていたのだ。

 そして、こんな年端もいかない少年の12歳のリウドだって、シュターライドくらい操れたのだ。

 何せよ、こんな大戦が幾度もあった時代だ。シュターライドを操れない幼少の児童以外は動かせなきゃ生活苦は目に見えてくるもの。

 リウドのいる国『サホイマ』。ここは、光輝翔翼統合国ではなく、自警主体国の一つだった。

 光輝翔翼主義に荷担すれば名誉党員になれるが、スレーブ(隷属)扱いが目に見えて、誰もが荷担する訳ではなかった。

 リウド少年も荷担する気持ちはあった。スレーブ扱いで衣食住にも優遇され税金すらも全て免除になるからだ。

 おいしい話にスレーブは付き物。それでも光輝翔翼党の言いなりにはならずに自警主体の側に密かに着いた少年だった。


 リウドの居住地域サホイマの『カブアリー』。この付近にある麟河宇宙空港カブアリーポートに着陸予定の旅客便が到着したという。

 その時はまだ鋼操機軍隊総待機命令が下されてから間もない時間帯で、周辺飛行物体の熱探知を操作してないので、従来保守派都市からのリブアース観光船だと気付かれずに済んだらしい。


 リウドは、星の観光者が宇宙人だからか、物珍しく学校をサボってまでポートまで出向いていった。


「従来保守派都市の観光船だって、宇宙人の船なんだ。光輝翔翼党あいつら倒す武器くらいは搭載されてるさ」


「こら、そこのサホイマ人、ポート入港許可のない者は立ち入るな!!」


 ポートガードの役員が警備を徹底してきた。


「ン? あれが……旅客便のシャトル? あそこから不思議な空気が送られてきたようだったな……」


「おい!! 聞こえんのか!!」


「あっ、すみません。退去します」


 呆然と立ち尽くすリウド。変な感覚を経験し、その場から離れた。


 一方、旅客便のタラップから降りた一人の女子。彼女は、アーティ13の吸収一体化主義派から派遣されたスパイで、弱冠19歳でありながら鋼操機クレンスティの名回避戦術師でもあった。


「何? この空気の感じ方……鋼操支配コントロールしている? いや、されてるのかしら?」


「ぶつくさ言ってないでタラップ降りてくれよ!!」


 後の旅客に詰まりそうだったので、彼女はそそくさと地上に……丸い地上世界に足を着けるのであった。

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