表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第一章
6/41

蝶のように舞い 蜂のように刺す

俺も今日は運がついてる。昨日ではなくて今日、敵と遭遇するなんて。空想(ファンタジー)を早速使える!

そういえばシルフィーは、戦えるのだろうか。武器を持ってないように見えるけど。魔法か?


「シルフィー、戦えるか?」

「勿論じゃないっ!弓を持って…る…はずなのに……ない!」

「何処かで置いてきたのか?」

「あっ!黒服の男たちに壊されたんだった」


おいおい、今まで忘れていたのか?勘弁してくれよな。どうするだよ。まだ魔法が使えるなら 良いんだけど。


「魔法は?」

「…まだ使えない」


そんな口を尖らせながら言ったって、まさか 拗ねたのか!?


「もうコントは良いからさ。Good bye」


風間博士がそう言いながら右腕を挙げると、黒服の男らが一斉に自動小銃(アサルトライフル)を構えた。そして、風間博士が挙がっていた腕を降り下ろす合図で、一斉に銃の引き金を引き、撃ってきた。

俺らは四方囲まれている状況だから逃げることが出来なかった。シルフィーは 手で頭を隠して俺の背後で屈んでいる。


空想(ファンタジー),クリエイト!」


大量の銃弾が飛んできて、銃声で耳が痛くなる。なんとか俺の魔法は間に合ったようだ。何をしたのかと言うと、空想(ファンタジー)で障壁を創り出したのだ。その障壁は俺を中心に半球体になっている。敵が物理攻撃… つまり、殴ってこなければ この防御は最強だ。

俺が防御していることに気が付いた1人の男が撃つのを止めるよう指示を出した。

風間博士は確認のために、小石を木を盾にして投げてきたが、透明な障壁に当たり、半球体であるため、流れ落ちていく。

銃撃が止んだことに気付いてシルフィーが俺の影から出てきた。


「もう帰りなさいっ!」

「黙れー!!…ふっ、俺はさっき見たぞ。蟻が障壁(それ)の中に入っていくのを。つまり、生物は透過する!」


チッ

見破られるのが早すぎる。流石は科学者、着眼点が鋭すぎるな。その通り、生き物はすり抜ける。だから物理攻撃は防げないんだよ。

風間博士が見破るから、黒服の男らが銃を構えたまま、1歩また1歩と近づいてくる。

仕方がない、戦うしかないな。


「クリエイト」


俺は左手に(ピストル)を、右手に日本刀をそれぞれ出した。これが俺の戦闘スタイルだ。近距離でも中距離でもどちらでも戦える。これは、空想(ファンタジー)が使えなかった昨日までの1年間 ずっと考えていた戦略だ。やっと出来たことが嬉しい。

俺はシルフィーを気にしながら、戦わないといけないのか。

まずは、近づいてくる敵を剣で薙ぎ払った。けど払いきれなかった左後ろの敵は銃で撃った。見よ、この完璧な1人連携。その後も巧みに日本刀と銃を交互に使い分けながら、次々と黒服の男らを倒した。その姿は“蝶のように舞い 蜂のように刺す”が相応しいと俺は思った。でも(はね)は出してないけどな。


粗方(あらかた)俺の周りにいた黒服の男は倒し終わった。まだ狙撃者(スナイパー)がいるかもしれないから安心できない。けど、()である科学者を倒してしまえば、俺らの勝ちだ。


「動くな!動いたらこのエルフの命はないぞ!」


俺の後ろから科学者の男の脅迫が聞こえた。ゆっくりと振り返ると科学者は黒服の男が持っていた自動小銃(アサルトライフル)の銃口をシルフィーの向けていた。

しまった、ちゃんと守りながら戦っていたつもりなのに、守りきれなかった。俺もまだまだだな。

次回…シルフィーの2度目の救出

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ