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さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第三章
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謎解きは移動の最中にでも

シルフィーは落ち着きを取り戻したみたいだし、歩きながらさっきグラファスが話していた内容に触れるか。


「さっきアイツが話してた風の噂ってやつを聞いたか?」

「あの人は嫌いだけど、話は聞いてたよ。たしか『最古の木に眠る、地,水,火,風,空が示す5つの世界に光輝く星を隠さん』だったよね。どういう意味なのかな?」

「目的地までまだあるし暇潰しにでも謎を解いていくか」

「うん。私は…よく分かんないけど。こういうのは順番に解いていった方がいいと思うの」


暇潰しにしてはちょっと難しい過ぎるな。というか意味不明すぎる。いったい何を示しているのか、何があるのか。ヒント少な過ぎじゃね?


「最古の木ってことは木に(まつわ)る場所なんだろうね。でも、木に纏るところなんていっぱいあるからな〜」

「先に地,水,火,風,空の方を考えた方がいいってことか」


地面があって、水があって、火があって、風があって、空がある。あと木もある。そんなの何処にでもあるものじゃないか。5つというところから星というところもきているのか?図書館の知識をすべて頭に叩き込もうが応用が効かなければ意味が無いな。


「もう訳が分かんない!あの人本当に大っ嫌い!」


既に頭を抱えているシルフィー。あんまり頭を使うところでは期待しない方がいいのかもしれない。



それから歩きながら考えること20分。まったく解ける気がしない。頭を働かすより普通に歩いた方が楽だとさえ思ってきた。



「あっ、富士山!!」


え、何?急にどうしたんだよ。突然大声出されると驚くだろうが。

何か思い出したんだろうか。といってもさっきの問題だろうけど。


「なんだ?何か分かったのか?一応聞くぞ」

「なんか酷くない?まぁーいっか。地,水,火,風,空の5つに関連する物はたぶんパワースポットだと思うの!難しく考えればその5つってこの世界の要素(エレメント)だと推測したわけよ。ということはここから1番近いパワースポットと言えば富士山ってなるの。どう?」

「ふっ」

「“ふっ”って…なんで鼻で笑ったの」

「シルフィーにしてはよく考えたんだな。けど名推理じゃないからな」

「え?」


なんだ?その鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして。これは詳しく説明する必要がある。


「まずどうしてその5つに関連する物がパワースポットだと思ったんだ?」

「それは万物の源からの繋がりで…」

「仮にそうだとすると、ここから1番近いパワースポットは富士山じゃないから」

「え、ホントに?」

「第一、答えが複数あるような問題を出すか?いくらあのクソ野郎でもそんなことはしないと思うが」

「クソ野郎だなんて…。あの人のこと何も知らないくせに」

「それも言えてる」


なかなか痛いところを突いてきたな。もう少し考えてる時間が必要だな。奈良に着くまでには答えを出しておかないと、なんだか心のモヤが晴れない感じで苛立つ。

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