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さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第二章
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指名された依頼

俺は扉の方まで行き、中に入るように言った。


「入っていいぞ」

「お邪魔します」

「京夏、この人とどんな関係なの?」


変にシルフィーが強く聞いてきた。敵対心なのだろうか?別に悪いやつではないんだけどな。


「…はっ、まさか、私以外の女?」

「何を言ってるか分からんけど、彼女は話をしたいと言っているだけだ」

「何の?」

「それは俺も知らないけど…」


なんだ?今日のシルフィーはいつもとは違う反応をする気がする。


とにかくエリーには椅子に座ってもらった。

シルフィーはお茶を出してくれた。ここは探偵事務所か何かかよ。

そういえば、世界が融合してから探偵なんていなくなったな。そりゃ、世界が変われば生活も変わるってやつか。


「お話というのは迷える子羊を探してほしいのです!」

「どういう事だ?」

「あの、実は主人の家畜の子羊を1匹、私のミスで逃がしてしまったのです。その羊を…」


それってこの部屋で話すことか?ただの宿泊する部屋だぞ。しかも、探偵っぽい話だし。エリーは真面目に話しているが、少し可笑しく思えた。


「そういうのは、冒険者の宿に行ったほうがいいぞ?」

「貴方達を指名しているのです!」

「なんで京夏と私になの!?」

「この件は秘密にして頂きたいからで。貴方達を選んだのはたまたまです」


最後のは余計だな。

別に冒険者の宿に『これをやりたい』という依頼もないし、どうせだから引き受けよう。今の俺らには5マインあれば十分なことだし。


「よし、良いぜ。その依頼引き受けた」

「本当ですか?ありがとうございます」

「でも、結局は冒険者の宿には伝えないといけないぜ?依頼と同時に冒険者も同行すれば、指名された依頼だっていうことが分かる。そういう仕組みだ」

「えぇ、分かりました。では、参りましょう」

「あっ、待って〜」


エリーは勢いよく席から立ち上がり扉の方へ早足で向かう。その後ろで一歩遅れて歩く俺。対してシルフィーは慌てた様子で掛けてくる。


街に出てみればまだ朝早いため、店は準備に追われている。

シルフィーは宿から出る前にフードを被った。同様に耳が尖っているが俺は隠さない。―面倒臭いからな。それにこの服装(マント)にはフードは付いていないから。


何処(どこ)彼処(かしこ)も店は閉まっているから寄る所もなくぼちぼちと歩いていたら、目的地の冒険者の宿に着いた。

流石は四方から情報が集まるところだ。既に開いていた。24時間やっているのか?コンビニかよ。


俺とシルフィーは冒険者ということだから手際よく“輪証”を見せて中へ入っていく。エリーは冒険者ではないため冒険者の宿の人に話して中へと入ってきた。


俺ら3人は奥の部屋に入り指名式の依頼書を作成した。勿論そこには冒険者の宿の人も立ち会ってのことだ。


エリーは報酬金を書く欄に“20マイン”と書いた。

どうして、子羊を1匹探すのにそんなに報酬を払うのだろうか。それこそ、5マインで良いというのに。


「本当に20マインもよろしいのですか?」


と心配そうに冒険者の宿の人が聞く。俺らからすれば、高い報酬だから嬉しいけど、中立の立場である冒険者の宿の人の心遣いだな。

しかし、エリーはその心配を余所に1回頷いて依頼書にサインをした。

サインをした時点で成立とみなされるから、俺らは依頼通り遂行するだけだ。


「了解。俺らに任せろ!迅速に見つけてやるよ」

「私たちが必ず探してみせるので」


依頼書を手に子羊捜索に出発した。

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