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さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第一章
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2人に射し込む希望の光

もう1年前になるだろうか。(ゆい)雛乃(ひなの)悠希(ゆうき)の3人で旅をしていた時があった。あいつらと別れた後は、1人であちこち冒険をしているというのが今の俺の現状である。

そりゃ~魔王になるために現魔王:エンドの勢力は少しずつ気付かれないように削いでいるさ。


…ところで俺が今何処にいるかと言うと奈落の洞窟だ。経緯は、歩いていたら突然 枯れ草で隠れていた大きな落とし穴に引っ掛かり落ちて、奈落の底に落ちたって訳。で、腹癒(はらい)せに岩の壁を蹴ったら崩落してきて生き埋め状態になった感じだな。幸いにもそこが洞窟と繋がっていてそこを辿っていくことにしたんだよ。

今思い返すと岩の壁を蹴らずに翼を出して飛べば良かったと少し後悔してるんだけど、まだ唯との約束があるから 発想したものを何でも具現化するという俺の魔法“空想(ファンタジー)”は使えない。唯との約束の期間が終わるのは明日だ。どうしてこういう時に限って落とし穴なんかに落ちるんだ?ついてない…。

いくら別の魔法が使えるからと言ったところで、この1年は厳しかった。そもそも、空想(ファンタジー)で翼を出さなくても俺は吸血鬼なのだから、普段しまっているだけで、(はね)くらい出せるんだけど。


しかし、いったいこの洞窟は何処に繋がっているんだろうな~?まだ出口の光は見えないし…。

それにしてもコウモリが多いな~。コイツら誰の使い魔だ?それとも野良か?どうでもいいや。とにかく俺の周りを大量のコウモリが飛んでいて、まるで道を塞ぐかのように。…邪魔だな。


「お前ら…邪魔だ。道を開けないんだったら、丸焼きにして喰うぞ」


と、睨み付けるように言うと大人しく道を開けた。なんだ、野良だったか。と呟き、出口を目指し再び歩き始めた。


◆ ◇ ◆ ◇


かれこれ1時間以上歩いて、ようやく光が見えてきた。やっと、出口だ。もう歩き疲れたぞ。

そして外に出ると辺り一面木々が埋め尽くす、少し神秘的な雰囲気の森に出た。

いったいここは何処なのか。2つの太陽の光が美しい木漏れ日となって射し込んでいる。

しかし、うっとりとしている場合じゃない。早く森を抜けて久し振りに女性の生き血でも飲みたい。


「キャーー!」


突然、悲鳴が聞こえたから俺は、自分の魔法の“設定(オプション)”から超音波探知(ソニックソナー)を発動した。どういうものかというと原理はコウモリと同じく、超音波を出して、物の位置を特定する魔法である。たとえ俺と相手との間に壁があっても正確な位置を特定することが出来る正確さ。その結果悲鳴は2時の方向15m先からしたようだった。ちなみに2時の方向とはどっちのことか知ってる?アナログ時計を使って方位を示す表現で、正面から約60度を指すんだよ。というかそんなことはさておき、今の叫び声は誰だ?よし、助けに行くか。


悲鳴の元に駆けつけると、銃を構えた3人の黒服の男に囲まれる、髪の長い金髪のエルフの少女がうずくまっていた。明らかにあのエルフの子が何かの理由で襲われている。叫んだのは彼女のようだ。

唯との約束があって、まだ1つ魔法が使えないけど、絶対に助けた方がいい。そう思う。


「お前ら、何してやがる」

「あ?誰だお前は」

「耳が尖ってる?…君も私と同じエルフなのね!」

「こいつの仲間か?」


何かみんな勘違いしてるけど、俺は吸血鬼なんだよ。ほら、眼が赤いだろ?そこのエルフは眼が青色じゃないか。

次回で、エルフを助けましょう!!

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