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さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第一章
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憎悪の魔法__風間side~回想~

吹雪が止んでから歩き続けること1時間程度。

まったくアイスワイバーンが現れる気がしなかった。それよりも雪山の山頂に俺らは立っていた。

このままだとただ登山をしに来ただけになってしまう。


「おい、クリスどうするんだよ。アイスワイバーン全然いないぞ」

「だから俺に言うなってば!」

「来た意味がなくなっちゃうじゃん、クリス」

「なんで、俺に言う?」

「クリスがこの依頼を選んだんじゃんか」

「…それもそうか」


リンカの一言に反論できなくなったクリスを余所(よそ)に、来た道を戻ることにした。

「収穫なしか~」と落ち込んでいるリンカ。

すると、左の方角から竜の唸り声のような音が聞こえてきた。しかし、2人は気付いていないようだった。しかし、やっぱり俺には聞こえる。

2人を呼び止めて耳を澄ますように言って聞いてもらうと、聞こえたらしい。


「これはアイスワイバーンじゃないのか!?」

「向こうから来てくれるなんてね!努力が報われたわ」


ようやく声だけでなく目視できる範囲に近づいてきたその物体はアイスワイバーンより遥かに大きかった。

その姿を見て俺たち3人は絶望した。

なんと、“白竜”だった。アイスワイバーンより大きくてかなり強い魔獣クラス。

とにかく、白竜(あれ)を倒したらアイスワイバーンより多くお金がゲット出来ると3人で目を合わせ、戦闘態勢についた。


白竜は地面に足を着いて、俺たちを威嚇するように鳴いた。

その鳴き声に一瞬怯んだが、気合いを入れ直した。


「行くぞ!!!」

「クリス、白竜の背後に回れ!リンカ足元に攻撃!」


俺は背後に移動しているクリスに注意を引かせないように正面から、二丁拳銃で撃っていた。

そして、後ろに回って長い尻尾を切って動きを鈍らせようとしたのかクリスは尾に大剣を振りかざしたが固い鱗に弾き返された。


「かってぇな~、あの鱗」


クリスに目がいっていると、白竜はリンカの方に攻撃を仕掛けていた。


「リンカ、自分に防御を」

「分かった、水ノ魔法,滝流(ろうりゅう)


リンカは白竜のブレス攻撃を防いだようだが、まだ安心できない。

あの白竜 かなり強い。予想していたよりも強いと2人とも感じているはずだ。


「足元に集中攻撃!あいつのバランスを崩す」


俺の指示に2人とも応答し、足元を攻撃した。


しかし、クリスは焦って凍っている地面で滑った。それを見たリンカが気を利かして着地点にクッション代わりに水の球を出した。


◆ ◇ ◆ ◇


そろそろ3人とも疲労が溜まってきた頃、リンカが最後の一撃と言って魔法を発動しようとしたが、その魔法は俺もクリスも見たことがない魔法だった。


後で知るのだが、リンカが放とうとしている魔法は禁忌の魔法 “広域水素爆発”というものだそうだ。


そして、激しい爆発とともに衝撃波がきた。雪山に降り積もっていた雪が吹き飛び岩の地表が見えるところまであった。

クリスは雪に埋もれていたが、まっすぐに伸びる右手がグッドサインを出していたから、大丈夫なのだろう。しかし、リンカは横倒れていた。白竜はまだ生きていて翼を広げて飛んでいった。


俺たちはリンカを急いで冒険者の宿に運んで治癒ノ魔法が使える者に回復をしてもらったが、重症過ぎて治せなかった。



その後、俺はリンカを助けるために科学の道を進んでいった。しかし、治す方法の研究中にリンカは死亡した。そんな事件以来 俺は科学に取り付かれたかのように研究に没頭していき、魔法という存在を許さなくなっていった。

次回…強敵の科学者

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