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さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第一章
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科学者の実力

洞穴の中を歩く俺の足音に気付いてか、あの科学者が奥から出てきた。


「まだ生きていたとはな。お前は俺の置き土産にあげた()()を踏んで、とっくに死んだと思ったんだが」

「死んださ、一度。けどそこから生き返っただけだ」

「生き返った?吸血鬼はそんなことまで出来るのか…興味深い」

「調べさせないからなっ」

「エルフと一緒に吸血鬼のことも発表したら俺は有名になれるかもな」

「人の話を聞けよ」


科学者は完全に自分の世界に入り込んでしまっている。こういうやつは俺は嫌いだな。


科学者の後ろ、洞穴の奥にはシルフィーがいた。しかし、赤外線レーザーのような檻の中に入れられている。この科学者のことだから あの赤外線レーザー触ったものを切る性能とかありそうだ。いくら俺が不死身で中に入っても、中にいるシルフィーは出てこれない。となると、停止スイッチとかを押さないと助けられない。

よって科学者を倒す!


「…大体考えていること予想できるさ。俺を倒せばあのエルフを救えると思ってるんだろ?残念ながらそう簡単にはいかないんだよ」

「どういうことだ?」

「檻の解除スイッチを何処かに落としてきたみたいで、そうとも知らず檻を展開してしまったんだ」

「そんな口車には乗らねぇよ」

「ホントのことさ。そのスイッチじゃないと(あれ)は解除できないんだわ」


マジかよ、この科学者。その割にはまったく焦っているようには見えないな。…やっぱり口車か?敵に真実を教えるようなバカな科学者ではないだろうに。…知らないけども。

でも、もし本当になかったら赤外線レーザーを放っている機械を壊せばいいだろう。

あっ、科学者(こいつ)も同じ事を考えているから焦ってないのか?

…どっちなんだ、あの『少し余裕がありますよ』的な顔は!腹立つな。


「そういえば まだ名乗っていたかったな。俺は風間(かざま) 尚哉(なおや)だ。これからエルフと吸血鬼の論文を発表して有名になる科学者さ」

「だから、研究されねぇって言ってるだろ!」


まだ会って1日も経ってないけど、結論。俺はこいつが嫌いだ。

怒りの衝動を抑えるのが限界になって思いっきり殴りかかったが、軽々とバックステップで避けられた。

今 俺は科学者と戦っていると言うより、強い冒険者と戦っているような錯覚が起きた。何者なんだ?まさか、冒険者が風間に変装しているとか?


「どうした?」

「何者だ?お前は」

「何者って…。俺は科学者さ」


基本的に科学者は頭脳担当で、肉弾戦なんて一切しないし、戦ったとしても科学兵器とかを使うはずだ。この科学者、普通じゃない。


「不死身の吸血鬼なら少々手荒にやっても良いってことだな?」

「俺もただの科学者ではないと見込んで遊びは抜きにしてやるよ」

「遊びは抜き?なめられたものだ」


別に人間や科学者のことをなめている訳ではない。俺は元々は人間だったのだから。といってもだいぶ昔で今ではすっかり吸血鬼での生き方になっているけどな。

なめているのは本気を出すまでもないということだ。悪魔ほど脅威でもないし、身体能力も程度が知れている。

悔しかったら、俺を楽しませてみろ!

次回…風間の真実の姿とは

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