プロローグ
俺は世界の終わりを目の当たりにした。
当時14歳だった俺は、学校で普通に授業を受けていた。
けれども、世界の終わりは何の前触れもなくやって来た。
それは突然、大地震のような大きな揺れが、襲ってきたことに始まる。
教室にいる周りの女子は泣き叫び、男子は恐怖で震えるほど。街の人々も、恐れる者、戸惑う者、立つ事も出来ない程の震動に耐えきれず大地に伏す者で溢れかえる。
それでも揺れは収まらず、校舎やビルなど周囲の建物が均衡を失い、轟音をたて、次々と倒壊し崩れていく。割れた窓から見ても辺りは炎に包まれている。
他の生徒を助けようにも、俺一人の力では何も出来なかった。
難とか校舎の外に出た俺は、グランドから街を見た。そこに広がっていた光景はまるで地獄絵図のようだった。
崩れ落ちる建物の下敷きになる人々を、誰も救う事は出来ない。
況してや、消防署などの機関も機能していない。
世界は黒煙も混ざり赤黒く染まっていった。
それだけでは終わらなかった。次に空が虹色に揺らめいたかと思うと、まるで太陽が落ちてきたかのような強い光が世界を覆い尽くした。目を瞑っても、覆い隠しても目が痛くなるほどの強烈な光だった。
そして、次に何かに叩き付けられたかのような衝撃が走り、頭に鳴り響く轟音。
2000年6月_その日、世界は壊れ、終わりを告げた。
それからどれくらいの時間が経ったのか分からないが、気付くと周りの景色は一変していた。
俺が知っていたあの街並みが、大自然の中に混ざり合うように_。いや、バラバラに砕け散ったガラスの破片のような状態で、それでも強引にこの世界と融合していた。
あれほどたくさんいた人達は、いったい何処へ行ってしまったのか、考えるのも嫌になるくらい。世界と同じ様に、バラバラに砕け散ってしまったのだろうか__
このプロローグの内容は3回くらい書かれているでしょう。しかし、今回は主人公の体験談として書きました。
実際に世界が滅んだら大変ですね。