あけましておめでとうございます
ああ、またこの時がやってきて、成されるがままの哀れな私には、もうどうしようもなくなったのである。
けっして逃れることのできない、この空間。
まるで手術台の上に乗せられて、麻酔をかけられ、意識はあるが身動きが取れないような、そんな状況だ。
しかし、今にも私をどうにかしようと企んでいるその少女は、手術をする医者とは違って、目隠しをしているのである。
手が迫ってきた。
おそろしい程の恐怖が、私には狂気さえ感じることのできる、その少女の微かな笑い声によって、さらに増長されて、全身から溢れ出てくる。
目の前に、少女の手。
できることなら、この状況から今すぐにでも逃れたいが、やはり私の身体はいう事を聞かず、ピクリとも動く気配がしない。
とうとう、私の顔に少女の手が触れた。
うめくことも、さけぶことも出来ずに、私はただ彼女に弄ばれるまま。
ごそごそという音と共に、目や鼻、さらに口が引き剥がされたようだ。
ざあっと、顔の上を無邪気な手が動き、私の顔をこれでもかと穿り回している。
いたみがないのが不思議なくらいで、気が付けば彼女は私の顔から手を離し、目隠しを取ると、私の顔を見てケラケラと笑っていた。
*
「ママ~、見てこれ。変な顔~」
すぐに私が娘の元に行って見ると、娘は友達と一緒に福笑いをやっていて、確かにその某アニメのキャラを模した顔は目が口のほうに、鼻が目のほうにと、ぐちゃぐちゃに崩れていて、思わず吹き出してしまったのである。
新年初投稿のショートショートです。擬人化・縦読み・正月ネタでした。
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。




