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あけましておめでとうございます

作者: 東堂柳
掲載日:2016/01/01

 ああ、またこの時がやってきて、成されるがままの哀れな私には、もうどうしようもなくなったのである。

 けっして逃れることのできない、この空間。

 まるで手術台の上に乗せられて、麻酔をかけられ、意識はあるが身動きが取れないような、そんな状況だ。

 しかし、今にも私をどうにかしようと企んでいるその少女は、手術をする医者とは違って、目隠しをしているのである。

 手が迫ってきた。

 おそろしい程の恐怖が、私には狂気さえ感じることのできる、その少女の微かな笑い声によって、さらに増長されて、全身から溢れ出てくる。

 目の前に、少女の手。

 できることなら、この状況から今すぐにでも逃れたいが、やはり私の身体はいう事を聞かず、ピクリとも動く気配がしない。

 とうとう、私の顔に少女の手が触れた。

 うめくことも、さけぶことも出来ずに、私はただ彼女に弄ばれるまま。

 ごそごそという音と共に、目や鼻、さらに口が引き剥がされたようだ。

 ざあっと、顔の上を無邪気な手が動き、私の顔をこれでもかと穿り回している。

 いたみがないのが不思議なくらいで、気が付けば彼女は私の顔から手を離し、目隠しを取ると、私の顔を見てケラケラと笑っていた。


 *


「ママ~、見てこれ。変な顔~」


 すぐに私が娘の元に行って見ると、娘は友達と一緒に福笑いをやっていて、確かにその某アニメのキャラを模した顔は目が口のほうに、鼻が目のほうにと、ぐちゃぐちゃに崩れていて、思わず吹き出してしまったのである。

新年初投稿のショートショートです。擬人化・縦読み・正月ネタでした。

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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