黒月さんとコラボ。伏線回収編4
ソロモンはいつの間にか真っ黒な世界に浮いていた。そこ には、死んだ筈のジダイガ
ジダイガ 『始まりは今。私の目的は貴様を始まりに連れていくこ と。ここは出発点で到着点』
『死んだのではなかったのか、悪友よ』
ジダイガ 『今から遥か未来。ウルの願いは叶うこととなる。空間の 管理者と名乗るものが偶然空間に歪みを作り、ウルは偶然 歪みを見つけてしまう。そして偶然ジェラが通りかかり歪 みを利用し、偶然運命の再会をする』
『聞けよ』
ジダイガ 『私の力、無限すらも超越したこの思念!一種の到着点 だ』
『やはりアレは過去のことだったのか』
ジダイガ 『私はジェラが疑いを持つだろうと、ゲートを神と堕神に 渡しただけだ。そもそも、今ここにいる私はジダイガの残 留思念に過ぎない』
『やれやれ、お前の置き土産は毎度毎度退屈をさせてくれ ないな』
ジダイガ 『無限と有限、秩序と混沌、そして中立。私は最も死から 遠い存在だ。どう捉えるかは貴様次第、そろそろ目を覚ませ』
そして、ソロモンは気が付けば見慣れた校長室で寝ていた
ウル
『ソロさん疲れてるんですか?』
勝手に入って来たのか、ウルは何事も無いかのように話し かけてくる。
『…やれやれ、今回どれだけ私にヤレヤレと言わせるつも りだ』
机に突っ伏していた体を起こし、ぐいっと背伸びをする。 背骨がコキコキと音を立てた。どれくらいの間この姿勢で いたのだろうか
ナバト 『今更気にしても無駄だと思うが』
剣の状態では表情も何も無いが、なんか諦めている感じは する。あの戦いを求める狂戦士の姿を微塵にも感じさせな い
『その、なんだ。私も一応限りなく人間だからな。うたた 寝くらいもするさ』
ウル 『そういえば、あの穴はどうしたんですか?』
ウルが指差した先は、プロキアとやらに空けられた空間の 穴。その穴から手紙のようなものが落ちてくると、だんだ ん小さくなって穴は消えてしまった
『他の世界からの郵便かな?』
手紙には。<これが本来、元通りの状態だろ?わりと色々 あるけど全体的には平穏。そう思わないか? by 白竜王リ ア>
ウル 『何かあったんですか?』
『フン、あのガキめ。よく解っているじゃないか』
ぐしゃぐしゃと手紙を握りつぶし、ポイッと屑籠に放り込 む。両手をパンパンとはたくと、ソロモンは二人の来訪者 に尋ねた
『さて、一区切りついたし紅茶でもどうかな? 御嬢さん 方』
ウル 『いただきます!』
ナバト 『いただこう』
それからしばらく、校長室には楽しい談笑をする声が響い ていた