黒月さんとコラボ。伏線回収編3
ジェラ (気を付けてね♪魔剣ナバトで斬られると記憶が飛ばされ るよ♪)
『やれやれ、一度お世話になた物を嬲るなど気が 進まんな』
ウル 『嫌なことなんて忘れてしまいましょう、その行いは私が 全て受け入れます。気にする事はありません、私はその為 に存在しているのです』
ウルはナバトを持ち、ソロモンへと向かう。その剣の一撃 一撃は強力だが、技術も何も無いただ振り回しているだけ と大して変わらない
前後左右ステップでかわす、手で払う、のけぞる。それは まるで完成されたひとつの舞のようで。ウルの一撃を受け 流し、スキができたところでウルのナバトを持っている手 を蹴り飛ばし、ナバトを弾き飛ばす。
ウル 『っ?!』
『力なき神が粋がるな』
ウルの胴体に掌を叩き込み、ウルを弾き飛ばすソロモン。 数メートルスライディングした後ウルはとまった。間を合 わせたようにナバトが地面に突き刺さる
ジェラ (中々に非情だね♪)
『怠慢、停滞、沈黙、無感動。私の嫌うもののひとつだ。 何らかの変化がなくては面白くないだろう。なぁ、ジダイ ガ』
ウル 『どうして私を受け入れてくれないのですか?どんな苦痛 も私が全て身代わりになります。未来永劫絶望なんて見せ ません!』
『苦痛、刺激、絶望。マイナスがあればこそ、それを乗り 越えようとしてプラスが生まれる。マイナスがなければプ ラスはありえん。本人次第だが、人間には絶望を乗り越え る事のできる強さがある。貴様はそれを覚えておく事だ』
ウル 『それなら、私の存在理由は・・・』
ナバト 『ウル、我に任せろ』
ウルは巨大な鳥となって空に飛び上がり、そこには白く輝 く剣を持った人型をとったナバトが居た。包帯のような布 が風に揺られはためく
ジェラ (あの白い剣は聖剣クリアだよ♪あれを使えばナバトの能 力を封じる事ができるよ♪)
『この前言っていた終末を司る魔剣二振り、か。身近なと ころに終わりはあったのだな』
ナバト 『ウルに手を出すのは止めてもらう。気は進まないが、力 づくで阻止する』
『けしかけたのはそちらだろう?』
ナバトはソロモンに斬撃を飛ばして攻撃する。ウルの時と は違う、本気で殺す意思が込められた一撃。当たるわけに はいかない。どうにか避け、2丁拳銃を連射するもののナ バトは攻撃を剣で弾いてしまい全く効いていない。
『フ、こうでなくてはな』
ジェラ (一瞬だけ時間を稼いであげるよ♪)
ジェラはナバトに憑依すると動きを硬直させる
ナバト 『っ?! 何だこれは?! 貴様何をした?!』
『厳密に言えば私ではないのだがな、スキができた事には 違いはないな。破裂混沌』
ソロモンが左手を地面に置くと、ナバトの足元に黒い影が できる。刹那、それが上空へ向かって凄まじい勢いで爆ぜ た。ソロモンの左腕の闇による遠隔爆破である
ナバトの聖剣クリアは弾かれ、ソロモンの目の前に落ちて きた
ナバト 『一体何をしたのかわからないが、ここまでの手練れは久 し振りだ!私は負けるつもりは無いが、もしお前が勝った 場合には好きな武器を譲ってやろう!』
『魔剣ナバト。キミが欲しい』
ジェラがソロモンに憑依して勝手にとんでもないものを選 んでしまう。ソロモンは的外れな事を思っていた
『(捕らえ方によっては愛の告白だな)』
ナバト 『面白い!それだけの覚悟を私に見せてみな!』
ナバトは腹の亀裂を開くと、沢山の武器を取り出した。取 り出す武器一つ一つに凄まじい力が宿っているのがわか る。完全にやる気になってしまったようだ
ジェラ (面白いことになっちゃったね♪)
『相手が神なら不測はない。私も存分に楽しもうか』
2丁拳銃をしまい、代わりに何かを取り出すソロモン。そ れは一見何の変哲もない木刀だった。
『レプリカ、といえばレプリカだが、この世に存在するど のレプリカよりも高性能だ。神浄の爺さんには感謝してお かねばな』
木刀を地面に突き立てる。すると、刀身の部分が光りだ し、掘り込まれた文字が浮き彫りになった
『八百万ノ怒リト混沌ヲ封ジ込メシ神ノ剣ヨ。我ニ話シタ マエ』
地面に刺さったところから目を開いていられないほどの眩 い閃光。木刀が白い炎に包まれ燃え出す。ソロモンがそれ を引き抜き、一振りするとそこには。
純白の美しい刀身を持つ一振りの太刀があった
『十束ノ剣。さぁ、創めよ うか』
ナバト 『あまり時間は無い、悪いけど早めに終わらせてあげ る!』
『来い。剣術は自身があるのだよ、優秀な講師が一人、部 下にいるからな』
大上段に純白の刀を構えるソロモン。殺意むき出しのナバ トは、ノーモーションでソロモンに突進する。周りの空気 が残らず震えるほどの衝撃波を放ちながら二人は激突した
ギリギリと火花を散らし、互いの殺意がせめぎ合う。互い に堪えきれなくなり、お互い剣を振り上げ、敵から距離を とる
一撃で決まらないなら手数だ。音すら遅れてやってくるよ うな速さで打ち合う。どちらもまったく退かない。切り込 み、受け止め、受け流し、自らの刃を叩き込む。それの 延々ともいえるループ
そうやって打ち合っているうち、ソロモンは奇矯な事に気 づいた。ナバトの亀裂辺りから刺青のようなものが広がっ ているようだ。本人は自覚しているのかしていないのか、 必死の形相で剣を振り続けている。ソロモンは思案する
『(なんだあの禍々しい刺青のようなものは……ナバトの 奥の手か? それともこれが私がここに連れてこられた原 因か?)』
ジェラ (ここから先は僕は干渉しないよ♪どうやら憑依で無理や り着いていくのも限界みたい♪最後にナバトの暴走には気 を付けてね♪聖剣クリアと言う楔を失ったナバト は・・・)
ここでジェラの気配が消えてしまう
ナバト 『本当に時間がないわね。血肉を啜れ!魔剣レッドソー ド!』
ナバトは打ち合いの最中に腹の亀裂を開き真っ赤な剣を打 ち出した
『っ! 混沌拒絶!』
飛び出してきた攻撃を深い混沌の闇がはじき返すことでど うにか防ぐ。ナバトの刺青はほぼ全身に拡がってしまって いる
ナバト 『この・・・私を満たす糧になれ!』
ナバトの身体を中から破るかのように沢山の鎖が現れてナ バトをギリギリと締め付けた。さしものソロモンも驚きを 隠せない
『なにを……やはりあの刺青、本人の意思によるものでは ないか?!』
ナバト 『何か足りない、何か足りない!私は何を忘れた? 欲し い、ほしい、ホシイ………私を満たすものは・・・おまえ か!!』
ナバトから沢山の鎖がソロモンへ向かっていく
『アメノミハシラ!!』
ソロモンは刀を天に掲げる。純白の刃から凄まじい混沌の 意思が宿り、眩い殺意となって収束する。刀が振り下ろさ れた時、ナバトの鎖は跡形もなく消し飛んでいた
ナバト 『チガウ!チガウ!思い出せない・・・。飢えを満たすも のはワカラナイ!』
ナバトから沢山の鎖が辺り一面に拡がる。そして、貪り喰 うかのように鎖は周りのものを飲み込み、ナバト自身も飲 み込んでいく
『やめろナバト!! アメノハバギリ!』
ナバトから放出される飽食の鎖は、それ以上のエネルギー を与える事で飢えを満たし何とか相殺した。ソロモンはど うにかナバトを止める事はできたのだ。だが行き着くヒマ も無く他の存在が既に近くに現れた
リア 『どうもそこの二人。僕は中立の管理者の使い、白竜王の リアだよ。そこの君、ウルとナバトを止めてくれてありが とね。中立』
リアは倒れているナバトに向かって白い光を浴びせるとそ の姿は元の剣に戻り、空から人の姿のウルが落ちてきた。 ソロモンが瞬間移動でウルの真下に移動し、お姫様抱っこ の状態でキャッチする
『キミが管理者か。甘い管理体制だ、クレームを入れさせ てもらうよ』
リア 『それはすまなかったね。中立の管理者はあらゆる安定を 目指してるんだよ? 世の中に混乱を呼ぶ存在を私情はど うあれ放っておけないんだ。消して、無かった事にしない と。君はここに本来居るべきじゃないよね?本来の状態に 戻す中立の力によって、君達を消す。勝ち目なんかない よ』
ウル 『私は諦めません!神力(未来に奇跡を)』
リア 『中立』
ウルの力を打ち消される
『やれやれ、あがいて見せようか。常闇現』
リア 『無駄だよ、中立』
ソロモンの左手の闇と十束の剣の混沌がリアに放たれる が、ソロモンの攻撃もリアの目の前に現れたクリスタルに よってゼロにされてしまい無効化。勝てない。
『私は……また守れないのか…』
リア 『無駄だって。今からもとに戻るんだから。勘違いしない で欲しいのが、別に存在を消すわけじゃないってことなん だけどね。中立』
この世界の事象を司どる存在の力によって、ソロモンの姿 が徐々に薄くなっていく
『私の役目は……終わったのか? ここで終わりなの か?! クソッッ!!』
ウル 『私達は何とかします!せめて名前を教えてください!』
『私の名は………ソロモン。キミにアドバイスだ。もう一 度、自分の在り方について考えておきなさい。私からの宿 題だ』
ウル 『ソロモンさん、きっといつか会いましょう!神力(約束 された未来)・・・その時に答えを教えてください』
『それではいけないな、自分で答えを出さなければ……や れやれ、手のかかる教え子だ』
そして、ソロモンが完全に消える瞬間。ソロモンにこめら れていたジダイガの力が発動し、真っ暗な世界に飛ばされた