黒月さんとのコラボ
それも一つの日常
ジダイガ
『ソロモン、この世界で黒い翼をはやした人間を見なかっただろうか?』
(少し慌てた様子のジダイガが空間を破り急に現れる)
ソロモン
『心当たりがないこともないが……いや、少なくとも私の知っているものではなさそうだな。見かけなかった、誰だそいつは』
ジダイガ
『そいつの名は復讐と悪霊の神フォトン。数年前にミラーワールドに現れ人間の魂を集め力の糧にしようとした神だ』
ソロモン
『随分とおぞましいものを司る神もいたものだな。倒すのか?』
ジダイガ
『放置しておく訳にはいかないからな、空間を掌握・・・』
フォトン
『私はここに居るわよ』
(ジダイガが空間を切り取ろうとした時、フォトンが転移してくる)
ソロモン
『なるほど、こいつが……例によって禍々しい雰囲気と姿だな』
フォトン
『ふふ・・・ソロモンさん、貴方を探していたのよ』
ソロモン
『フン、一介の人間である私に何用か?』
フォトン
『貴方なかなか強いじゃない、私の部下・・・つまり下位神にならない?私の力は人間を軽々と支配下に置けるわ、その力を分けてあげる』
ソロモン
『残念だが私にはまだやるべきことがあってね。君の部下になるよりも有意義なことだ。つまるところは、貴様の部下になるなどありえん』
ジダイガ
『貴様の誘いに乗る程この者は愚かでは無い、人間を見くびるな』
(フォトンの様子が急変する)
フォトン
『人間のくせに私の誘いを断るなんていい度胸してんじゃねえか、てめぇらなんざ私の糧になってりゃいいんだよ』
ソロモン
『やはりそちらのほうが貴様らしい。悪役は悪役らしく、惨たらしく苦しみ、のたうち、無残に死ね』
フォトン
『人間の分際で大口叩くんじゃねえよ?・・・まあ、ジダイガが来た時点で私には引くしかありませんね』
ジダイガ
『ソロモン、奴の下位神になると言う事は悪意をその身に宿すと言う事、力に打ち勝つは意思が必要な物だろう?』
ソロモン
『問題ない。私には大切な者達が居る。そのもの達が私を私でせしめてくれる理由になろう。私は私の、貫くべき信念によってここに居る』
ジダイガ
『さて、貴様には元の世界へ帰ってもらおうか、神力(堕神の追放宣言)』
(フォトンは空間の狭間に消えていく)
フォトン
『素直に諦めますよ、ジダイガさんに勝つ事なんて出来ませんから。全く恐ろしいものですね』
ソロモン
『……行ったか。ジダイガが友人で本当に良かったよ』
ジダイガ
『さて、いつまでも外に居たくは無い、どこかに案内してくれないか?』
ソロモン
『では私の学校の食堂にでも案内しよう。ヤツがまた来た時の対策を練りたい。72柱能力・バアル』
ジダイガ
『フォトンの事なら気にする事は無い、絶対神の目の前に送り付けてやったからな。しばしは悪事も出来ないだろう』
ソロモン
『流石はジダイガ、やることがえげつない。そこに痺れる憧れるぅ!』
ジダイガ
『神の世界は実力主義縦社会の意外と厳しいものだ。それに、絶対神が出て来たとしても私の力には抗えない』
ソロモン
『(実質お前が最強じゃないか)まぁボヤ程度で済んでよかったよ』
ジダイガ
『ああそうだ、土産を持ってきたが・・・絶対神の持っていた酒だ。奴は酒を飲まないはずだが・・なぜ持っていたのだろうか?』
(異空間から酒の瓶とコップを取り出す)
ソロモン
『毒でないことを祈るよ。そうだ、つまみの柿ピーとチーザでもどうだ?』
(虚空からいきなり柿ピーファミリーパックとチーザが出てくる)
ジダイガ
『ふむ、この世界の酒のあてか。絶対神は神を支配し他の神より力を持っているだけだ。・・・実際、自身の下位神は好き勝手に振る舞い、堕神からは妨害を受け、このままでは過労死でもしそうな状態だったな』
(話ながら酒を注いでいる)
ソロモン
『どこの世界も社長は大変ってことか。あ、酒に合うチョコレートがどこかにあったはず…あぁ、あったあった』
(虚空からやかんとか傘とかが出てくる、そのあとチョコレートの袋出現)
(その酒はアルコール濃度が高いのに何故か変に甘い)
ジダイガ
『これは奇妙な味だな・・・、一体何で作ったんだか』
ソロモン
『ふむ、アルコールは大分高いようだな……そうだ、丁度ハアゲンティのワインがいい熟成具合になっていたんだ。これも開けよう。そっちの世界の様子はどうだ?』
ジダイガ
『こちらの様子は変わらなくも無いな・・・ある組織が世界全体を管理下に置こうと動いている。そちらはどうだ?』
ソロモン
『またスケールの大きい話だ。こちらは表面上は平和だが、何か大きなことが起こりそうな予感がする。嵐の前の静けさ、というやつだな』
ジダイガ
『お互い大変だな……とりあえず頑張・・・』
ウル
『ああ、ジダイガさん見つけましたよ!』
(何故かウル・ローグがやってきた)
ジダイガ
『ウル?何故貴様がここに居る?』
ソロモン
『おや? 久しぶりだね、ウルさん。相も変わらず見目麗しい』
ウル
『そちらも相変わらずお上手ですね/// 帰り方が解らなかったんですよ、ナバトが迎えに来てくれましたが二人して来たきりになってしまいました』
ソロモン
『ナバト? どこかで聞いた名だな……誰だったか?』
ウル
『これがナバトです、いい人なんですよ』
(ウルが大きな真っ黒のいびつな剣を見せながらニコニコしている)
ソロモン
『人、というよりは剣だな。意思を持つ剣か』
ナバト
『我が名はナバト・ローグ、過去を断ち切る魔剣だ』
ソロモン
『初めましてナバト殿、私の名はソロモン・レクター(以下省略)』
ウル
『あれ?これジュースで
すか?』
(謎の酒を指差す)
ジダイガ
『これは酒だ、貴様は飲めんだろ』
ウル
『そうですね。でもちょっとくらい…』
ナバト
『ウル、馬鹿な行動はとるなよ?』
ウル
『冗談ですよ、失礼ですね。私だって気をつけてはいるんですから』
ソロモン
『目は本気だったぞ、ウル殿? 代わりにこの前の紅茶を用意しよう。それまでその辺のをつまんでいてくれ』
(またしても虚空から紅茶セットが出現、手際よく紅茶を淹れるソロモン)
ウル
『ありがとうございます♪ このちーざってお菓子、おいしいですね』
ナバト
『ソロモン殿、ウルが非常識な行動をとろうとした時には止めてもらえると助かる』
ソロモン
『人間である私に神を止められるかどうかはわからんが、善処させてもらうよ。ハハハ』
ジダイガ
『・・・何者かが来る』
(尋常ではない空間の歪みから黒装束の男出現)
死神
『んあぁぁぁ~~肩凝った……あれ? ここどこだ?』
ジダイガ
『この世界はやたらと空間が歪むな・・・、全く・・・』
死神
『ん? あ、やべ、別空間に転移しちまったか……なんか、すまん。小生は死神。特殊魂魄課に所属しているものだ。本名名乗るのも面どくさいから死神でいい』
ジダイガ
『私はセイ・ジダイガ、漆黒と空間の管理者だ』
ウル
『私はウル・ローグ、神様です。これはナバト・ローグです』
ソロモン
『…貴殿とはシンパシーを感じるな。私の名はソロモン。ソロモン(以下省略)』
死神
『同感だ。よろしくな、ソロモン、ウル。そしてナバト』
ソロモン
『死神が来たということは、誰か死ぬのか?』
死神
『いや、新婚旅行用のリゾート地の下見しようと目指してたら、こっちに間違って落ちちゃったんだ』
(虚空から誰かが落ちてくる)
キラー
『うう・・・まさか転移に失敗するなんて・・・』
ジダイガ
『キラー?何故貴様が居る』
キラー
『転移している途中でやたらと空間を歪ませる黒い奴とすれ違った時に、そいつの影響でここに・・・お前か!!?』
(キラーが死神を指差す)
死神
『んあ~小生かも……すまそ☆』
キラー
『誤る気皆無だろお前!!』
ジダイガ
『貴様はこれでも飲んでおとなしくしていろ』
(キラーに謎の酒を渡すが、キラーはものすごく嫌な顔をする)
キラー
『それは、元人間に対する当てつけか?』
ソロモン
『人間をやめたのか? 石の仮面的な意味で?それともホムンクルス的な意味で?』
キラー
『それはない。私はワー・キラー。機械技師でヒューマノイドだ、それが理由で飲食は出来ない』
死神
『早い話がサイボーグみたいなもんか。サイコガンとかつけてねーの? 燃料はコーラとか?www』
キラー
『私にそんなアホな趣味はない。あと草生やすな』
ウル
『そういえば、死神さんの名前はなんでしたっけ?』
ナバト
『ウル・・・説明を聞いていたか?』
ウル
『聞いてましたよ、内容は忘れましたが』
死神
『切り伏せるぞ女郎。その役に立たない脳みその変わりにカニ味噌ぶち込んでやろうか』
ウル
『す、すみません、ワザとじゃないんです! ただ興味がなかったのでスルーしてました』
死神
『なお悪いわ!!』
ジダイガ
『妙に混沌としているな・・・』
キラー
『あなたの企みでしょう?』
(この二人には険悪な雰囲気が漂っている)
ジダイガ
『酷い言い掛かりだ、私が何か企んでいるとでも?』
キラー
『よく言うな、あらゆる方法で妨害して来た割には』
ソロモン
『ジダイガよ、お前一体何しでかしたんだ? まぁ常に悪いこと考えてそうな悪党ヅラだが』
ジダイガ
『やかましい。実際、空間を繋いで貴様と死神をすれ違うようにしたのは私だが?』
キラー
『・・・えっ?何を考えているんだ!?』
死神
『あ~……そういや小生の次元道路になんか別次元からの干渉があったと思ったらそういうことか。次するときはちゃんと標識立ててくれよ、対向車線に乗り上げそうになったぞ』
ジダイガ
『それはすまない、気をつけよう。空間を切って繋いだだけだ。単純だろう?』
ソロモン
『そんな小学校の工作するみたいに簡単に言われてもな…』
キラー
『ここに居る者達が本当に人間なのか疑問に思ってしまう・・・』
ソロモン
『私はれっきとした人間だ!』←十分人間離れしてる
死神
『言うまでもなく人外だが』←しかも神様殺す係
キラー
『確かに人間では無かったな・・・』
ジダイガ
『私は人間だ』
キラー
『悪いが人間には見えない、人間の皮を被った何かだろ?』
ソロモン
『人間にしてはチートすぎるしな』←こいつも十分チート
死神
『つか、空間歪ませる云々の時点で化け物だ』←人のこといえない
ジダイガ
『私の認識は人外なのか?ところで、ウルは何処だ』
死神
『ところでサイボーグ、前歯が錆びてるぞ』
キラー
『錆びるか!!』
ジダイガ
『外か』
(外を見ると三対の翼を生やした巨大な鳥が飛び去って行った)
ソロモン
『あの鳥……まさか、ウル殿?』
ジダイガ
『そうだ。あれが奴の真の姿だ、ナバトは何処だ?』
(部屋の隅っこで放置されているナバト)
死神
『喋れるんなら擬人化術式くらい使えとけよ。また教えてやろうか?』
ナバト
『人の姿をとれないのには理由があるのだが・・・またウルは我を忘れて行ったか・・・後、ウルは自分の世界に帰る気は無いぞ』
ソロモン
『なぜ彼女は帰りたがらない?』
ナバト
『ウルの世界は人一人住まない時の止められた世界、居るのは我とウルのみだ。我の影響か元々なのかは知らないがウルは記憶力に乏しい、この世界に来たことも長くは覚えていられまい・・・』
ソロモン
『……なんて切ない神なのだろうか…』
死神
『救う神はいない、神すらも救われない世界だから、か……』
ナバト
『ウルは精神的に幼い、寂しいのはわかるが・・・』
ジダイガ
『いい加減にしろ』
(ジダイガが空間を繋いでウルを引っ張り出している)
ウル
『私は帰りたく無いんです! もうあんな寂しい所に帰るなんてイヤ!』
(ウルは一生懸命翼をバタバタさせているため羽が舞い散っている)
ナバト
『・・・周りに迷惑はかけないでもらいたい』
ソロモン
『ウル殿、少し落ち着け。それでは自分が傷つくだけだ』
キラー
『なんだこの有様は・・・』
死神
『見てたんじゃねぇのかよポンコツ。空気嫁、ぶっ殺すぞ』
キラー
『これは後の掃除が大変そうだ。バッテリー残量34%、心許ないな』
死神
『ケッ、ココロまで鉄面皮かよ。惨たらしく爆発しろボケ』
キラー
『この状況をどうしろと・・・』
ジダイガ
『これ以上混沌とするまえにそろそろ解散したらどうだ?』
キラー
『そうさせてもらう、転移装置遠隔起動』
(キラーの姿が消える)
死神
『さって、小生も帰るかな。魔王からの着信が結構来てるわ。これ以上ほっといたらあいつが泣いちまう。悪いが後頼むぜ、ソロモン。また会おう』
(虚空からバイクが現れ、それに乗って姿を消す死神)
ジダイガ
『ウル、ナバト、貴様らもだ』
ウル
『私は帰りたく無いです・・・』
ナバト
『迷惑をかけるな、いい加減にしろ』
ソロモン
『泣くなお嬢さん。ほら、アメちゃんだ』
(へたり込んで泣くウルの頭を撫でながらアメを渡すソロモン)
ジダイガ
『神は世界に影響を及ぼす、何らかの影響を残すのは不本意だろ?』
ウル
『うう・・・そうでした、忘れてましたよ・・・』
ソロモン
『気を落すことはない。またいつでも遊びに来てくれ、ふと思い出したときでいい。ウル殿のことは私が心に刻んで忘れない』
(ウルの頭を撫でながら優しく抱擁するソロモン)
ウル
『ありがとうございます、そ・・そ?ソロバンさん?』
ソロモン
『最後の最後で台無しだーーー!!』
↓
多分終りだ!
皐月 蘭
「失礼します、新たな龍化者の情報が入りました」
ソロモン
「おぉ、ご苦労」
机の上に見慣れぬ、鮮やかな美しい羽。ペンたてに飾られているその羽は、この世のものとは思えない色をしている
蘭
「綺麗な羽ですね。どこで見つけたんです?」
ソロモン
「あぁ、私の友人が残していったものだ。いつかまた会うとき、コレが道標になるかと思ってね」
ふと、空に大きな鳥が羽ばたいた音がした
終われ