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第一話:銀髪の放浪者と、はじまりの四人

初めて書くので、設定がガバガバだったり、難解にしすぎていたりするかもしれません。

それでも読んでくださると、嬉しいです。

1. 望まぬ転生と、呪われた器

意識の最後は、雨の匂いと、鼓膜を劈く不快な金属音だった。 帰宅路の交差点。不運なスリップ事故。三十年の単調な人生が、アスファルトの上で終わるはずだった。


だが、極彩色の光が弾けるような感覚とともに、俺の意識は「そこ」にいた。 上下も左右もない、深淵のような暗闇。そこで、凛とした、しかしどこか懐かしい声が響いた。


『――見つけたぞ。お前こそが、私の最高傑作うつわを御せる唯一の魂だ。』


「誰だ……?」


『私は、お前だ。……今はそれだけでいい。さあ、抗ってみせろ。その絶望的なまでの力に。』


気がつくと、俺は湖のほとりに立っていた。 長い白銀の髪が風に揺れ、水面には、神々しいほどに美しい美少女が映っている。しかし、内側から突き上げてくるのは、静かな湖面とは裏腹な、世界すべてを焼き尽くしたいという**「狂気的な破壊衝動」**だった。 俺は膝をつき、必死に理性をかき集める。 「ふざけるな……。俺は、もう二度と……誰の命令にも、本能にも従わない……!」 三十年の社畜生活で培った我慢強さが、魔王の器から漏れ出す殺意を、数ミリの差でねじ伏せた。


2. 最初の弟子、テオとの出会い

俺が自分の体と魔力の制御に格闘して数日が過ぎた頃、森の静寂を切り裂く悲鳴が聞こえた。 そこには、巨大な牙を持つ魔物に追い詰められた、犬の耳を持つ少年がいた。


「助けて……!」


俺は無意識に手を伸ばした。瞬間、視界が紅く染まりかけ、指先にどす黒い炎が宿る。 (だめだ、これじゃ少年ごと焼き尽くす!) 俺は歯を食いしばり、黒炎を強引に霧散させた。代わりに、魔力を「透明な壁」として固定するイメージを叩きつける。


「防御魔法――『障壁』」


見えない大槌が空気を叩いたような衝撃が走り、魔物は数十メートル先まで弾き飛ばされた。 少年――テオは、震えながら俺を見上げた。その瞳に宿ったのは、恐怖ではなく、救世主への純粋な憧憬だった。 「……行く当てがないなら、ついてこい。飯の作り方くらいは教えてやる」


3. 欠けた者たちの合流

テオを連れて旅を始めた俺たちの前に、奇妙な二人組が現れたのは、街道沿いの廃村だった。


一人は、壊れた大盾を杖代わりに、力なく歩く大男・カイル。かつて王国の最精鋭だった彼は、守るべきものを守れなかった絶望から、戦う意味を失っていた。 もう一人は、古い書物を抱え、森の奥で途方に暮れていた精霊族の少女・リネット。彼女は理論が完璧すぎて周囲に理解されず、魔術師ギルドを追放された「はみ出し者」だった。


その日、俺たちは村を襲った野党の群れを相手にすることになった。 「無駄だ。俺の盾はもう……」と自嘲するカイルの前に立ち、俺はあえて魔法を使わず、彼の盾に「身体強化」の魔力を流し込んだ。 「おっさん、盾は『重さ』じゃない。守りたいという『意志』の密度だ」


同時に、魔法の構成に苦労していたリネットには、前世の物理法則を囁いた。 「リネット、熱は円を描くように回せ。そうすれば、その術式は爆発しない」


カイルの大盾は黄金の輝きを放って敵を弾き返し、リネットの魔法は精密なレーザーとなって敵の武器だけを焼いた。


4. 旅の始まり

野党を追い払った夜、焚き火を囲みながら、三人は俺――アエラをじっと見つめていた。


「アエラ様。俺は、あなたの背中を見て、もう一度盾を掲げたい」 「アエラ様……。あなたの言葉には、この世界の誰も知らない『真理』がある気がします。どうか、私を学ばせてください」


テオが誇らしげに胸を張る中、俺は深い溜息をついた。 「……勝手にしろ。ただし、俺は国なんて作る気はないぞ。静かに暮らせる場所を探すだけだ」


だが、俺が前世の記憶を活かして作った「石造りの即席暖炉」や、テオに教えた「身体強化の基礎」は、すでに彼らにとっての「希望」となっていた。


一行が立ち上がり、南へと歩き出す。 ふと、背後の空から、あの時の視線を感じた。 (……見てろよ、未来の俺か何だか知らないが。お前の思い通りに、世界を壊してなんかやるもんか)


俺は白銀の髪をなびかせ、一歩、力強く踏み出した。 それは、一人の迷える魔王と、三人の信徒が綴る、後に世界を震撼させる「建国記」の、あまりに静かな第一歩だった。


キャラの名前を考えるのが、本当に難しいですね。どうしてもどこかで聞いたような名前を設定してしまいそうになります。アエラたちの「建国記」どうなるんでしょうか。

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