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第82話 到着

 「それは、私がお答えします。 ピッグ共和国の女王殿のご指摘の通り、私とドーラ女王は形式上親戚になります」


 ルーデウスの説明にウルフ王国の代理国王は片眉を上げた。


 「ほぉ……形式上か。 意味深に言うの」


 「そうです、ウルフ代理国王。 私と戦死した兄は母と病死した父の子です。 新たにドック王国の国王として嫁いで来られたスマス父上は義理の父です。 確かに形式上は親戚になりますが実質的に血の繋がりはなく、ルーデウス代理国王陛下と私が婚姻することは問題ありません」


 ウルフ王国の代理国王に答えたのはドーラ女王だ。


 ピッグ共和国の女王は2人の答えに満足したのか、頷き席に座る。 


 「んご! そうどすか、ならば外野がどうこう言うのは無粋どすな。 大臣ルカ殿、話を中断させて申し訳なかったどす」


 「いえ、これからお話する上で疑問はなるべく解消すべきですから」


 既に飽きたレオン王国の女王はさっさと終わらしたいのか、もしくはまたルニアと模擬戦したいのか苛立ちを隠さず文句を垂れ始めた。


 「なぁ、もういいだろ? さっさと終わらそうぜ!」


 睨まれたルカは少なくとも、この会議室での一連の騒動は必要だったと考えている。 ピリピリしていた女王や代理国王に無理矢理本題を提案しても即座に断られていただろう。


 「勿論です。 では、本題に戻りましょう。 エントン王国は我等がマリ女王陛下を救出する為、準備が終わり次第帝都に精鋭部隊を送り込みマリ女王陛下と奴隷にされている100名のドワーフ達を助け出します」


 ルカの発言に女王達と代理国王は目を丸くする。


 「はっ! なんだなんだ、私達を道連れにゴルメディア帝国に戦争を仕掛けるとかじゃないのかい?」


 レオン王国の女王は拍子抜けだと鼻で笑う。


 「いえ、それだけなら私達を呼ぶ理由が分かりませんわ」


 ウッド王国の女王は怪訝な顔で羊皮紙に再度と目を通す。


 「ふんっ……なるほどな。 成功しようが、失敗しようがエントン王国はゴルメディア帝国にそもそも敵として認識されておる。 今回は直接の手出しにはならぬから、我等は抗議も何も出来ん。 だが、エントン王国から攻撃をしたと口実を与えればかの黒騎士団が今度こそ王都に攻め込んでくるだろうな」 


 ウルフ王国の代理国王は羊皮紙を指で叩きながらルカを見据えた。


 「んご! つまり……どういう事どす?」


 真剣な顔で腕を組んでいるが、ピッグ共和国の女王は何も分かっていなかった。


 「皆様にお願いしたいのは、私達がゴルメディア帝国から帰還した後の話です。 もし、ゴルメディア帝国がエントン王国に攻め込んで来た際にはご助力お願いしたい。 つまり、小国連合同盟を結びたいのです」


 「んご!……メリットはあるどすか?」


 ルカの提案を皆渋い顔で聞いていたが、ピッグ共和国の女王の質問で流れは変わる。


 「勿論です、ピッグ共和国の女王陛下。 実は……我等エントン王国は亜人達と、この度同盟を結ぶ事になりました。 取引として旧ルニア辺境伯の領地を亜人達に差し出しますが、代わりの恩恵は凄まじいものです。 交易が始まれば、各亜人族にしか作れない育てれない材料や食材にエルフにしか作れない魔道具等」


 この話に目を見開いたのはウッド王国の女王だ。

 ウッド王国も亜人達と友好的な関係だが、実際は同盟とは程遠く。 何度か同盟を持ちかけたが断られていたのだ。


 「ま、まさか……あの多種な亜人達を旧辺境伯領に住まわせ、交易の入口にすると?!」


 「ウッド王国の女王陛下は流石に聡いですね。 その通りでございます。 エントン王国並びに婚姻同盟を結ぶキャット王国とドック王国は戦前より豊かな国になるでしょう」 


 ルカの演説に各女王や代理国王は目の色を変えた。


 「へっ! なるほどな、そういう事ならレオン王国は小国連合同盟を結ぶぜ! 亜人達には強え英雄が居るんだろ? 手合わせしてぇな!!」


 我先にレオン王国の女王が名乗りを上げ、次にピッグ共和国の女王が同意した。


 「んご! 我等ピッグ共和国の総意は利益優先どす! ならば、この話に乗らねぇと帰ったら他の元女王達にどやされるどす!」


 「ふんっ……もとより、協力するつもりで足早に来たのだ。 どんな理由があろうと、ウルフ王国はエントン王国を助けよう」


 ウルフ王国の代理国王はメリットデメリット関係無く助けると宣言し、小国連合同盟に同意した。


 しかし、最後の1人が同意しなかった。


 「皆様には申し訳ないですが……信用出来ませんわ。 私達ウッド王国は長年亜人達と友好的に接してきました。 ですが、決してエルフ族の族長からは良い返事を貰えずにいたのです。 それを、亜人達を襲い奴隷に最近までしていたエントン王国の誘いをルル殿が飲むわけがないですわ!」


 ウッド王国の女王が凄まじい剣幕でルカに捲し立てる。


 「なるほど……ごもっともでございます。 ならば、御本人に聞いてみたらよろしいかと」


 冷静沈着なルカは、会議室の扉を開いた。



 「本人? こんな人間の領域にエルフが……ルル殿?」


 ウッド王国の女王が開いた扉の方を見ると、其処には1人のエルフが立っていた。


 「久し振りじゃの、森の民の女王よ。 すまん、ルカとやら。 待たせたかの」

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