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第98話 後は任せた!

 「誰か降りてくるようです」


 ファーストが1番に気付き、次にマリが気付いた。


 「ファースト不味いかも。 私の目が光ってる!」


 デランは知らないが、ファーストは知っている。

 マリの目が光る時は、妖精が近くに居ると。


 それも、裏切った妖精が。


 「私が行きます! 陛下は此処でデラン殿とお待ち下さい!」


 駆け出すファーストをマリが呼び止めた。


 「待って! 私も行く!! ティナを見えるのは私だけだから危険だよ!」


 「それは陛下も同じです。 先程、陛下が言って下さったと同じ様に貴女を守るのも仲間を助けに行くのも私の役目なんです!」


 ファーストはそのまま走り去った。


 「陛下、お待ちを。 もし、戦闘となれば貴女を狙った敵の攻撃を彼女等が受け止めなければなりません! 彼女等の身を思うならばこそ、信じて待つのです! それが、上に立つ人の役目です」


 追い掛けようとマリがすると、デランが抱き止める。


 「ぐぅ……わかったよ、デランさん。 ありがとう」


 「信じて待ちましょう」


 2人は暗い穴を見つめ、待ち続けた。


 少し待つと、マリの目の光は止み誰かが降りてくる音が聞こえる。


 「陛下、お下がりを」


 デランが片手斧を構え、マリの前に立つ。


 「多分大丈夫だよデランさん。 目の光収まってる」


 マリの言葉通り、降りてきたのはファースト達だった。


 ただ、その場にメリーの姿は無かった。


 「あれ……? 皆、メリーさんは?」


 セカンドが首を横に振るのを見て、マリは覚悟した。


 ◆◇◆


 「――以上が、姿の見えない敵からの言葉です」


 ファースト達の顔色は優れない。


 正直な所、マリよりもメリー隊長の方がメイド暗部部隊にとっては重要であり大切なのだ。


 「そっか~~良かったー! じゃあ、メリーさんはまだ死んでないんだね」


 打って変わってマリの明るい声にセカンド達は驚き怒る。


 「……今は無事でも、マリ女王陛下が出向かなければ隊長は殺されるんですよ?」


 少し怒気を含めたセカンドの言葉にマリは笑顔で答える。


 「行くから大丈夫だよ!」


 その言葉に、マリを疑っていたフィフスは顎が外れそうな程に驚愕する。


 呆気にとられたセカンド達を他所に、マリがファーストに羊皮紙を渡す。


 「これ、エントン王国の超絶最高に可愛い私の弟ルーデウスに渡して。 これからどうするか、何をすべきか一通り書いてあるから」


 それは遺書だった。


 マリが帝国に向かう道中に書き続けた念の為の遺書だ。


 「あ! 待って待って、ごめん書き足す。 北の最果ての地で闇の精霊探すのもお願いしとかなきゃ。 向こうにはヨハネも居るし……ルーたんの事お願いしてるからきっと大丈夫」


 マリは遺書に妖精の事を書き足す。


 きっと、精霊魔法を使うヨハネが読めば自分よりも良い結果を出してくれるだろうと信じて。


 「何でですか! 貴女は生きて帰るべきです! 私が言う事では無いですが、メイド1人よりも女王である貴女の命のほうが重い筈です!!」


 そのやり取りを見て、デランが吠える。


 「あはは、デランさんありがとう。 勿論、私も死ぬつもりは無いよ? でもね、大切なんだ~。 メリーさんには死んで欲しくない、其の為に私が行く必要があるなら行くよ」


 「……分かりました。 ならば、別れは言いません。 私は部下達と合流し、予定の場所で待ちます」


 デランが引き下がった事で、ファーストは口を開いた。


 「マリ女王陛下……誓います。 無事にお戻りになられたら、私達は絶対の忠誠を陛下に捧げます。 どうか、どうかメリー隊長を助けて下さい!」


 ファーストがその場で跪き、他の隊員達も続いた。


 「どうかお願いします」


 「メリーちゃんが望んでるとは思えないけど、陛下さんなら何とかしてくれる気がするな~。 お願い~」


 「不甲斐ない私達のせいだ! でも、見えない奴はぶん殴れねぇ! 頼む! 隊長を助けてくれ!」


 「どれぐらいで気付かれるかも不明っすから、遠くから狙撃で援護も出来ないっす。 本当にすんませんっす! もう疑ったりしないっす!!」


 「そもそも私が捕らわれたのが原因です。 身代わりになれるなら喜んでなるのですが……あ! サード様、陛下に変身って出来ますか?」


 皆が懇願する中、スィクススがある事に気付いた。


 「ごめんね~。 流石に記憶まではコピー出来ないかな~。 見た目は完璧に変身出来るけど、記憶のコピーは相手の脳内を読まないといけないから~陛下さん死んじゃうよ~?」


 「うん、サードそれは嫌かな。 ありがとうスィクスス、でもこれは私が行く。 大丈夫、行って直ぐに殺されるとは思ってないから。 メリーさんが無事に解放されたら、隙を見て助けてくれる?」


 「「「「「誓って必ず!」」」」」 「頑張るね~」


 メイド暗部部隊からマリは本当の信頼を勝ち取った。

 

 この時、実はマリは大きな分岐点に立っていたのだ。   


 しかし、マリがその事を知るのは当分先である。

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