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ダンジョン暮らし 5.5

ダンジョンから少し離れた地上の街にある冒険者ギルド


ダンジョンから帰還したサシャ、シン、スウの三人は別室で職員に報告を行う。


「三人で探索してた所にいきなり矢を射られ、シンが負傷し、逃げようとしたところスウの脚に矢が刺さり転倒、守るためにサシャが対峙し相手が穴熊と判明、シンは通路に逃げたが二人は取り残された、合ってるな?」

「「「はい」」」

「巨漢の穴熊はとりあえず置いとくで、負傷したシンが通路でネームドゴブリン、通称キャリアーと接触、回復ポーションを渡しシンの言葉を理解し単独で二人の救出に向かい、問題は此処からか、巨漢の穴熊と対峙逃げ道を三人が塞ぎ遊ばれてる所いつの間にか三人が死亡、激昂した巨漢の穴熊がサシャへ暴行、その隙にキャリアーが巨漢の穴熊の脚を手斧で切り落としそのまま体を駆け上がり脳天から…」

「「はい」」

「矢を射られてから数秒で三人を殺害、かなり速いうえにバレずにか、一撃で一番太いであろう脚を切り飛ばし、体を駆け上がり止め…」

「やっぱり信じられませんか?」

「いや、信じられるんよ、キャリアーがリトルデーモンを余裕で狩る姿が目撃されてる、何なら死体を奪おうとした馬鹿達が軽くあしらわれて生きたまま帰還している、話戻すで」


職員は報告書を確認しながら別の書類にも記入し話を続ける。


「この後の行動やけど、今までと違って興味深いのは布を渡した事やね」

「興味深い?」

「助けられた冒険者でまあ体を隠す為に渡すのは報告ある限り初やね、一人でその場を離れシンをソリに乗せて合流、穴熊達の荷物を漁って回収、だが何故か首辺りを確認していた、まあこれは他の冒険者の報告で分かってるけど」

「タグですか?」

「せや、キャリアーは何故かタグを集めている、余裕がありそうなパーティーが袋を受け取った事があるねんけど、残業が終わらない程の大量のタグが入ってたんよ、最初はキャリアーが殺した戦利品やと思ってたけどな、幾つかの報告書見る限り死んだ冒険者からタグを取る、冒険者の真似をしてる可能性が高い」

「ゴブリンが冒険者のルールの真似を…」

「まあこれで分からんのが、キャリアーは基本的に冒険者を襲わない、殺さない傾向にあるんやけど、冒険者やと思い込んでる穴熊を襲った理由から、キャリアーは言語を間違いなく理解しているって結論や、他の魔物が集まる前に地図を見て出口まで案内して解散っと、先に聞いた話終わったけど何か気付いた事あるか?」

「自惚れかもしれないが、あの時キャリアーは服の破けた私を見て、目線を反らした気がする」

「ゴブリンらしくないゴブリンやけど、人間の女性に欲を感じるんか」

「気のせいかもしれないが」

「ん~あり得るなあ、よし、下で情報料受け取って気を付けて帰りや~」

「情報料貰って良いんですか?!」

「おう、一応釘指しとこか?情報料目当てでキャリアーに近付くんやないで」


職員から放たれる圧に一瞬空気が凍るが嘘のように職員はへらへら笑いシンの肩を軽く叩く。


「今回は運が良かった、それを噛み締めて冒険しいや」

「はい」


三人が去った後机の上の書類をぺらぺらと捲る、キャリアーを狩りに行ったと思われる賞金稼ぎが行方不明になって暫く後、タグがキャリアーの袋にあり、死体が沼地でたまたま他の冒険者が発見、キャリアーと交戦したと思われる、タグの情報から賞金稼ぎは銀ランクのモズだと判明。


「鶴橋で脳天一撃、問題は泥が固まり足が抜けず回避不能に追い込んだ、どうやって泥を固めたかわからんけど、見て真似るコイツ、スキルも見たら使えるとかは、流石に無いか?」


あると思ってしまう、過去に見た技を覚える冒険者が居た、

接触禁止ネームド個体だが、モズの様に禁止されているネームドを狙う阿保も居る、言葉が分かるなら一方的でも伝えるべきか。


「メンバーは…」

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