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ダンジョン暮らし2

目が覚め体を起こす、廃棄物を運ぶゴブリンが此方に気付くとぺこぺこ頭を下げてから去っていく、俺の事は早くも皆に知れ渡ったと思われる、寝ていたベッドを見てやろうとしたことを思い出す、ベッドはこれで良い、使えそうな物を入れておく棚と、袋や装備を失った時用の予備、昨日だけでかなり消費した薬の補充、やることがいっぱいだ。


「流石にまだか」


廃棄場から出てガトが目印を付けてくれた場所を見るとゴブリン達がせっせと働いている、俺は廃棄物を漁る事にした、

驚異となる魔物も分かり欲しい道具を考え探す。


飛んでる虫には手が出せないし、天井の蜘蛛も厳しい、掘り起こした弓を使ってみたが、矢が虚しく地面に落ちる、弓の才能は無いらしい、遠距離攻撃手段は欲しいが名案は無く袋に一応しまい保留とする、薬は充分補充出来たので、ダンジョンへ出掛ける事にした。


「リトル、あれはぼろぼろ、これつかえ」


入り口で門番をしていた、ガトにソリを渡される、引き摺ってぼろぼろだった革がリトルデーモンの革に引くための紐は見たことない素材だ。


「それべんり、みないまつくってる、それいちばんいい」

「ガト、有り難う使わせてもらうよ」

「リトルがんばる、オサよろこぶ」

「そうだな」


ソリをくるくると巻き袋に仕舞う、さあ出発だ、昨日は虫が居て行けなかった場所へと向かう、どろどろの付着した剣、他には何も見当たらない、虫の巣が近いかもしれない、警戒しながら進むと案の定大きな巣が天井から伸び、此方を見ても無視して蜂が忙しなく動く。


「襲っては来ないのか」

「キー」


地面には芋虫がのそのそと歩き気を付けなければ踏みそうだ、 蜂を観察していると果物を抱え飛ぶ蜂が居る、飛んできた方向の通路へと向かい進んでいく、道は枝分かれしているが、何処かへ向かう蜂を追い掛けて進むと眩しい場所へと辿り着いた。


「此処がそうか」


ダンジョン内に広がる湖と果実のなる木々達、そして空では無いな、天井で眩しく光る結晶が辺りをほかぽかと照らす、

湖は透き通り魚が見えるが、木々に違和感がある、まるで管理されてる様に等間隔に並ぶ木々、誰か管理者が居るのだろうか。


「頭が良い雄ゴブリン、お前がリトルだろ?」

「その通りだが」

「私の名前はフルツ、名前付きの雌ゴブリン、役目はここの管理だよ、よろしく」

「よろしく頼む」


蜂に抱えられ現れた雌ゴブリン、フルツと名乗った彼女と握手を交わす、俺より少し大きい彼女は俺の手を確かめる様ににぎにぎと触る。


「成る程ね、君には個人的に好感が持てるよ、それじゃあこの場所のルールを教えるよ、1つ争いは禁止」

「守れると思うが、争いは禁止は自衛もか?」

「ん~それは極力かな、一定数襲ってくる人間は居る、一応人間も此処はダンジョンの中でも手を出してはいけない安全地帯って触れ込みらしいし、襲ってくるのはルールを知らない馬鹿、下手に戦うより少し逃げれば大抵蜂が何とかしてくれるよ」

「そうか、なら応戦するより逃げる事にする」 

「2つ、水を汲むのは良いけど血とか汚れを湖に流さないでね、水が汚れると非常に困る」

「わかった」

「よろしい、3つ果実を勝手に取らない、まだ成長仕切ってない果実を無作為に取られると困る、かなり充分な量は収穫出来てるから巣で食べるか、あの一番高い木の下に私の部屋があるから何時でも来ると良いよ、じゃあまたね~」

「ああ、また」


フルツは蜂に再び抱えられ一番高い木の方へ飛んでいく、湖の周りをぐるりと一週して見ると人間達がちらほら居たが、此方を見ても特に気にせず過ごす、鎧を脱ぎ湖に入ろうとした者を他の仲間が止めたり、水を汲んで離れた所で装備の血を流したり、フルツのルールは人間にも浸透している様だ。


巣に帰らずとも休める場所として此処は良いな、水分補給しまだ行ってない方向の洞窟へ進む、緩んだ気を引き締め進んで行くと、見落としそうになるが壁に張り付き同じ色の蜥蜴が潜んで居た、警戒しながら進むと壁から飛び襲って来たが斧でそのまま叩き切る。


「弱いが不意打ちに注意だな」


一撃で絶命した蜥蜴だが、爪は鋭く容易く引き裂かれそう、警戒しながら進み、たまに居る蜥蜴を叩き切り順調に歩み、地図を確認するとかなり奥まで来た。


「戦闘音…」


蜥蜴の鳴き声と人間達の声、こっそり確認すると俺より大きな蜥蜴と三人の人間が闘っていた、蜥蜴の爪を大きな盾で受け止めつつ槍で突き、横から飛び出した男が剣で蜥蜴に斬りかかり、後ろから火を飛ばす女。


「蜥蜴に火はそんなに効かねぇよ!」

「私これしか魔法使えません!」

「なら大人しく回りを警戒してろ!」


効かない攻撃をするぐらいなら警戒するのは道理か、しかし剣も槍も鱗に阻まれ効いてないと思うのだが、何度目の攻撃か大蜥蜴の爪が大楯を砕き、大蜥蜴の尻尾によるビンタでそのまま男が弾き飛ばされ、再び大蜥蜴に斬りかかった剣が折れた。


「何でだ!蜥蜴十体は簡単な仕事の筈だろ?!」

「そんな事より撤退しましょう!」

「俺が時間を稼ぐ、逃げろ」

「お前も一緒に決まってんだろ!」


大楯と槍を使ってた男が先程の大楯より小さい盾を背中から外し構え残る気らしいが、折れた剣を大蜥蜴に向けて投げ捨てた男が腕を掴み引っ張り、大蜥蜴に背を向けて走って逃げだし少し遅れて女が追い掛ける。


大蜥蜴は興味を失った様にのそのそと何処かへ行くが、逃げた彼等は階段とは違う方向へ逃げたが…追い掛けるか。



洞窟を走る、飛び掛かってくる蜥蜴の爪は鎧に阻まれ走る俺達にぶつかると跳ね返り地面に転がる、何処か安全な所へ、男達に後ろを気にする余裕は無かった。


服と共に肌を切り裂き血が滲む、さっきの大蜥蜴とは違う小さな蜥蜴だが鋭い爪が布の服を切り裂き太股を切り裂かれ、痛みに足がすくみ、転倒し地面を転がった所へ、群がる蜥蜴達、小さな口で傷口に噛みつき皮を裂き食べる。


「このぉ!」


痛みをこらえ詠唱した火の魔法を蜥蜴に放つ、一匹が丸焦げになり他の蜥蜴達が一度距離を取り、再び放たれ火の魔法は容易く躱され再び蜥蜴が新鮮な肉に群がり出すが。


「ギィ」


斧で潰され、女から引き剥がされ壁に投げ付けられ蜥蜴達は次々絶命し暫くして、満身創痍の女が痛みに泣き崩れていた。


「(細かい傷が多い場合は飲む方が良いのか)」


女に赤い小瓶を差し出し飲むように促す、涙でろくに前は見えてないのか、俺の姿に驚きもしない、飲み干すと血が止まり傷口が塞がるがぼろぼろの衣服は戻らない、男達を追い掛けるか?未知の道は危ないだろう、少し歩くが階段まで行こう。


泣き続ける女をソリに乗せ運ぶ、大声に小さな蜥蜴は驚き逃げ出すおかげで道中戦う必要もなく階段が見える場所へと辿り着く、これより進むと気分が悪い、泣き止んで静かな女をソリから降ろすとやっと女は気付いた。


「え?あ?!ゴブリン?!」

「(帰れ)」


魔法を撃たれる前にソリを引き足早にその場を離れる、蜥蜴を丸焦げにした火の魔法、当たるとどうなるかはわりと考えたくない、落ち着きを取り戻せば階段に気付き帰れるだろう。



ある程度離れた所でソリを収納する、全く傷んでなくガトに感謝しながら地図を広げる、余力は全然ある、あの男達を探しに行く為に俺は再び蜥蜴エリアへと向かう。


小さい蜥蜴を潰しながら進んでいく、大蜥蜴と闘ってた場所、彼等は居ない、こっちの通路…壁に僅かに蜘蛛の糸がある

冒険者の目印じゃなければ、まだ闘ったことの無い相手、

危険だな。



蜥蜴が消えて糸が増えてきた、まだ蜘蛛を見ていないが、千切れた糸を見る限りこの先に進んだ予想は出来る、不意に足に触れる物、良く見ると人間の足の骨だ、壁に糸で張り付けられそのまま餌になったか?糸を裂くとタグがあったので回収する、糸を裂けなければ死ぬまで餌か、そのまま進むと淡い光の漏れる広い部屋へ辿り着く。



「ん~!」

「…」

「(あ、居た)」


宙吊りの男二人糸でぐるぐるにされ身動き取れない様だ、視界に蜘蛛は居らず音も無い、何故だ?と思うが行くなら今か、ある程度近付くと見えない壁に当たる、淡い光の発生源でもある結界、捕まりながら咄嗟に使ったのか、これだと俺も近付けない、仕方が無いので、弓を取り出し吊り下げてる糸を狙って見る。


「ん~」


暴れるせいで剣を使ってた男の方は狙いがつけれない、どうせ狙ってもほぼ当たらない、気にせず何発も射つ、動かない盾を使ってた方の糸に当たり落下した、結界内な為一旦放置で動く方を狙う、僅かに吊り下げた糸を掠め僅かに糸が切れる、剣を使ってた男がこれでもかと暴れると糸が切れ落下した、

弓を仕舞いソリを出す、結界の光はもう消えかけているがまだ男二人はぐるぐる巻きだ。


「ん~!ん!ん!」

「(切るから動くな)」


結界の外まで剣士の男は転がり俺は斧で蜘蛛の糸を切るが、そこで淡い光が消え、辺りが暗くなり何処かで鳴き声が響く、急いで倒れてる男をソリに乗せて引く、かなり重いのと登り坂がかなりキツイ、松明を取り出し付けた剣士が此方に気付くがその背後には蜘蛛の大群。


「ギ!(後ろ!!)」

「うぉ!」


咄嗟に松明を背後に向ける、火により蜘蛛が放った糸が燃え、炎は糸をつたい蜘蛛に引火する。


「(速く逃げるぞ!!)」


手をぐるぐると回し急ぐ様にジェスチャーし二人でソリをとにかく引きながら走る、通路に滑り込み背後に男が松明を投げる、蜘蛛の糸に引火し燃え広がり追い掛けてきた蜘蛛達を焼く、今の内にとにかく進もうとした瞬間今までより大きく響く鳴き声と共に蜘蛛を踏み散らし炎を突き破り無理矢理通路に体をネジ込み現れる大蜘蛛、脚を器用に使い体を削り、殺気を振り撒きなりふり構わず追い掛けてくる大蜘蛛。


「キシャァァア!!」

「何処まで追い掛けくんだよ!」

「(何処までもだろうな!!)」


とにかく走る、ソリに糸が絡まり男が振り落とされて無いのが奇跡だろう、通路がほんのり明るくなる、蜥蜴のエリアだが大蜘蛛の勢いは止まらない、この先は広い部屋だ、今はギリギリ逃げられているが、体が自由になった大蜘蛛なら追い付かれるがとにかく進むしかない。


「マジかよぉぉ!」


部屋に入ると視界に入るは二匹の大蜥蜴、一瞬足が止まる男だがソリを引き続けるリトルに引っ張られ大蜥蜴に向かいソリを引く、二匹の大蜥蜴の間を駆け抜ける、此方に敵意を向けていた大蜥蜴だが通路から飛び出してきた大蜘蛛が勢いのままに一匹の大蜥蜴にぶつかり壁まで飛ばされ叩き付けられ、勢いを失った大蜘蛛、体勢を立て直し再び此方に来るかと思われたが、大蜘蛛の脚に大蜥蜴が噛み付き食い千切る。



部屋を通り抜けたは良いが、入った洞窟はすぐに行き止まりだった、戻れば大暴れしている大蜥蜴と大蜘蛛、洞窟の壁を背に剣を使ってた男は休憩し荒い息を整え、俺はソリに絡み付く糸を切りぐるぐる巻きから男を解放する、呼吸はしているが意識が無い、赤い小瓶を口から流し込み、地図を確認し悩む。


何処に行くにしてもあの部屋を完全に通り抜けなければならないのだが、三体の大型の魔物相討ちしてくれれば理想だが、持ち物は矢がほぼ無い弓、薬と毒の小瓶はあるが、当たれば一撃で死にそうであり、毒はあの巨体には効き目が薄いだろう。


「なあ、ゴブリン、俺の言葉わかるか?」

「(わかるが)」


此方の言葉は通じない一方通行だが頷いてみる。


「やっぱ通じてるか、助けてくれたんだよな」

「(ああ)」

「感謝する、今になって思えば倒す相手を間違え、逃げるのに必死で仲間とはぐれ、相方に庇われたのに二人して捕まるとか情けねぇ…」

「(後悔か…はぐれた仲間は多分無事だが伝わらないか)」

「うし!反省終わり!悪いんだが武器ねぇか?剣なら結構使えるんだが」

「(剣か…あるな)」


袋から剣を取り出す、そういえば一応袋に入れていた、剣士に渡す、ついでに赤い小瓶も渡しておく。


「マジか半分冗談だったけどサンキュー、これなら時間位稼げるだろ、なあゴブリン俺が囮になるからよお、コイツ安全そうな所へ連れてけないか?」

「(可能だとは思うが死ぬぞ?)」

「助けて貰ったのに悪いな、でもなコイツを待ってる人が地上には居るんだ、だから頼むわ」


首からタグを外し倒れてる男に付けようとした時、その手を掴む。


「…お断りだ」

「アックア」

「キース、お前も地上に帰るんだよ」

「(全員で闘うで良いか?)」

「うお?!誰か人間かと思ったらゴブリン?!」


飛び起きるアックア、一瞬の警戒、安心させる様にリトルと肩を組むキース。


「コイツが俺達を助けてくれたんだよ」

「理由は?」

「知らねえ」

「(仕事)」

「俺の言ってる事は伝わるのに、ゴブリンの言葉分からねぇ…」

「状況的にキースを信じるが、今はどういう状態だ?」

「あ~」


一通り説明した後、俺は地図を見せ、作戦会議を始める。


「成る程な大蜥蜴に大蜘蛛、階段はここ、絶対に出会うわけか」

「だから俺が囮に」

「それは無しだ」

「何でだよ!」

「お前が通ってるバニー専門店のらぴちゃんが悲しむ」

「…何でだ?何時も適当に相手されてるが?でもそのちょっと冷たい対応が好きなんだけどな」

「…帰ったら個室で今日の事でも話して聞かせてやれ」

「ん~分かった」


キースとアックア、二人とも生きて帰さないとな、耳をすませると聞こえる鳴き声は二つ、大蜥蜴は二人には厳しいだろう、一匹なら何とかなる、大蜘蛛が未知数だ、地面にガリガリと絵を描き作戦会議を進めた。


「大体分かったぜ」

「あの大蜥蜴を一人でか、俺達では任せるしか無いのが悔しいな」

「俺達は松明を全て使い大蜘蛛をとにかく焼く、回避に専念可能なら大蜘蛛の攻撃を大蜥蜴に誘導、隙があればこの通路から階段まで逃げる」

「(行くぞ)」


冒険者二人とゴブリンによる共闘が始まった、通路の影から顔を出し覗く、通路の近くで死んでいる大蜥蜴が一匹、かなりキレている大蜥蜴が大蜘蛛に攻撃するが力負けし引き剥がされては飛び掛かる。


「今なら逃げれるか?」

「無理だな、もうあの大蜘蛛は俺達を見てる」


二人と一匹は通路から出る、此方に敵意を向け駆け抜ける大蜘蛛に二人が松明を投げ付け走って逃げる、大蜘蛛の毛が燃え体に纏った糸に広がり地面を何度も転がり火を消す。


「効いてるぞ!」

「問題はあっちもだ!」

「(任せろ)」


大蜥蜴へと飛び乗り両目に毒を塗った矢を深く突き刺す、鱗は硬いが眼球は柔らかい、先ずは先制だが油断はしない、暗い場所で暮らす生き物は目に頼らない狩りが出来る事が多い。


体勢を立て直した大蜘蛛の突進を大蜥蜴の脇を通り抜け回避する二人、大蜘蛛と大蜥蜴が衝突するかに思えたが、大蜥蜴の口から紫色の液体が吐かれ大蜘蛛は液体を浴びると大蜥蜴に糸を吐き出し、苦しそうによろめく。


「吸うなよ!かなりの毒だ!」

「コイツ毒を使うのか」

「(なら毒の効き目には期待出来ないな)」


よろめいた大蜘蛛に松明を投げ付け再び火達磨にする、問題は大蜥蜴の方に傾いた天秤、逃げるなら大蜘蛛より大蜥蜴の方が速く厄介だ、何か手を打たねば、いや手じゃなく脚がある。


「ゴブリン?逃げるにしてもそっちじゃ」

「あれは」

「(大蜘蛛の脚なら!)」


大蜥蜴が食いちぎった大蜘蛛の脚を拾う、このままじゃ使えないが、手斧の先端に脚を突き刺し即席の鶴嘴を作る、後は大蜥蜴の頭にこれを叩き込む、そう思った矢先、いつの間にか目の前に居た小さな蜥蜴が俺の首へと飛び付き噛み付く、掴み地面に叩き付けるが出血がかなり酷い、小さな蜥蜴の鳴き声に反応し大蜥蜴が此方を向き喉を鳴らし放たれる紫の毒液。


「カバー!!」

「おう!」


毒液をマントで浴びマントを投げ捨てるアックア、大蜘蛛の鶴嘴を拾い駆けるキース、飛び上がり体重を乗せて上段から振り下ろされた鶴嘴が強く大蜥蜴の頭部に突き刺さり、大蜥蜴が倒れ、大蜘蛛も毒と火のダメージで倒れ二人と一匹は大型の魔物二体の討伐に成功した。


「キース!」

「ああ!」


キースは慌ててリトルの首に赤い小瓶をぶっかける、少し体がふらつくが立ち上がり、喜ぶ二人を見ると俺も嬉しくなる。


それから二人は倒れた大蜥蜴二体の牙と尻尾と革を剥ぎ取り、大蜘蛛の脚を四本を袋に入れて階段へ向かう通路へと進む、俺は手を振り別れる。


「またなゴブリン!」

「気を付けて生き残れよ!!」

「(またな)」


俺一人で三体の大型の魔物を運ぶのは無理だが、洞窟通路を駆け抜け湖と木々の広がる場所へ、近くに居た蜂が此方を見ると、蜂がフルツを連れてやって来た。


「ぼろぼろじゃん」

「大蜥蜴二匹と大蜘蛛を巣まで運びたい、何人か借りれるか?」

「マジで?!良いよ!召集!!」


旋回し飛び立つ蜂たち、暫くして運ばれてきたゴブリン達を連れて俺は大蜥蜴二体と大蜘蛛の死体を持って巣へと帰還し、ふらふらと廃棄場へと向かいベッドに倒れる。

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