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彼女は平民達を癒す

テレーズ、平民達を癒す

ユゲットとテレーズの聖龍と聖龍の愛し子としての中央教会の大聖堂でのお披露目は二部構成である。午前中の貴族達に向けたお披露目は終わり、午後になった今からは平民達へ向けてのお披露目が行われる。


「聖龍様であるユゲット様と、聖龍様の愛し子であるテレーズ様です!」


大々的に紹介されて、ユゲットとテレーズは平民達へ手を振った。その瞬間歓声が沸き起こった。


「テレーズ様ー!万歳ー!」


「ユゲット様!万歳ー!」


どうも、平民達の方が信心深いらしい。しかし長く生きるユゲットとしては珍しくはない光景なのでなんとも思わない。だが、テレーズは違った。


「ユゲット」


「なんじゃ、ママ」


「こんなに歓迎してくれる平民達に、何かしてあげられることはありませんか」


「なら癒しの魔法の魔力を込めて歌ってやればよかろう。ママも自分の能力にはもう自覚があるじゃろ」


「……やってみます!」


テレーズはマルカを通して中央教会の許可を得て平民達のために癒しの歌を歌う許可を得た。


「えっと……皆さん!今から癒しの歌を歌うので静かに聞いてくださると嬉しいです!」


テレーズが言うと、熱狂から一転しんと静まり返った。


テレーズが無茶のない範囲で力を思い切り込めて癒しの歌を歌うと、途端に平民に変化が生じる。目に見える怪我は瞬時に治り、内側のダメージも修復される。目に見える病気は瞬時に治り、内側の病気も回復していく。身体の一部を欠損した者は、欠損していた身体を取り戻し、精神を患っていた者は気持ちが上向くのを感じた。


テレーズが歌い終わると、聞き惚れていた平民達が自分達の変化にようやく気付き、さらに会場はテレーズを讃える声で満たされた。大熱狂にテレーズは有難く思うがちょっと怖いなと内心引き気味になる。ユゲットはそんなテレーズを気遣って、そろそろお開きにするようマルカを通して司会を務める司祭に伝えた。


「では、お披露目はここまでとなります」


その司祭の言葉にユゲットとテレーズは奥に引っ込む。ユゲットは引っ込んですぐにボーモンに抱っこされた。


「……あー!緊張しました!」


「すごい熱狂だったな」


「怖いぐらいでした……」


「おーおー、ママ、よく頑張ったのぅ」


ボーモンに抱っこされたままナデナデとテレーズの頭を撫でるユゲット。ともかく、これでテレーズは広く聖龍の愛し子として認められた。これからまた忙しくなりそうである。

ユゲットは優しいママが大好き

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