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彼女は珍しい二度目の魔獣のスタンピードにびっくりする

はたして何故二度目のスタンピードが起こったのか

「テレーズ、ユゲット。すまない。しばらく家を空ける」


「ボーモン様、どうしました……?」


「パパ……?どうしたのじゃ?」


「二度目の魔獣のスタンピードが起きた」


「……え!?」


「それもかなり大規模なものだ。とはいえ、テレーズとユゲットの作ってくれた魔封じの網があれば問題ない。必ず無傷で帰ってくるし、領内に被害も出さない。安心して待っていてくれ」


ボーモンは微笑んでテレーズの頭を撫でる。ボーモンの言葉に嘘はない。テレーズとユゲットのお陰で魔封じの網には余裕があるのだ。


「ただ、これは自然災害とは思えない。何者かの悪意を感じる。だから、しばらく調査もしなければならない。……留守は頼むぞ、私の奥さん。娘と使用人達を守ってくれ」


「……!はい!お任せくださいませ、旦那様!」


「行ってくる」


「行ってらっしゃいませ!」


「パパ、ご武運を!」


ボーモンは行ってしまった。テレーズはやっぱり、少しボーモンが心配だがボーモンが大丈夫だと言う以上信じる他ない。


「ママ、大丈夫じゃよ。パパは本気で無傷で帰って来ると言っておった。怪我などせんよ」


「うん、そうですよね。ありがとう、ユゲット」


「なに。心配せんでもママは妾が守るぞぃ」


「ふふ、はい!」


ー…


「これより止めに入るのはかなり大規模な魔獣のスタンピードである!気を引き締めて挑め!お前たちの守るべきは力のない人々だということを忘れるな!」


「はい!」


「我が妻テレーズと我が娘ユゲットの作った魔封じの網で引き止め、国の魔獣研究所に連絡して魔獣達を保護してもらうこととする!誰一人怪我をしないよう、心してかかれ!」


「お任せください!」


「平民達の住む街へ侵入される前に、この地点で食い止める。お前たちはこことここ、こことここに別れて待ち伏せし、魔封じの網で囲い込め!」


ボーモンが作戦を伝えれば、直属の騎士団はすぐに動き出した。中にはこの前の魔獣のスタンピードの際、テレーズが倒れて呆然としていたボーモンに「この場は後は我々にお任せを!奥様を助けてください!」と声をかけてくれた当時はまだ見習いだっただろう彼もいた。


彼も含め、騎士団員達の目は力のない平民達を我々が守らねばという使命感に燃えていた。ボーモンも負けていられないなと笑う。


とはいえ、今回は事前に魔封じの網が用意されている。魔獣のスタンピードは、魔獣達が興奮しているので攻撃的で勢いは激しい。しかし逆にいえば、魔獣達が興奮しているので冷静な判断力はない。少し細工をして待ち伏せすれば、簡単に魔封じの網で広範囲を取り囲み捕まえられるだろう。


「…来た」


そして、準備万端の騎士団の待ち構えていたポイントに興奮した様子の魔獣達が押し寄せる。ボーモンが魔法の狼煙で合図をすると、一気に騎士団によって魔封じの網が展開され、魔獣達は身動きを封じられた。


「やった!」


「やったぞー!」


こうして魔獣のスタンピードは、被害が出る前に未然に防ぐことが出来た。


興奮した様子の魔獣達だが、国の魔獣研究所に連絡して保護してもらえることになったので大丈夫だろう。国の魔獣研究所も研究対象をゲットできてウィンウィンだ。


「お前たち、ここは任せていいだろうか。私は少し調べることがある」


「お任せください!」


ボーモンは騎士団に落ち着いた現場を任せて、今回の魔獣のスタンピードで感じた何者かの悪意を調査することにした。


「魔獣達を兵器を使いわざと驚かせて、興奮させることでスタンピードを起こしていたのであろう形跡があるな…」


ボーモンが調べたところ、とある国の関与が浮上した。


「女王陛下に報告しなくては…」


ボーモンは女王陛下に緊急時に連絡するための魔法を展開する。


「…魔獣達も、利用されて可哀想に」


ボーモンは静かに怒っていたが、平静を装うため深呼吸をした。

ボーモンはお怒りのようです


アルファポリス様の方でこれ以降のお話を先行公開しております。よかったぜひ来てください!

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