90/103
彼女は娘と一緒に魔封じの網を作る
魔封じの網大量生産
「じゃあ、妾頑張っちゃうぞぃ」
そう言ってユゲットは魔力を編んで凄まじい速度で魔封じの網を編んで行く。その大きさ、丈夫さ、魔封じの威力は物凄く、これならばいつ魔獣のスタンピードが起こってもテレーズが無茶をする必要はないだろう。
「……ふぅ。さすがにこれ以上は妾でも無理じゃの。魔力は有り余っておるが、脳みそが付いていかんぞい」
「魔封じの網作りって相当集中力要りますもんね」
「大変な作業じゃ。じゃがこれでしばらく分の蓄えにはなるじゃろ。次の魔獣のスタンピードに使える分はあるはずじゃ」
「本当にありがとうございます、ユゲット!」
「大好きなママを守るためなのじゃ。当然なのじゃ」
えっへんと胸を張るユゲットを、テレーズはぎゅっと抱きしめる。
「こんな気持ちになるなんて、本当にユゲットと出会えてよかったです!」
「それは妾の台詞じゃぞ?パパとママと一緒にいられて、妾は幸せじゃ」
「ユゲットー!」
テレーズとユゲットはこうしてさらに母子愛を深める。しかし、領内では不穏の種が蒔かれていた。
不穏の種とは