彼女は娘との食事を楽しむ
テレーズ、ユゲットに心を射抜かれる
「パパ、ママ、早速お昼ご飯を食べるかぇ?」
「そうですね、みんなで食堂に行きましょうか」
「手を繋いで行こうか、ユゲット」
「良いぞ良いぞ!嬉しいのぉ……」
三人で仲良く手を繋いで食堂に向かう。
「今日のメニューは、ポークチャップとスペイン風オムレツ、ドライカレーとポトフですよ」
「いっぱいだのぅ!楽しみだのぅ!」
「どれも美味しいですよ。ユゲットもきっと気に入ります!」
「ママ、ありがとうなのじゃー!」
こうして三人は食堂に着いた。テレーズの正面にはボーモン、隣にはユゲット。給仕がお昼ご飯を持ってくる。
「今日は色々あって慌ただしかったから、食事が余計に美味しく感じるかもな」
「そういうものかぇ?」
「そういうものだ。では、いただきます」
「いただきます!」
「……ふむ。いただきますなのじゃ!」
ポークチャップとスペイン風オムレツ、ドライカレーとポトフの中で、ユゲットはまずドライカレーを食べてみた。
「ん!これは美味しいのじゃ!ドライカレーと言ったかの?まず、お米がパラパラで程よくしっとりで食べやすいのじゃ!そして、カレーは辛い物のはずなのにまず先に甘さが来て、でも直後に心地良い辛さが広がるのじゃ!旨味も抜群で、気を抜いたらすぐに完食してしまいそうだのぅ!」
「ふふ、スペイン風オムレツも美味しいですよ」
「この黄色いのかの?テレーズのおすすめとあれば、楽しみなのじゃ!」
ユゲットはスペイン風オムレツを口にする。
「おおおお!これは美味い!ジャガイモがホクホク、ほうれん草美味美味、玉ねぎと長ネギの食感が楽しく、卵部分の口当たりはふわふわなのじゃ!全体的に優しいお味でとても妾好みの味なのじゃ!毎日でも食べたいのぅ!」
むふむふと頬張るユゲットに、ボーモンもテレーズも頬が緩む。聖龍様とはいえ、見た目は子供。美味しそうに食べている姿はやはり癒される。
「これがポークチャップかの?これも食べてみるかのぅ」
ポークチャップも一口。
「これは美味しいのじゃ!お肉が柔らかくてジューシーで、豚肉とケチャップソースがとてもよく似合うのじゃ!美味しいのぅ!」
とびきりの笑顔を見せるユゲットに、テレーズは心を射抜かれた。ボーモンも我が子とはこんなに可愛いものかとぐっと胸に込み上げる思いだ。
「ポトフも食べるかの」
続いてポトフを一口。
「これは美味しいのじゃ!じゃがいもやにんじんがごろごろ入っていて、優しい味わいじゃのぅ。ウィンナーもたっぷりで、野菜だけじゃないから子供の身体の妾でも食べやすいのじゃ!もちろん野菜もじっくり煮込んであって美味しいのじゃ!口の中でとろける優しい野菜がグッドなのじゃ!」
こうして昼食を心置きなく堪能した親子三人。テレーズはご馳走さまの後ユゲットを可愛い可愛いと抱きしめていた。ボーモンもテレーズとユゲットの両方の頭を撫でまくっていた。ユゲットはされるがまま二人の好きにさせてやっていた。
ボーモン、我が子に胸が込み上げる。