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彼女は聖龍様を養女に迎える

もうすっかりパパとママに馴染んだユゲット

テレーズとボーモンはユゲットを連れて領内の教会に出向く。そこで、ユゲットを養女として養子縁組し貴族籍に入れた。意外と貴族の養子縁組の手続きは書類さえあればすんなり行く。が、ユゲットはそもそも人間でないため元の戸籍もない。


だが、女王陛下の口添えがあれば別である。とある高貴な生まれの姫君を保護するための養子縁組だから、と中央教会に口添えしていただいたためスムーズに養子縁組できた。嘘はついていないので許してほしい。


「これで妾はボーモンとテレーズの子供じゃの?パパとママと呼んでもいいかの?」


「もちろんです、ユゲット!」


「ユゲット、今日から君は私の娘だ。一生大切にする」


「パパ、ママ、愛しておるよ」


「私達もですよ」


こうしてみると仲の良い普通の親子に見える。……ちょっと娘の言葉遣いが古めかしいが。


「では、屋敷に戻るか」


「ユゲットのお部屋を準備していますからね。準備出来たら見に行きましょう」


「家具は全て高級なものを用意したが、オーダーメイドではなくてすまないな」


「良い良い、こんな急ではオーダーメイドなどいつ完成するかわからんからのぅ」


馬車で教会からバスチアン侯爵邸に戻る親子三人。教会とバスチアン侯爵邸を往復している間にユゲットの部屋が完成したらしい、と報告を受け早速見に行く三人。


「おー!広い部屋だのぅ!ベッドもソファーもふかふかだのぅ!色合いも青と白を基調としていて落ち着いた雰囲気でとても良い!妾は満足じゃ!」


「よかったですね、ユゲット!」


「次は服を用意しよう。こちらもオーダーメイドとはいかないが、最高級品を用意した。…部屋に入れろ」


「はい、旦那様」


部屋の外に声をかければ、続々と最高級品のドレスや着物が持ち運ばれる。


「おお、これがテレーズが馬車で話していた着物じゃな?良い良い、着てみても良いかぇ?」


「もちろんです!サイズの微調整もありますしね」


「裾上げは私達メイドにお任せください!」


「では頼むぞぇ」


「はい、ユゲットお嬢様!」


マルカはもちろんユゲットのことは使用人仲間たちにも秘密にしているが、急に迎え入れられた養女…それも立ち振る舞いがしっかり身についているとあれば特殊な事情の高貴な方だと想像するのは容易い。使用人達にも気合が入るというものである。


「パパ、ママ、似合うかぇ?」


「とてもよく似合う。さすが私達の娘だ」


「可愛らしいですよ、ユゲット!」


「ふふ、そうかぇ?他にもこっちの着物はどうかぇ?」


「似合いますー!可愛いー!」


すっかり仲良し家族である。

ボーモンもテレーズも満更でもない

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