彼女は和の国の料理と甘味を楽しむ
なんとなく魚介類で攻めてみる
テレーズとボーモンが客室に向かうと、そこには所狭しとご馳走が並んでいた。
「わあ……!海老と蟹!!!それに、これは!?」
「ホタテですよ。あと、こちらは鯨肉です。そしてこちらはマグロですね」
「鯨肉……!」
「豪華な食事だな。ありがたい」
「お腹いっぱい食べてくださいね。では、新婚のお二人の邪魔にならないようここで失礼致しましょう」
そっと席を外す月詠。テレーズとボーモンは隣り合って座った。
「ボーモン様、何から食べましょう!?」
「……この赤い粒はなんだろうな」
「イクラですよ。シャケの卵です」
「……テレーズ、知っているのか?」
「ええっと……本で見たことがあって!」
前世でテレビで見たことがあるだけである。
「そうか……ならこれを食べてみよう」
「ちらし寿司からですね!私も食べます!」
「……ちらし寿司。なるほど、テレーズはやはり博識だな。月詠殿下から伺ったのか?」
「……は、はい!」
前世でテレビで見たことがあるだけである。(二回目)
「いただきます」
「いただきます!」
「……うん、これは美味いな」
「わあ!こんな味なんだ!最高!」
舌鼓を打つテレーズとボーモン。二人の幸せそうな様子に、控えるマルカ達使用人も嬉しそうである。
「ふぁー。どれもこれも美味しくて最高でした!ご馳走さまでした!」
「最高の時間だったな。ご馳走でした。今日の新婚旅行も、全部テレーズのおかげだな。ありがとう」
「えへへ」
ボーモンに頭を撫でられて微笑むテレーズ。
「では、昼食はお下げして食後の甘味をお持ち致します」
和の国の皇宮の使用人達が昼食を下げ、代わりにわらび餅やずんだ餅、あんころ餅やみたらし団子などのデザート類を持ってくる。
「わあ……!これも食べて良いんですか!?ありがとうございます!」
「恐縮です。ごゆるりとどうぞ」
テレーズは目を輝かせる。最近和菓子にハマっていたボーモンも、〝団子〟に目を奪われていた。
「団子か!好きなんだ。どれから食べようか」
「みたらし団子とずんだ餅が食べたいです!」
「なら私がみたらし団子を貰おう。テレーズはずんだ餅にして、食べさせ合いっこしよう」
「はい!ボーモン様!」
ボーモンはまずみたらし団子を一口。
「……うん。この甘さがちょうどいい」
テレーズもずんだ餅を一口。
「んー!美味しー!この緑色からは想像出来ないとてつもない美味しさを感じます!ボーモン様、あーん」
「あーん……本当だな。色がすごいと思っていたが、味はかなり美味しい。ほら、テレーズもあーん」
「あーん……んー!みたらし団子最高!語らずとも伝わるこの美味!あとでお土産も買っていきましょう!」
「それがいいな。使用人達の分も買ってやろう」
「はい!」
昔のボーモンなら使用人達の分なんて考えは浮かばなかったはずだ。確実に、テレーズの存在はボーモンを良い方向へと変えていた。
ちらし寿司食べたーい!




