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彼女はお友達に協力したい

マルカ、張り切っていく

「そんな兄のために、マッサージチェアーという魔道具の開発を進めていて」


「マッサージチェアー」


前世でもそんなのあったなーと思うテレーズ。


「エステティシャンから技術を教えてもらえたら開発が一気に進みそうなんですが、残念ながらそんな魔道具が出来たら商売上がったりだと誰も教えて下さらなくて」


「あー……」


テレーズはピンときてマルカを呼んだ。


「マルカさん、ちょっといいですか?」


「はい、テレーズ様!」


「マルカさん、マッサージも得意ですよね?その知識をマドロン様に伝授してくれませんか?」


「え、私ですか!?も、もちろん構いませんが……」


「協力者ゲットですね、マドロン様!」


テレーズが視線を移すと、キラキラした目を向けてくるマドロンがいた。


「テレーズ様!本当に本当にありがとうございます!大好きです!」


「えへへ。私もマドロン様が大好きですよ」


すっかり打ち解けた二人である。


「でも、テレーズ様もメイドさんに、さん付けで敬語なんですね。私もそうですけど」


「その方が話しやすくて」


「私もです!あ、ごめんなさい。えっと、マルカさん……ですよね?よろしくお願いします!」


「こちらこそよろしくお願いします!早速ですが、マッサージの基本から入りましょうか」


「はい!」


こうしてマルカは、出来る限りあらゆるマッサージの知識をマドロンに教えた。マドロンも必死にメモを取りつつ、知識を得ていく。テレーズはマルカのマドロンへのマッサージの説明の、実験台を買って出た。そして、マドロンが充分だと思うくらいの知識を得たところでテレーズは解放される。


「テレーズ様、マルカさん。今日はご協力ありがとうございました!」


「こちらこそ、とっても楽しかったです!」


「お役に立てれば幸いです!」


テレーズは屋敷の外で待つ馬車まで、マドロンを見送る。


「次はマッサージチェアーが完成した頃にまた来ますね!」


「はい、待ってます!」


「テレーズ様にも一台差し上げます!」


「本当ですか!?嬉しい!ボーモン様にも使わせていただきますね!」


「もちろんご自由にお使いください!」


こうしてテレーズとマドロンの交流は上手くいった。使用人一同謎の感動に包まれていたが、そんなことなど露知らず。テレーズはボーモンに嬉しそうに、事細かに今日のことを報告した。ボーモンもテレーズの嬉しそうな様子に頬を緩め、なんとも言えないほのぼのした雰囲気が屋敷に広がっていた。だがまあ、それが屋敷の日常になりつつある。

マルカのおかげでテレーズもマドロンも喜ぶ

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