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彼女は収穫を手伝う

テレーズ、また愛される

テレーズの活躍により病は治癒され、元気に実ってくれた小麦たち。あとは収穫して出荷するだけである。ボーモンは問題も解決したところでさっさと帰るつもりだったが、そうはいかなかった。


「ボーモン様!こんなにたくさん元気な小麦があれば収穫も大変だと思うので、私収穫を手伝います!ボーモン様はお仕事があるでしょうから先に帰っていてください!」


テレーズの言葉に目が点になるのは、ボーモンだけでなく農家達も同じだった。


「テレーズを残してはいけない。それなら、私も収穫を手伝おう。どうせ、今日の分の仕事は昨日さくっと片付けた」


さくっと片付けたというより死にものぐるいだったが、それを知る者はここにいない。


「そうなんですね!さすがはボーモン様です!じゃあ張り切って収穫しましょう!」


テレーズの言葉に、農家達は沸き立った。領主様の奥様は、こんなにも自分達を大切にしてくださる。テレーズへの評判がどんどん急上昇していく。ボーモンは良い傾向だと小さく頷いて、テレーズと一緒に農家達の手伝いを開始した。


そして時間は経って、そろそろ帰らなければならない時刻になった。馬車に乗り込むテレーズを、みんな名残惜しそうに見送ってくれる。


「皆様、良い方ばかりでしたね!」


「君が素敵な女性だから、彼らも心を許したんだろう」


「ふふ、そうだといいんですが」


お世辞だと思い込むテレーズ。ボーモンは時々、このテレーズの自己評価の低さが気になっている。が、ズカズカと踏み込んでいい問題かどうかもわからない。テレーズ本人は全く気付いていないのに、余計なことを言えば却ってテレーズが傷つく可能性もある。そう思うと、いつもなにも言えなかった。その代わり、とにかく褒めて少しでも自己肯定感を高めていこうと口を開く。


「テレーズ、君は本当に私の自慢の奥さんだ」


「えへへ、ありがとうございます」


「先程の平民達も言っていたが、テレーズの力はまるで我が領内を救うために天から与えられたとしか思えない」


「ふふ、案外そうかもしれません。ということは、ボーモン様と私の出会いは運命かもしれませんね!神様に感謝です!」


心底嬉しそうにそう言ったテレーズに、喜ばせるつもりが逆に喜ばせられるボーモン。


「……本当に、君には敵わないな」


「?……なにがですか?」


「大好きだ、テレーズ」


「私もボーモン様が大好きです!」


無自覚とはいえすっかりラブラブなこの夫婦。お互いに、二人一緒ならばそれだけで幸せだと心から感じていた。

テレーズ、ボーモンとイチャイチャする

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