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彼女は旦那様のお友達とお話する

テレーズ、ぽろっと零す

「えっ。えっと……」


「ええ」


「とりあえず……睨んじゃってごめんなさい……?」


そんなテレーズの様子に、もう耐えられないとアダラールは爆笑した。


「あはははははは!……あー、おかしい。ちょっとボーモン、こんなに可愛いお嫁さんが出来たならもっと早く紹介してよー!テレーズちゃん可愛い!」


アダラールは当たり前のようにテレーズに抱きつこうとして、ボーモンに首根っこ掴まれて止まる。


「人の妻に抱きつこうとするんじゃない」


「ふふっ!信じらんない!あの!あの女嫌いのボーモンが!うふふ!良いもの見られたわ!テレーズちゃん、先程の非礼は許してあげる!感謝してね!」


「は、はい!ありがとうございます!あ、私テレーズ・バスチアンです、よろしくお願いします!」


「よっろしくー!あー、本当に可愛い!剥製にして持って帰りたいくらい良い顔立ちよね!……ボーモンやめて、首しめないで、ちょっとした冗談じゃない!」


ボーモンは容赦なくアダラールの首をさらにきつくする。


「お前の冗談は不快だ」


「ごめんなさいー!テレーズちゃんとまだお話してないのー!テレーズちゃんとお話したら死ぬからそれまで待ってー!」


「いや死んじゃダメですよ!?ボーモン様もそろそろ許して差し上げてください!」


「……命拾いしたな」


「いや本当に貴方キャラ変わりすぎ……愛妻家なのね……」


愛妻家と言われて目が点になるテレーズとボーモン。


「あ、ありがとうございますアダラール様!」


テレーズは次第に頬が赤く染まる。もちろん本人に自覚はない。


「あ、愛妻家か。なるほど、悪くはない評判だ」


ボーモンも必死に取り繕っているが耳まで真っ赤なので意味がない。


「……ふふ。テレーズちゃん、貴女すごいのね」


「え?」


「こんなボーモンを見られたんだもの!私も何かお礼をしなくちゃ!そうねー。幸福の木を始めとする珍しい植物の詳しい生態の載った図鑑……なんてどうかしら?」


ウィンクを飛ばすアダラール。テレーズはぽろっと言った。


「あ、幸福の木は今自室で育てているので図鑑もらえるなら欲しいです!」


「……なんですって?」


アダラールの目付きが変わった。砂漠を遭難し続け、ようやくオアシスを見つけた人のような切羽詰まった、でも希望に満ちた瞳。テレーズとしては、ああ、何か事情がある人なんだなぁと漠然とした感想しか浮かばなかったが。

さて、アダラールの事情とは

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