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彼女は庭師からも祝福される

タネはどう育つでしょう?

「わあ……!箱がいっぱい……!?」


テレーズが広間に着くと、そこにはたくさんの荷物が高く積まれていた。


「奥様、お誕生日おめでとうございます」


「ポロさん!ありがとう!」


「これ、ささやかですが俺からのプレゼントです」


「……タネ?」


「我が家で代々受け継がれている、幸福の木のタネです。今年の春先に、たくさん実をつけてタネも回収出来まして。本当はすべて大切に育て増やすのですが、旦那様に奥様が出来たら差し上げたいなと取っておいたのです。是非受け取ってください」


どうやら貴重なタネらしい。テレーズは喜び微笑んだ。


「ポロさんありがとう!大切に育てますね!」


「ええ。暖かな日向に鉢植えを置いてやり、魔力を込めて水やりをしてやれば育ちますよ。この木は植えてから一年も経てば実をつけます。その実を食べれば魔力の上限が上昇する大変珍しい特徴があります。それ故に、一般の人には秘匿されており、我が家は庭師ですからなんとしてでもと手に入れましたが普通は手に入りません。ただ、枯れやすいのでお気をつけて」


「うん!」


テレーズはタネを大切そうにマルカに渡す。マルカも、さすがに貴重なタネとなれば雑には扱えずドキドキしながら受け取った。


「テレーズ。素敵なタネのプレゼント、よかったな」


「はい、ボーモン様!ところでこの箱の山は……?」


「すべて奥様への誕生日プレゼントですよ。運ぶのが大変でした」


ポロがそういうとテレーズは驚いた。


「こ、こんなに……?」


「こっちは私から君への誕生日プレゼントだ。積み重なるようなプレゼントの山になって悪いな。着て欲しいドレス、身につけて欲しい装飾品など私の趣味に走ってしまったが……」


「嬉しいです!ありがとうございます!」


「そうか、よかった」


「こちらはご実家の皆様からのプレゼントですよ」


ポロが指し示す先にもプレゼントの山。


「もう。お父様やお兄様たちったらすぐ私を甘やかすんですから!さすがにお母様からは一つだけですよね」


「ええ、とっておきを一つだけだと聞いておりますよ」


「ふふ、楽しみです!」


「こちらのプレゼントの山は領民たちからだそうだ」


「え?」


ボーモンの示す先にも大量のプレゼント。


「領民たちは、テレーズが命がけでスタンピードを抑え込んだのを知っている。何かお礼がしたいと、この機会を伺っていたらしい。……愛されているな、テレーズ。夫として、私も鼻が高い」


テレーズはその言葉ににんまりと笑う。


「えへへ……ボーモン様に褒められた……」


そんなテレーズに、ボーモンはますます愛おしさが募った。

お母様からのプレゼントは?

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