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彼女は使用人を労わる

マルカさんの誕生日。

「ねえマルカさん、よかったらチョコレートパフェを食べに行きませんか?」


「またあの喫茶店ですか?いいですね!いきましょう!」


テレーズはマルカを誘っていつもの喫茶店に行く。しかし今日のテレーズにはちょっとした目的があった。


「あれ?今日は貸し切り状態ですね!人気の喫茶店なのに珍しい」


「貸し切り状態ではなく、貸し切りですからね!」


「え?」


「マルカさん、誕生日おめでとうございます!」


パチパチと拍手しながらマルカの誕生日を祝う主人に、マルカは目を丸くする。


「え、え、テレーズ様!どうしてそれを!」


「ポロさんに教えてもらいました!祝えてよかったです!」


「て、テレーズ様ぁ……!」


マルカは感激する。メイドであるマルカの目を掻い潜って秘密でお祝いの準備をするのはさぞ大変だっただろうに。それをこの主人はやってのけたのだ。たかがメイドの誕生日を祝うためだけに。


「テレーズ様、一生ついていきますー!」


「マルカさん、大好きです!そう言ってもらえて嬉しいです!」


「大好きなのも嬉しいのもこちらの方ですっ!テレーズ様のメイドになれて本当によかったですぅ!」


感激しすぎてもはや涙目である。テレーズもそのマルカの喜びように祝ってよかったと喜んだ。


「さあ、今日の主役はマルカさんですよ!スイーツたくさん用意していただいたので、好きなだけ食べてください!もし余っても持ち帰れますからね!魔法で冷蔵保存もできますから!」


「テレーズ様ぁっ!」


甘いものが大好きなマルカ、大喜びである。


こうしてテレーズは一使用人であるマルカを労った。マルカは他の使用人たちの嫉妬は買いたくないため秘密にはしたが、すごく嬉しく一日中にやけていた。そして、幼馴染のポロからもお祝いの花を貰い幸せの絶頂であった。


ボーモンはそんなマルカのことを大切にするテレーズの頭を撫で回して褒めた。テレーズもご満悦であった。

マルカさんはテレーズが前世を思い出してラッキーでしたね!

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