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彼女は喫茶店デートを楽しむ

甘い雰囲気、糖度8くらい

「んー。やっぱりここのお店はご飯物も美味しいですねー!ナポリタン美味しいですー!」


「オムライスも美味しいぞ。ほら、あーん」


「あーん。んー、最高ですー!ほら、ボーモン様もあーん」


「……ん。美味いな」


「ですね!」


テレーズはこの日、ボーモンといつか約束した喫茶店デートを楽しんでいる。周りの客は〝あの〟ボーモンのデレデレ……とまではいかないが、甘い態度に驚愕していた。


が、テレーズの無邪気な笑顔を見てすぐに納得する。あれだけ懐かれれば領主様が惚れ込むのも無理はない。


そんな風に見られているとは知らないボーモンは、五つ年下の妻を飛び切り甘やかす。


「デザートは君が気になっていたスイートポテトとモンブランだ。よかったな」


「わーい!ボーモン様大好きー!」


「ふ……、はしゃぎすぎだぞ?」


「えへへ、ごめんなさい」


ボーモンは今、自分がどれだけ甘い表情をしているか自覚がない。手鏡を渡してやれば驚くこと間違いなしである。


「ボーモン様、見てください!モンブランこんなに大きいんですね!」


「思ったよりボリュームあるな。スイートポテトもなかなかだが」


ちなみにこの喫茶店がどんどんデザート系の商品を大盛りにしていっているのは、最早ここの常連となったテレーズがあまりにも嬉しそうにデザートを食べるのを見てつい嬉しくなってのことである。テレーズからチップもそれなりに貰っているのでなんだかんだ採算は取れている。


「テレーズ、頬についてるぞ」


「えっ、どこです?」


「取ってやるからじっとしていろ」


ボーモンはテレーズが何故か頬にくっつけていたモンブランのクリームを手で拭いペロリと舐めた。


周りの客たちは昼間から何見せつけてくれてるんだと思いつつも目が釘付けである。


「ありがとうございます、ボーモン様!」


「気にするな」


対する二人は、お互いに甘い雰囲気になっていることにすら気づかない。どこまでも鈍感である。そんなこんなで喫茶店デートは無事終了し、二人は手を繋いで帰っていく。その直後、いつもは静かな喫茶店は二人の甘い雰囲気を見守っていた客たちが大盛り上がりして大変な騒ぎとなっていた。

あまーくできましたか?

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