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彼女は何故か胸がちくりと痛む

テレーズ、悲しむボーモンに何も言えない。

「幼馴染、ですか?」


「ああ。伯爵家の娘でな、よく療養のためにうちの領地に遊びに来ていた。うちはわりと自然も豊かだしな」


テレーズは今、ボーモンから幼馴染の話を聞かされている。


「彼女は木登りが好きなお転婆だった。身体が弱いくせにあちこち走り回る元気な子だった」


「そうなのですね」


「そんな彼女は結婚して遠くに行ったが…最近、子供を授かったらしい」


「子供かぁ……」


「その代わり、彼女は子供を産んだ後亡くなった」


話が急に暗い方にシフトチェンジしてテレーズは固まる。


「……子供を産むということがどれだけ大変か、私には正直わからない。けれど、彼女は幸せそうに笑って逝ったらしい。だから……これでよかったんだろう。なのにどうして、こんなに悲しいんだろうな」


「ボーモン様……」


「葬儀に出る。君は悪いが留守番をしてくれ。極近しい者のみで見送って欲しいと、遺書にあったそうだから」


「……わかりました」


テレーズはなんだか胸がちくりと痛む。その痛みを自覚するのは、まだ先になるが。


「……ボーモン様は、愛する女性がいたのですね」


「……テレーズ?何か言ったか?」


「いえ、なんでもありません」


ちなみに、ボーモンは幼馴染以上の感情は抱いていない。大切な幼馴染を失って悲しんでいるのであって、恋愛感情は持ち合わせていない。このボタンの掛け違えは、いつ解消されるのだろうか?

ボーモン、勘違いされているのに気づかない。

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