バスはUターンする
「300円払うから」
今って運賃が10円か20円、上がっている。それは気にせず、
「いや、困るんですけど。オリテクダサイ」
片言で返答しておく。
だいたい、なんで100円UPでそんなことしなきゃいけないんですかね?300万円払うなら、考えるわ。
「だから!!300円払うから、行けよ!!」
「だから、このバスはここが終点なんですよ」
バスは基本、決まったルートで運行するわけだが……。1日に数本だけ、その決まったルートがさらに伸びているバスがある。残念ながら、このバスはそれではなく、いつも通りこの駅が終点となって、折り返す。
「俺は大事な客だろうが!!急いでるんだよ!!雨かなんか知らねぇが、ノロノロ運転しやがって!」
「急いでるなら、タクシー使えば良かったじゃないですか……。ウチはバスなんですけど。っていうか、1本早いバス使うとかしてくださいよ」
「うるせーーー!!話にならねぇ奴だな!!」
まぁ、好きにしてくださいという表情で。
「こちらも急いでるんで、発進しちゃいますよ。降りるなら急いでください。反対側着いたら、開けてあげますから」
昇降口のドアを閉めて、バスは発進する。急いでいるならさっさと降りて、走ればいいのに。なんで交渉するのか、よく分からない。無理でしょ、普通。
「いい加減にしろ、テメェ!!」
「危ないんで、手すりに掴まってください」
「おいっ!」
バスはUターン。こんな大きな車がグル~~っと回ったら、しっかりとお掴まりを
ゴンッ
◇ ◇
「え~~、それ。私が悪いんすか……」
「だから、客を降ろさないで運転するからさ」
怒ってるあまり手すりなどにも掴まらず、お客さんがコケて怪我をして、こっちに訴えてくる。
だから、掴まってくれって。
大事なモノを届けたり、急ぎの用事があったら、そこに金をかけたり自分で工夫するとかして欲しいもんです。
お客さんさ~。
限定の商品だか何か知らないですけど、そんなに大事なもんなら品名を書いたり、取り扱い注意とか、中に衝撃吸収の袋やら雨で濡れてもいいようにビニール入れておくとか。
ホントはそーいう警告する荷物って、値段上げたいんですけど。こっちも商売なんで取り扱いますけど、スピリチュアルみたいに、お客様の荷物を感じ取れって言われても困るんですよ。
何が言いたいかって言ったら、
「こっちの配送方法使ってください」
「送料を上げるっていうのか!?」
「だから、ホントに大事にている商品を届けるんだったら、ほとんどの方はもうちょっとお金を払いますよ」
大事にしてたり、待っている商品に対して、お金はかけたくない。
というのは、止めてくれ。
文句を言われるお金も貰ってないんで。『あー、そうなんだー』としか、ウチ等対応しないから。




