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ゲームからスタートする異世界冒険譚  作者: リノエ


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冒険の世界へ 10

 あれから数分後、やいちとスピネルは村の出入り口で馬車が来るのを待っていた。


 「まだ遅いなぁ」


 そう言いながら、近くの木の下で座って待っていると


 「やぁ、まだ馬車は来てないみたいだな!」


 と二人よりも遅くイードルがやってくる。


 「今の時間は……六時三十九分だ。そろそろ来てもおかしくない頃だと思うが」


 腕時計を確認しながらつぶやく。


 「……なぁ、イードル博士。そういえば、アンタは腕時計をはめているみたいだが、この世界の科学技術ってどれくらい進んでいるんだ?」


 「科学技術?はて、それが一体どのようなものかは知らないが、この時計は隣国であるジョウキリの技術で作り上げられたものだ。去年辺りに珍しい商品を売る商人を見つけ、買ったんだ!どうだ、すごいだろ!」


 こうしてイードルはやいちに自慢するように腕時計を見せびらかす。


 やいちはその腕時計が自分のいた元の世界と変わっている所なんてあるだろうか?と思い、眺めるが、特におかしい要素はなさそうだ。


 「ふむ、人の世にはこのような道具があるのか、驚きだな!」


 いつのまにか少女の姿になって現れたスピネルも腕時計を覗いている。


 「おっ!君が、大妖精殿か!?」


 イードルは慌てて胸のポケットから方眼鏡を取り出し、スピネルを見る。


 「な、なんという魔力量なんだ!?やはり…大妖精の名は伊達ではないということか……」


 「当たり前でしょ!」


 スピネルは腰に手を置き、胸を張って威張っている。


 「その眼鏡は何なんだ?」


 「ああ、この方眼鏡は私のような魔力の使えない人間でも、魔力を見通せるようになる道具です。私のような研究者には必須道具でしてね」


 そういって、眼鏡のガラス部分をきれいな布で磨く。


 「では、今度は勇者殿を……」


 今度はやいちの方を方眼鏡を通して覗いてみる。


 「こ、これは……?魔力なのか?それとも…・・・うーむ。わからん」


 なんだか求めていた結果とは違うものだったようで、うなっている。


 「俺の魔力、何かおかしい所があるのか?」


 「それが……確かに魔力のようなものを見通せているが。しかし、これは何だ?今まで見たことないものだ。本当に魔力という定義で良いものか?」


 「まぁ、彼は上界の存在だもの。普通の人間とはやはり何かが違うということでしょうね」


 ガラガラ、と木製の車輪の音が聞こえ始める。


 「おや、どうやら馬車が来たようだ!この疑問は研究で解き明かすとしよう!」


 三人の目の前に馬車が止まり、馬の引いていた尋ねる。


 「あなたが、イードル様ですね。どうぞ、荷車なので広いですが、その分振動であったり、座り心地は良くないと思いますが、お入りください」


 そう言われ、三人は後ろの荷車の中に入る。




 山を越え、森を過ぎ、いくつもの村へ寄りながら、馬車の中を三日間過ごした。


 揺れの生活に若干慣れ始めた頃に、ようやく国の都へ着いた。


 遠くから、街を守るための外壁がそびえたっているのが見える。


 「あれが、国の都か?」


 「そうだとも!あぁ、数週間という短い間でも、我が家に帰れると思うとうれしいものだ!」


 とイードルは少しテンションが高くなってきている。


 大きな壁の中に入るための門の前へと到着し、その門を守る兵士が走る馬車の前に立ち、一旦止める。


 馬車を引いていた男は何か札のようなものを見せると、兵士は退き、都の中へと入る。


 「おおっ!」


 漫画やアニメで見た西洋の石造りのがずらりと並び建っており、地面も石畳で覆われている。


 人も村なんかよりかは多くの人が行き来しており、とても賑やかだ。


 しばらく馬車は走り、十五分後、ようやく馬車は一つの大きな家の前に止まる。


 「良し、私の家兼研究所に到着したぞ!」


 そういってイードルは馬車から降り、馬を引いていた者に賃金が入った袋を渡す。受け取った男は袋の中身を確認すると、そのまま馬車で走り去っていく。


三人は、そのまま屋敷の門をくぐり、大きな屋敷の敷地へと入る。


 かなり広い庭で、小さめの公園が二つ、三つほど入るようなものである。


 屋敷の他にも、二つほど建物がある。リアルではあまり見ることがないが、もしかして母屋に対して離れというやつだろうか。


 「さて、とりあえず君たち二人の部屋を事前に用意していたんだ、あっちの方へ行こうか!」


 そういって離れの一つの方へ進んでいく。やいちたちも、そのイードルの後ろを行く。


 「これがこの家の鍵だ。合鍵の方をもう渡しておこう!」


 そういって玄関前で鍵を渡される。


 「さて、ここは元は客用の離れだったが、最近は客人は来ないし、自由に使ってくれ!二階にベッドとかある。そこでしばらく生活したまえ!何か用があれば、母屋より、もう一つの方の離れに来てくれ、あそこは私と師匠の研究室、いや、建物だから研究所というべきか?まぁ、良い!とにかく研究するためだけに作ったもので、大抵あっちの方にいる。では、今が午前十一時だから……さっそくだが、午後三時に来てくれないか?さっそく研究を行おう!では、またあとで!」


 とまた早口になりながら、スキップで研究所の方へと行く。かなりテンションが高くなってい

る。ようやくやいちの肉体を研究出来るからだろうか。


 (まぁ、とりあえず、中に入ってゆっくりするか……)


 三日ぶりの柔らかいベッドの上で昼寝でもしようと早速玄関を開け、二階へ進み、無事ベッドのある部屋を見つけ、横になる。


 「おいおい、もう寝る気か?」


 スピネルがあきれたように言う。


 「短い間だったけど、馬車生活に疲れてたんだよ。イードル博士が言っていた時間になったら、起こしてくれ。それまで寝てたい」


 そういって、やいちはすぐに夢の世界へと入り込んでいく。

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