クビ が飛んだ顔が地面に埋まった
ここはとある荒野俺は勇者様ブレイに用があると言われ呼び出されてた。
「サンドお前パーティ抜けろ」
勇者様に突然言われた言葉は衝撃的だった
「なぜ?」
パーティをクビになる理由は大体わかる。
だが、俺は自分で言うのもなんだが、魔法は普通の魔法使いよりは強力な魔法を使えるし剣だって勇者様ほどではないが使える。
それに俺には奥の手がある。
ただそれが...
「だってお前死にそうな時しか強くないじゃん」
そう俺は死にそうな時以外強くない。
死にそうな時一時的に俺は勇者様より強くなれる。
死にそうな時は勇者様より強いんだ、それなのにパーティをクビになるのは腑に落ちない。
「お願いします、何でもしますからクビだけはどうか」
気がついたら俺は頭を地面にこすり付けそう言っていた、
さらに気がつけば勇者様の靴をペロペロと舐めていた。
「と、とりあえず靴を舐めるのをやめてくんない?」
「やめたら、クビはなし!?」
「そういうことじゃないけど…」
「舐め具合が足りないんですね、ピカピカになるまで舐めさせてもらいます...」
勇者様は困惑した顔をしていた、勇者様の目はどことなく冷たく哀れみを抱いてるようだった。
「やめんか!」
聞いたことのある女の声と共に俺の頭に激痛が走った、激痛の原因は俺の頭に女の足が降ってきたからだ。
「今日は天気が悪いな、空から大根足が降ってくるなんて異常気象だ」
大根足を降らしたのはこのパーティの魔法使いリーカだった。
再び激痛が頭に走り俺の顔は地面に埋まっていた。
犯人はリーカ
いつの間にか現れたんだコイツは…
「痛た」
「大丈夫...か?」
「あー無理かもしれないなぁ死にそうだよ、クビを取り消されたら治るかもなぁ」
「それは無理かなぁ」
勇者様の優しい心につけこもうとしたが駄目なようだ。
それとも嘘がバレたのか?
「もう、ブレイ!早くこいつクビにしなよ!」
「おい、カリカリーカいきなり現れて何怒ってんだ?女の子の日か?」
リーカは俺の頭目がけ足を勢いよく落とすが、
三度目の正直とばかり俺は華麗に避けるが、リーカはそれを読んでいたようだ。
二度あることは三度ある、頭に激痛が走り俺は頭を抱えた。
「サンド、真面目に話すぞ、お前の実力は今ならまだ通用するがこれから先は通用しない断言出来る」
「...」
返す言葉もない、今の俺はお荷物状態これだけは言っておくがお荷物っつても戦闘の時は誰も俺を守ってない。
これだけは使いたくなかったが最後の手段だ
俺は勇者様の足を掴み泣いた
「おねがいじまず、どうがぐびだけはやめてぐだざい」
勇者様の顔はさらに険しくなった、俺だってやりたくてやってるが辛いんだ、泣きじゃくるのは。
「うわぁ」とリーカが呟いたが俺は気にしない、泣き落としでこれまでに2回は延命出来た。
「やめろ!」
勇者が俺を突き放す
「何でもするって言ったろ?荷物持ちでも何でもするよ」
「スーが修行も兼ねて荷物ってるよ...」
「リーカの魔術の実験体になるよ」
「さすがに…貴方では実験しないわよ」
サラッと怖いこと言った気がするぞこいつ
「そ、そうだ戦闘の度に俺を瀕死にさせるのはどうだ?俺が覚醒してる時は回復魔法は使えないけどよ!リーカが回復してくれれば」
「それは非人道的すぎる、それに戦闘の度に瀕死になってたら本当に死ぬぞお前」
「あら、勇者様はお優しいのね私のことを心配してくれるなんてもう好き♡」
「茶化すな!」
勇者が怒鳴った瞬間空気が震えた、その振動は俺にビシビシと伝わってきた。
「俺はお前の為を思って、言ってるんだぞ!?」
「やーね、もう、こパーティの為に死ねるなら俺は本望」
「あのなぁ!」
「もう、なにを言ってもコイツには無駄だわ」
前まではリーカのこと嫌ってたが好きになりそうだ、俺の唯一の理解者だ。
「おし!じゃあついて行っていいんだな?」
「貴方は置いていくわ」
「へ?」
思わず間抜けな声が出た、前言撤回だ俺の理解者ならここで置いていくなんて事を言わない。
「インテ ターゲット サンド ビギナーズタウン」
「ふざけ、」
俺が言葉を言い終わる前に俺は2人の前から姿を消し、始まりの町と言われるビギナーズタウンの住人の前に姿を表した。
インテは空間転移魔法だ、俺も使えるが石ころ程度しか転移させられない。
リーカは超がつくほどのすごい魔法使いだってことを忘れていた。
俺程度なら地球上どこでも飛ばせるだろう。
「すぅ」
呼吸を整えるために空気を吸い込む
吸い込んだ空気は言葉として吐き出す
「ふざけるなァァァ!!!」