3 魔法の練習をしてみました
飯テロ要素があるので空腹の方はご注意下さい。
鍛練でぶっ倒れて、起きた時には夕飯時だった。
夕飯のメニューはハンバーグとグラタンスープ。今回は料理人さんが作ったもので、こちらも同じくらい美味しかった。
というか、料理人さんの腕に追いつく母の料理って、凄いな……。
肉汁の溢れ出るハンバーグと、とろりと溶けたチーズの組み合わせが最高で、思い出すだけで米を何杯でも食べられそうだ。
グラタンスープは具沢山で、絶品だった。野菜もパンもとろとろに煮込まれていて、そこにかけられたチーズが最高!いい感じに焼き目がついていて、これがまた美味かった。
……と、思い出していたらお腹が空いてきたので、魔法の構築に集中し直す。
現在、俺は鍛錬場で魔法の練習中。
夕飯の話は昨日の話だ。
今日の鍛練は無しとの事だったので、魔法入門書を片手に、午後の時間を魔法の練習にあてている。
そういえば、服装については言及していなかったが、ちゃんと着替えている。鍛練用の麗しきパンツスタイルだ。ズボン万歳。
まあそれは置いておくとして、昨日寝る前に魔法入門書を読み直したところ、人には得意属性があるらしいということが分かった。
なので、片っ端から魔法を順番に試してみることにしたのだ。
『火球』は源なる素を動かす感覚。力をごっそり使う上に威力はへろへろ。
『氷弾』は源なる素を固めていく感覚。力の消費は少なく、威力は上々。
『空弾』は源なる素を誘導していく感覚。力の消費も威力も普通。
『磁球』は源なる素を互いにぶつけていく感覚。何とか出来たものの、火球以上に力を消費。
『岩弾』は源なる素を増やしていく感覚。氷弾程ではないが、なかなかコスパがいい。
さて、次は光魔法と闇魔法だが、この二つは少々他の五属性と役割が違う。
光は暴いて照らす、闇は誘い操るという特性から、源なる素を扱いやすくなる魔法があるのだ。
源なる素が扱いやすくなれば、それだけ魔法の威力も上がる。つまり、光か闇のどちらかに長じることは、魔法使いとして大成するために不可欠な事なのである。
まあ、読書好きで運動神経は並だった俺と比べて、シフェリアは運動神経抜群だから、戦士としても十分やっていけそうだが。
大魔法とかは俺が使ってみたいので、是非ともどちらかに適性があれば嬉しい。頑張れシフェリア。
まずは、光魔法『解明』。自分の源なる素を自分の変な力──すなわち魔力で塗りつぶしていく感覚だが、これがなかなかにきつい。
染まりきったかな、という所で、鍵となる言葉を唱えた。
「……っ、解明!」
───
【基礎情報】
名前:シフェリア・ワルト
年齢:5
生命力:■■■■■■■■■■ 100/100
魔力量:■■■■□□□□□□ 36/100
【属性適性】
炎:■■■■■□□□□□ 50
氷:■■■■■■■■■■ 100
風:■■■■■■■□□□ 65
雷:■■■■□□□□□□ 40
土:■■■■■■■■■□ 85
光:■■■■■□□□□□ 50
闇:■■■■■■■■■■☆200
───
……。
ほぉん!!!???
何このRPG的な表示!!!!
ステータスバーあるし、試してた属性適性書いてあるし!
あと、闇魔法の200って何!☆ついてるじゃん!
ぜぇぜぇ。
とりあえず魔法入門書の解明のページを開いて読み直してみる。
───
【解明】
対象の者の源なる素を自身の魔力で染め上げることで、対象の基礎情報を知ることができる魔法。
練度が高い場合、自身の知りたいと思う情報も知り得ることが出来る。
───
……確かに、属性適性が知りたいとは思ってたけど……つまり、今回のは練度が高かった、のか……?
試しに指先の源なる素をちょこっとだけ染めて解明してみると、さっきの基礎情報だけ表示された。これでよかったんかい!
ちなみに魔力は5減っていた。指先ちょこっとでいいならば使い勝手は風魔法と土魔法の中間、という感じなので、そう悪くはない。
さて、次は闇魔法だ。……適性が200で、☆がついている闇魔法。どんな驚き効果があるのだろうか。
闇の初級魔法は『影操作』。コツは源なる素を誘い操る感じと書いてあるが、いつもそれ、割とやってるんだよなぁ……。
と思って影の源なる素を動かしてみたら、影が動いた。
……えっと。
影を動かしてピースを作ったり、手を動かしてみたり、太ってみたり痩せてみたり。
詠唱もしていないのに、影は非常に滑らかに動いていた。
試しに解明で見てみると、魔力が全く減っていない。(解明を使ったから5は削れてたけど)
……これはつまり、闇魔法は詠唱破棄+魔力無消費、もしくはとんでもなく魔力消費量が少ないということだ。
まあ、そうだ。あれだけ扱いやすい氷魔法の二倍、闇魔法は使いやすいということなのだから。
俺が他の魔法をすぐ使えたのも、おそらく闇魔法のおかげだ。源なる素を扱う上で要となる闇魔法がこれだけ得意なのだから、無意識に源なる素を操っていたのだろう。
運動神経も良い上に魔法の適性がとんでもないとは、シフェリアすごい。ありがとうシフェリア。お前のお陰で俺は大魔法使いを目指せます。
しかし、無意識でこれならば、意識的にやるとどれだけのものになるのだろうか。
まずは意識して、自分の周りの源なる素を闇魔法で誘い手中に収め、続けて縦横無尽に動かしていく。
やはりというか、無意識にやっていた時よりもかなり効率的がいい。
動かす速度を限界まで高めてから、鍵となる言葉を唱える。
「火球!」
ぼん!という音と共に、人の頭くらいある火球が飛び出した。さっきまでへろへろだったとは思えないほど威力が高く、どこかの木に当たったら火事になりそうだ。
えっと、氷、氷で相殺しよう。よし。
今度は源なる素を限界まで固めていくと、その過程でじゅっ……と火球が消えた。
……よ、よかった……。
しかし、源なる素を動かせば消せるということは、この方法で敵の出す魔法を相殺できるということなのだろうか。今度マーズさんに協力して貰って試してみようかな。
とりあえず、今ので魔力をかなり使ってしまったので、今日の練習は終了。
さーて本を読もう、とベンチで仰向けになったところで、気がつく。
もしかして、闇魔法を使えば手を使わずに本が読めるのでは?
試してみると、ちょっと抵抗があったがすぐに操れるようになったものの、本にはあまり集中できなかった。
まあ、今回読んでたのは『現代貴族覚書』だし、いいかなぁという気分だ。
ちなみに、それによるとここは『ウェルド王国』というらしく、王を中心とした三権分立制で成り立っている。
具体的に言うと立法、行政、司法を担当する偉い貴族がいて、王はお飾りに近い。
シフェリアはワルト公爵家という軍務担当の家のご令嬢で、昨日は会わなかったがアルドというお兄さんがいるらしい。
結構いいとこのお嬢様なのにあんなにお転婆だったのか……と思ったが、備考っぽい欄に『社交嫌い。礼儀もあまり好まない』と書いてあったので、納得した。家風だった。
他にも色々書いてあったが、すぐに必要な知識でもなさそうなので割愛。後で書き写しておくことに決めて、俺は読書を切り上げて、おやつを食べに邸へと戻った。
書き方は未だ手探りなので『もっと行間を詰めた方が良い』など、アドバイスがあれば書いて下さると嬉しいです。
誤字脱字も、あれば報告お願いします。
また、評価して下さったりお褒めのメッセージを下さると、とても嬉しいです。質問もあればどうぞ。
無理にとは言いませんが、よろしくお願いしますm(_ _)mぺこり




