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どうやってという経緯は説明しておこう。


将来この家を出るにあたって武器の調達を考えた私はかなり早めに家を出ることを決意している。8~9歳には家を出るつもりだ。早すぎるとは思うが、この家から一刻も早く出たい私は現実的な様で現実的でないことを考えた。それまでにすぐ近くの森の奥に自分の家を建てようかと考えた。森の中は魔力で察知したところそれほど強い生き物はいないそうだった。魔力で遊んでいたようなものの私はかなり扱いに長けていた。そして、魔力の大きさ?多さ?が最後に報告したバランスボールでしたが、現在私の魔力総量は東京ドーム並みにある。自分でもよくわからないうちに大きくなってしまったものだ。流石に鈍感勘違い系主人公の様に私は鈍くはない。この魔力量が馬鹿げた量だってのは分かっている。それでも半年で成長してしまったのは仕方がない。幼少期の成長率がいいのはこれで立証された筈だ。


まぁ、それは置いといて、察知というのはレーダーの様に全方位に向かって魔力を発した時に精密な地形や人の形、人の魔力総量がわかったときに名付けたものだ。偶然の産物の様なものだ。本題に戻ると、私にとっての脅威の人間がこの付近にいないことは承知しているが、何があるか人生わからないということを身をもってよく知っている私は武器化に努めた。最初は魔力を圧縮してと簡単に考えていたがこれが簡単ではなかった。圧縮には成功した。が、切れない。ただ刃物の形をした魔力の塊になってしまったのだ。これは困ったと同時にワクワクとしたが、思考は止めていなかった。


次に私は表面の魔力を流動させてみてはどうだろうかと思案した。実際にすると刃物の形に添ってベルトコンベヤーの様に表面が動くという謎武器になってしまった。次にしたのは金属の様に魔力の粒子を均等に並べた。想像するだけで均等に並べられたので楽だった。が、これも失敗。何故かというと、ウエハースの様にぽっきりと折れてしまったからだ。どうしてかは知らない。次に、武器の形を変えてみた。エストックの形にしドリルの様にグルグルと高速回転をかけてみると………私の腕がもぎれるかと思った。ある程度の筋力がいるようだった。そして、次こそはと試したのが魔力を放出する方法。憧れの刀の形にし、刃から極薄過ぎて見えない魔力を放出すると成功した。しかし、これは魔力量の少ない一般人にはお勧めしない。魔力を大量に消費するからだ。自分で放出を任意でオンオフにできるのは私くらいだろうし、まず武器の形にするだけで大量の魔力が消費されるからだ。だから多分これは私にしか使えないだろう。屋敷の中の人間の魔力総量は総じて低い。私が100だとすると一般人は多分1にも満たないくらいだ。そして、この武器化の魔力は1いる。そして、1時間魔力を放出しっぱなしで戦うと1いる。合計2だ。つまり1にも満たない人間はまず武器化すらできないということだ。そして、武器化できた私の課題は武器化の些細な工夫だけだったという訳だ。これはこの世界で魔力の武器を使う使い手は私一人しかいないのではないのかと思った。そして、目立ちたくない私はこれを公には使えないと思った。もし、使い手がいたとしてもそれは1~2人という片手で事足りるくらいの人数だろう。



そして、私はこの武器化を魔武器化まぶきか魔武器まぶきと(そのまんま)呼ぶことにする。


次に魔武器を使おうと思ったはいいが、いかんせん見た目だけでも目立つ。刀身だけでなく、魔武器自体が碧い半透明の見た目をしているからだ。綺麗なのは分かるが、目立ちたくない。そこで私は魔法を開発することにした。いちいち壮大だが、結構なことを既にやっている自覚があるので、自重はしないし、大したことではない。魔武器化の活用ほどではないと思うからだ。そして、直ぐに出来た。というか、皆出来ると思う。まず魔武器の刀を作ります。魔武器に幻を見えるように念を込めます。想像するのは波紋の綺麗な柄が碧い綺麗な刀だ。これだけでも目立つがしょうがない。諦めるとしよう。流石にぼろっちい武器は使いたくないからな。いくら見た目だけでも。


しかぁし、この魔武器かなり危ない。試しに意識だけ外に向けて魔武器で木を切ってみた。というか、やばい本数が切れた。やんちゃをしてしまった小学生の男の子の気分だ。学校の校舎の横の長さ位切ってしまった。これは魔力を放出し過ぎたことによる問題だ。これでは屋内で使ってしまった場合周囲の建物を巻き込みながら戦うことになってしまう。というか、味方がいたら、味方もろともだな。危ないので抑えて使うことにした。かなり抑えて木を一本、刃を当てながら最後まで切れるというところまで調整できた。切ってしまった木は将来の家の為に活用させてもらう。畳は作れないが、日本家屋にしようと思う。なるべく前世の家に近付けるつもりだ。異世界と日本のコラボは私の大好物だ。

おっと、話を戻そう。

魔武器の話とは少し違うが魔力の話であることには違いないが、まぁ、そんな細かいことはどうでもいいか。先程、意識だけ外に向けてと言ったが、あれは私は部屋の中にいたままで遠く離れた場所に意識を向けて作業をすることだ。私とその魔武器の間には魔力の極細の糸で繋がっており可視化されていたものが見えづらくなった。しかし、それでも私は見えるものがいると思い、任意で不可視になるように頑張った。これまで基本的にイメージして固定するということを行っている。覚えるという能力は魔力の特徴なのではないのかと私は思う。しかし、未だ半年弱しか研究していないので確信を得られてはいない。話を戻すと、極細の糸で繋がっている私は武器を通してその場に私の魔力をばら撒いた。すると、そこは私の魔力が濃くなった。当たり前だが、少しずつ減ってはいるので、そこに魔力結界を張った。これは魔力を通さない結界だ。皆が想像するのは魔法を防ぐ魔法の防御壁だが、私の結界は魔力そのものを通さないので、結界内は魔力のない空間になる。すると、外から通さないということは内から外にも漏らさないことという事になる。そうして出来上がったゾーンが私の魔力結界だ。これがあれば物理以外の魔力は少したりとも通さないだろう。ちょちょいと単純なイメージにすれば万物を通さない真空の様なものも出来たことがある。まぁ、これはどうでもいいだろう。何事もやり過ぎは良くない。そう、学習はした。そして、その空気中に大量に散布されている私の魔力に私の意識を同調させたり、意識を飛ばしたりと出来た。試しにテレポートしてみると簡単に出来た。初めはかなり怖かったが、勇気を出して、一度やればあとは何度でもできた。そして、意外なことにこのテレポート改め転移魔法は体内魔力が一切減らなかった。しかし、代わりに空気中の魔力が少し減っていた。そこで私が考えたのが私の身体は魔力でも出来ているという説だ。この転移魔法を行使した時に私の体内魔力が減っていればそれは私の身体が欠損したと同義なのではと。魔力を行使すると魔法が使えるが、この転移魔法だけは全くの別物なのではないかと私はこの時思った。魔法でもとりわけ異質なものなのだろう。


そして、私の結界内で転移もできる、意識を向けれる、魔武器を動かせるとなると、家づくりに活用できるとなる。本音を言えば8~9歳までに遠い森の中に自力で家を作れるとは思えないのだ。そこで、この三段活用だ。一度下見でその土地に転移魔法で行き、決まれば魔武器と同じように何か道具をいくつか作る。これを魔具まぐと呼ぶことにした。材料は己の魔力のみだ。そして、私は魔具の自由性を活用して意思のある魔具を作ることにした。それを司令塔にして、他の魔具に命令できる命令権を与えることにする。すると、どうでしょう。私が殆ど指示しなくとも私の家が勝手に出来上がっていくのです。

フフフ、いやぁ、楽しみだぁ。





・魔力の糸……前話で出てきた魔力の糸。何もしなければ可視化されているが、洋子が工夫したことによって不可視化に成功。更に、極細の糸にも成功。因みに糸が意図的に触れたものは物理に干渉できるが、誤って触れたり全く関係ない物からは干渉できない。


・魔力結界……魔力を通さない結界。他の結界は魔法結界と言って現象になった魔力、所謂魔法を通さない。しかし、この結界は魔力さえ通さない。どうしてなのかは本人も解っていない。


・転移魔法……他の魔法は体内魔力を消費するが、転移魔法は消費しない。代わりに結界内の魔力が消費される。尚、結界外のところに転移するのは危険があるのでまたの機会に別のもので実験したいと思う。


・魔具……洋子の魔力のみで作られた道具の総称。



うん。こんな感じだな。


世界一、いや、史上最悪最凶の赤子はほくそ笑んだ。

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