あの青の中に沈みたい
白波がない
青さだけが引き立って
緩やかに
生物が映る
水中から
飛び出してくる
あの青の中に沈みたい
悠々自適に浮かび
自然な現象として
必ず理由があるのに
自由であるかのように
形を変える雲
その向こう側に
絶対の存在として
貼り付いている
あの青の中に沈みたい
ただ
あの青の中に沈みたい
もがく事すらない
深い事が分かっている
あの青の中に沈みたい
消えずに残り
スクリーンになる
あの青の中に沈みたい
ただ
あの青の中に沈みたい
龍が登るから
朝日は引っ張られて
顔を出す
干されている
あの布地の色
揺れながら
香りと
二人三脚している
あの青の中に沈みたい
雨の日の天気予報
日本列島が映れば
あの色だらけで
それで構わないと思った
雨が降れば
服は濡れるのだから
雨雲の流れを
何と無く見ている
あの青の中に沈みたい
ただ
あの青の中に沈みたい
恐怖心の無い心情
深い事が分かっている
あの青の中に沈みたい
消えずに残り
柔らかな砂になる
あの青の中に沈みたい
ただ
あの青の中に沈みたい