プロローグ
質素な部屋にベッドに寝込む腐れ落ちた木の枝のような男とそれを見る若い男がいた
「わしは……もう…長くない」
「息子よ…お前に、こ…この宿屋を授ける」
その言葉を言う男は弱々しく息をするのも辛そうだった。だか限られた命の一筋を使い切ると言わんばかりにその目には強い意志が秘めていた。その男の近くいた息子と思わしき若い男性がいた。
「親父…俺は…俺は」
若い男は何か伝えようとしているがその口は重いそして意を決したのか話し出す
「親父…俺は今このままの宿屋じゃだめだと思うんだ。妹のリリィもいるこれから二人だけで暮らして行くにはお金がどうしても必要だ…もし本当に俺にこの宿屋を譲るんなら大部変わってしまうかもしれない」
それを聞くとベッドに寝込む男性は目から一筋の涙を流すしかしそれは悲しみの涙ではなく歓喜の涙であった
「(いつも不真面目な息子がいつになく真面目だ。遂に長男として自覚が出てきたが…とてもうれしく思うぞ息子よ)…聞こうお前はこれからどうしていきたいのか」
「あぁまず常連客を増やすために様々なサービスをつける。もう一度ここに泊まりたいと思えるようなサービスを」
「うむ」
「まずは巨乳の美女店員をたくさん雇って見た目を華やかにするのとお客様一人一人におっぱいの素晴らしさを知ってもらう」
「ん?」
「そしてお客様一人一人におっぱいもとい巨乳美女をつける。朝のおはようから夜のおやすみまで専属巨乳美女メイドとしてな、朝ごはんはあーんをして夜は子守唄を歌ってお客様の安眠を約束させる」
「んんん!?」
「この際女性客は諦めるだが、欲にまみれた男どもはこれは絶対釣れる!ここを拠点に様々な店を出していって夢のおっぱいランドを作……」「この糞息子がぁぁぁぁぁ!!」えっ……ぐぶぉぁ!!」
先ほどまで寝込んでいた男とは思えないほど豪快に飛び上がり欲望塗れの糞息子に彗星の如き綺麗なドロップキックをかます。
「ジジィィィィ!かわいい息子に何しやがんだテメー!」
「黙れ!この親不孝者が、この宿屋は10代前の高祖父様から続いてる由緒正しき宿屋おまっ…おまえ!」
「うるせぇぇ!今どき普通の宿屋何て古いんだよ!受け付けで金もらって鍵渡すのエンドロールなんて暇すぎるわ!こけしにでもやらせとけ!」
「暇なら少しでもその肥溜め塗れのその頭の中を働かせてこの宿屋のためになることしやがれ!」
「だからその頭を働かせた結果おっぱいが必要だっていってんだろ!実際街の奴らにこのこと話したらみんな大賛成だかんなこれ!」
ギャーギャーと親子喧嘩始め先ほどの空気はすっかりなくなり遂にリアルファイトに成るかと思われた時ドアが開く音がした
「もー朝からうるさいよ…お父さんもポロッコ兄さんもご近所さんからまた苦情くるでしょ」
そんな小言を言いながらドアを開けて出てきたのは小柄で目鼻が整った可愛らしい印象な黒髪の少女であった。彼女はたった今リアルファイト真っ最中のポロッコと言う少年の妹である
この話は魔王が凄むファンタジーな世界で宿屋を営む少年とその妹のくだらねぇ話である
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「で、何で喧嘩してたの」
喧嘩に疲れたのか先ほどまで揉み合っていたヵ今は大人しくしている
「ねぇ聞いてリリィちゃん!この愚息子はうちの代々受け継がれてきた伝統的なこの宿屋を風俗店にする気なんだよ!なんかいってやって!」
「だからちげぇえって!リリィ!ジジィの錆だらけの古くさい頭の中に油指してやれ!」
「んだとこらぁぁぁ!誰がハゲ親父だとコノヤロー!」
「言ってねーよ!」
「もー話進まないから早く言ってよ兄さん」
「たくっ俺はただお客さまに夢のような時間を過ごしてほしいだけなんだよ。ここの宿屋を華やかにするために女性店員雇えってだけだろーが」
「ほんとにそれだけなの?」
「まぁちょっと付け足せば巨乳美女をたくさん雇ってお客さまと俺ににパフパフさせたりするかもだけどな……あ、金のことは心配するなお兄ちゃんこの日のためにいろんな国に行って儲けたお金があるからなこれも全部宿屋の改良のためだ」
「………………」
リリィは開いた口がふさがらなかった。今まで家を空けて音信不通だった兄は今まで様々な国にいき遂に帰ってきたと思ったら己の欲望のために巨乳美女の店を開くというのだ。そんなリリィを指をさして兄は言葉を重ねる
「リリィお前なら分かってくれるはずだこの街には癒やしがないんだ。そうだリリィお前は客引きをしないか?お前は胸はないが容姿はそれな……「ボキッ」イッタァァァァイ!」
リリィは激怒した。必ず、かの淫虐暴戻の兄を排除しなければならぬとそして試しに己に向けられた指先を思い切り捻り曲げた。決して胸が小さいとかいわれたからではない……断じてない
イッタァァァァイ ユビガァァァア
「あぁ嘆かわしい、ポロッコ、お前は長男としての自覚はないのかいつも不埒なことをいいおって」
アッヤッパイタクナイカモ……ヤッパイッタァァァァイ
「…リリィ頼めるのはもうお前しかいないこの宿屋とポロッコをどうか頼む」
「ん…わかった」
床には地上に打ち上げられた魚の如く暴れまわり痛みを悶えてる兄をよそに父が娘に対しお願いをする
「全く、ポロッコ貴様はそんなんで恥ずかしくないのか妹のリリィの方がよっぽどしっかりしている。貴様はいつからそんな不埒になったのだ。そんなんだから未だ恋人がおらんのだ。あーやだやだ」
「イテテテ、ジジィ言わせておけばてめぇ…ベッドにどぎつい官能小説忍ばせてる癖によぉ」
「ハッその程度で貴様と比べたらわしの方が全然ましじゃよ、ねぇ~リリィちゃん」
親父はリリィとの心の距離がぐっとあがった。……先ほどまで宿屋を頼むと約束して近くにいた自分の愛娘は2mほど距離を開けていた
「えっ…ちょっ リリィちゃん!」
「ハハハハハ!所詮お前は俺の親父、血がつながってる以上邪な性からはにげられねぇんだよ!あとお前がボケたふりしてシスターや女戦士の体にベタベタ触ってんのは知ってるからな!」
「ちょっと!何言ってるか分からんなぁぁ!」
親父はリリィとの心の距離がぐーんと上がった。2mからさらに後ろに下がりさらには体を守るように腕を組むリリィだった
「あとたまたま女性ばかりのパーティーの客が入ってきた部屋でやらしいことしてたらしぃじゃねぇーか。リリィ!こんな親父はどう思いますかー!」
「テメェェ!女戦士や女魔法使いが寝ていたベッドシーツをコレクションにしてるって何リリィの前でばらしてんだコラァァァ!」
「テメーが全部バラしてんだよ!」
そしてまたもやギャーギャーと親子喧嘩を始めだしたその二人を見るリリィの瞳は全てを凍らせるが如く冷たかったとさ