狐兄弟の野原の思い出
今度は友達から『短すぎ』と言われました。そういうことは、区切りが多いと思って勘弁して下さい。
サクッサクッ・・・・
九炎は長い長い草の中を、歩いていた。『ある物』を探しながら・・・・・
「無いねぇ」
いつまで探しても見つからない。すると、遠くから声がした。
「あったよーーーー≪兄さーーーーん≫!!」
「本当かい?≪氷牙≫」
「うん!バッチリ!!」
そう・・・・・
九炎には弟がいた。尾は六本。氷を使った妖術が得意な≪氷牙≫という弟が・・・。属性の相性は最悪だったが、2人はとても仲の良い兄弟だった。九炎は、氷牙の方へ向かう。
すとっ
と軽く地面を蹴り、宙へ浮く。もう探し物が、見つかったのでわざわざ歩く必要も無くなったからだ。
「ほらっ、兄さん!」
氷牙は見つけた探し物を得意げに、九炎に見せる。
(元はお前がなくしたんだから、全然得意げに見せなくてもいいんだけど)
氷牙が手に持っていたのは、丸い、ビー玉より少し大きめの水晶だった。
「まったく。そんな物の為にボクを使うなんて・・・・・しかも、5時間ぶっとおしでこの広い野原の中をサァ・・・・」
「ム。そんな物って何さ。5時間も探してもらって、悪いと思ってるけど―これは・・・・これは兄さんから貰った物だから・・・・」
そう、氷牙達が探していたこの水晶は、九炎が洞窟で見つけて綺麗だったから氷牙に九炎があげた物だった。
「ん・・・・」
(そんな大切に・・・・)
「ハッ。そんなの別に、わざわざ探さなくてもいいのにサッ」
大切にしてくれて、嬉しい
素直に言った方が良いのは、分かってる。でも、口から言葉がでない・・・・
「素直じゃないなッ」
「フッ」
兄弟だから、氷牙は兄のこの素直ではない言葉を理解したようだ。もしこれを他人にいったら99%反感をかうだろう。九炎の感情を100%完璧に、理解できているのは・・・・できるのは恐らく氷牙だけだろう。
そこで、フッっと記憶が途切れる。
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ボーーーーーーーーッ
「九炎様?」
「・・・・氷牙・・・・・」
「九炎様!」
「・・・・なっ、わっ!」
気づくと吹雪が下から顔を覗かせ、九炎のことを呼んでいた。
「九炎様、どうしたの?・・・・氷牙って誰?」
「・・・・・なんでもないよ」
九炎は素っ気無く答える。ふと、視線を吹雪の手元のお守りに移す。
(ああ、そうか。もう見つかったんだったね、お守り。吹雪もあんなに元気になったし・・・・)
そして次に自分達がいる場所を見て気づく。
(そうか・・・・・・ココがあの野原だったのか)
九炎と氷牙の思い出の野原は、過去にタイムスリップしたのかと思うほど何も、変わっていなかった。
(だからこんなにも、鮮明に思い出せるワケだ)
どうでしたか?九炎に弟がいたなんて驚きました?実は九炎の言っていた≪アイツ≫は氷牙のことだったんです。気づきました?
ついしん*友達へ
これでも1131字、46行書いたんだぞ!!
終わり
・注意・あっ物語は、続きますよ