重なる<アイツ>
今回も短くなってしまいましたが、お付き合い宜しくお願いします。これ以上長くするのは、無理かもしれません・・・・・。
「・・・・・・それより、どうして落ちてきたんだい?」
「あぁ・・・・じつは・・・私の友達の雪女が次元のひずみに、大切なお守りを落として・・・それで思わず飛び込んでしまったの・・・。運よく、場所を移動するだけで終わったんだけどね。ちょっと身体がいたいけれど・・・まぁ、お守りをちゃんと見つけたから・・・・」
吹雪はお守りを探したが、なかった。
「あっ、あれ?ない・・・・ない・・・・お守りが・・・・確かに持ってたのに・・・」
「ハハハハハ・・・ドジだねぇ。どこかに落としたんだろう、このボクが見つけてきてあげるよ」
(・・・何年ぶりだろうね・・・こんなに調子がでるなんてサ。なんだか・・・・《アイツ》と重なってみえるよ・・・)
世話がかかって仕方ない
たまにちょっとむかつくけど
いなくてはならない
とても大切な
《アイツ》
(けど・・・もう《アイツ》は・・・)
「ありがとう。なんか私、『ありがとう』っていってばかりねっ。でもいいわ。だって九炎様は、お守りがどんなものか分からないでしょ。お守りなんて百個や二百個、普通に落ちてるもの」
「・・・いや、普通そんなにおちてないけどね」
「ふふっ、冗談よ。じゃあもう行くわね。本当にありがとう」
そういうと吹雪は立ち上がった。だが、長い間正座していたように身体がうまく動かない。倒れそうになると九炎が受け止めてくれた。
「まったくダメだねぇ・・・しょうがない。このかっこよくて強いボクがついていって行ってあげよう!!」
「でも・・・悪いわ」
「そんなこと言って、今キミは何もできないだろ?ボクがキミをエスコートしてあげるよ」
「えっ・・・」
吹雪は、九炎にエスコートしてほしいような、でも迷惑をかけて悪いような不思議な気持ちになった。
「ホラ」
次回九炎は『屋敷に縁があるな~』と思わされる予定です。