刹那に降り積もる美しき雪〈吹雪〉
今回、かわいいヒロインが登場します。
「いいな。んじゃさっさと『爽風の間』に行ったいったぁー」
「ハ・・・なっちょ・・・」
嫌だよと、言うよりもはやく『爽風の間』へ入れられてしまった。『爽風の間』は屋敷の中でも爽快な風が吹いているので、そう呼ばれている。縁側がついていて日当たりがよい。人気の間なのだが、今日は誰もいない。
パタン・・・・
風神様が戸を閉め爽風の間少女妖怪と九炎、2人だけになった。
「・・・・・・・なんだってこんなことになるんだい」
とりあえず九炎は、布団を敷いて少女妖怪を寝かせた。そして、縁側に座りほおずえをついた。
「ハァ・・・・・・・・・・・。起きないねぇ。確かに目立った外傷は、ないんだけどねぇ」
しばらくすると、九炎はしびれをきらして少女妖怪の方を向いて
「おい」
と言った。すると、まつげをぴくぴく動かし目をゆっくりひらいた。
「あ・・・・・・・・」
「ここは・・・・・」
「ハァ、やっとおきたかい。君が落ちてきたからボクが受け止めて、ここへつれてきたんだよ・・・。運がよかったねぇ」
「そうなの・・・ありがとう。・・・あのぉ、お名前は」
少女妖怪に聞かれると、九炎は立ち上がり左手(左前足)を腰にあて自己紹介をした。
「ボクは狐妖怪、九尾サ。名前は九炎。この町に祠をたててもらってる。妖怪の中でも1・2を争う実力・・・・」
(いや・・・ナンバー1)
「まっ、強いってことサ。・・・あっそうそう、ここは風来屋敷の爽風の間なんだよねぇ」
「そうなの。・・・私は・・・雪女みたいなものだけど雪女より強い妖力をもっているの・・・しんしんと降り積もる美しき雪ではなく、刹那に降り積もる美しき雪・・・・・吹雪と呼んで」
「ああ・・・そう・・・」
(自分で美しき雪って言ってる・・・まぁ、かわいいんだけどね・・・)
と多少ひきつっている九炎とは反対に吹雪は、九炎に好意をいだいていた。動物系とはいえ金色の毛は、美しいし耳や手足の先が茶色になっているのもいい。首のまわりも〔もふもふ〕していてかなりハイセンスだ。それに、自分を助けてくれたのだ。好意をいだかないわけがない。
文の長さが、バラバラなのでだんだん調整していきたいと思います。(^,^)