表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Hollow cathedral  作者: 林檎亭
第1章 目覚め
96/159

95:男も歩けば壁に当たる

「えぇっとぉ、ルール追加するわねぇ。みなさん、人としての能力のみを存分に活用してゴールを目指して下さいねぇ。壁を壊したり、熱探知は禁止」


 あ、狐々乃月は熱探知もできるのか。

 新しく追加されたルールを聞いてみると、おそらくそうなんだろう。

 まぁ具体的にどうやるのかサッパリ思いつかないんだけど、こっちもまだその能力のほとんどを知らないんだし、何かやりようがあるだろう。

 焔を使う以外分からないんだし。


「もう言い訳はいいから、普通にやりなさい」


 リリスがイライラしてるせいで語尾がまともになっている。

 また何か言ったんだな。

 リリスって口が上手いように見えて、結構簡単に乗せられたりあしらわれたりするよね。


「りりす様。約1名ガ手持チ無沙汰ニナッテイマス」


「あら、ごめんねぇ。聞き分けのない子がいて手を焼いているのよぉ。貴方は気にせずスタートしてねぇ」


「あぁ、うん」


 確かにこのまま彼女たちのやり取りに付き合っていたら日が暮れかねない。

 まぁ暮れる日が見えないんだけど。

 とりあえず促されるままに歩を進める。

 迷路のセオリーでは壁伝いに進めば必ずゴールできるっていうのがあるけど、正直気が進まない。

 なぜならそれは迷路の楽しみ方としては間違っていると思うから。

 一応リリスは娯楽のためにこの迷路を用意してくれたんだろう。

 本人が楽しむ目的もありそうだけど、それは置いといて。

 じゃあ、せっかくだし楽しもうかと思う。

 いや、もちろん確実な攻略法が楽しむのに最適だって言う人もいるかもしれないし、それを否定する気はない。

 楽しみ方は人それぞれだ。

 けど、いや、だからこそ自分なりに楽しめる方法で進む。


「で、いきなり曲がり角なわけだけど」


 歩き始めてすぐにスタートから見えていたT字路にぶつかった。

 どっちに曲がろう? 

 右か、左か。

 なんかで人間は迷ったとき無意識的に左を選ぶケースが多いって読んだ気がする。

 なんか赤い目の人が言ってた。

 なので、製作者の性根に問題があるときは右に行った方がいいって。


「けど、よく考えたら迷路なんだし頻繁に曲がり角あるよね。毎回右選ぶわけにも行かないし、関係ないか」


 むしろ左を避けてばっかりいたら絶対ゴールに辿り付かない。

 なんなら1周して戻る可能性すらある。


「よし、右に進もう」


 小心者でごめんなさい。

 右に曲がると割りとすぐに曲がり角があった。

 道に沿ってそのまま左に曲がる。

 目の前に壁があった。


「なんか悔しい!」


 すぐに引き返してさっきのT字路で左だった方向へと――今の進行方向からすると直進になる――進む。

 しばらく歩いていくと、再びT字路にさしかかる。

 ここを左に曲がると方角的にはスタートした側だ。

 スタートと同じ方向に進むと、なんか戻った気分がして嫌だ。

 けど右はさっき選んで行き止まりだったし。


「でもさっき行き止まりだったんだから今度は大丈夫かもしれない!」


 というわけでまた右を選ぶ。

 道なりに進んで過度を何度か曲がり、また壁に突き当たった。


「またか……」


 げんなりしてもと来た道を引き返し、T字路で選ばなかった方へ歩き出す。

 ――その後、何度も分かれ道に立ったんだけど、全ての選択を間違えた。

 もうこっちの思考パターンを読んでるんじゃないかってくらいに行き止まりにばかり突き当たった。

 突き当たりに行き過ぎて、もしかしてリリスが操作してるんじゃと思ったりもしたけど、そのタイミングで「迷路を途中でいじったりはしてないわよぉ。それじゃあ遊びとして成り立たないでしょぉ」と心を読んだかのような発言をしていた。

 まぁ心を読んでることはないにしても、姿くらいは観察してるよね。

 そうして何度目か分からない分岐を曲がった時、今までにないものが目の前にあった。


「なんだこれ? 扉?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ