93:イリュージョン
復活しました。
お待たせしてしまい、申し訳御座いません。
また今日から毎日更新していきたいと思います。
「はいはぁい、みんな注目ぅ」
朝食が終わって一服ついたところで、唐突にリリスが手を叩いて注意を集めた。
「なに、どうかしたの?」
「なにってぇ、貴方が暇だって言うから用意したイベントをぉ、いまから始めるのよぉ」
「いや、誰も頼んでないんだけど」
むしろ嫌がったはず。
「なんや、またしょーもないことでも思いついたんか?」
「貴女が考えることなのですから、どうしようもないことなのでしょうね」
アリシアと狐々乃月からは厳しい声が飛ぶ。
まぁキャラを省みるに仕方のないことだとは思う。
正直フォロー出来ない。
むしろ同意してしまうくらいだ。
「せっかく用意したのにぃ、そんな言い方しなくてもいいじゃなぁい」
「じゃあ普段からもっと信頼勝ち取るようにしーや」
「あらぁ、痛いトコ突かれちゃったわねぇ」
普段の行いに関して、よくないことをしている自覚はあるらしい。
なにそれ、余計タチ悪くない?
「んで、なにする気なん?」
なんだかんだで話を聞こうとする狐々乃月はマジで良い子。
見た目も相まって頭を撫でて褒めてあげたくなる。
怒られそうだからやらないけど。
「そ・れ・は・ねぇ」
やたらにもったいぶった言い方のせいでアリシアがきれそうだ。
「ねぇ、ちょぉっとこっち来てくれるかしらぁ?」
「え?」
急に指名されてしまった。
戸惑いながらもとりあえず言われるがままにリリスに近付く。
「んふふぅ。じゃあねぇ、このボタン押してくれなぁい?」
リリスが指を刺したのは、各部屋に取り付けられている家具を出し入れするためのボタンがついたコンソールだ。
その中に、昨日まではなかったボタンが1つ増えていた。
「これ、なに?」
おそるおそる聞いてみるが、
「押してからのお楽しみよぉ」
当然答えてくれなかった。
え、これ押して大丈夫なの?
絶対ロクなことにならないと思うんだけど。
でも押さないと話進まなさそうだしなぁ。
押すか。いや、でも押したくない。
うーーーん、けど押さないとやっぱダメだよなぁ、場の空気的に。
「えーい、ままよっ」
どうも決心がつかないので、勢いに任せてボタンを押した。
ボタンは奥まで進み、最後にカチっと音がした。
「いまの――?」
音は何、とリリスに聞こうと思ったらリリスの姿が急に視界から消えた。
否。
部屋が消えた。
というか、自分が落下していた。
「って、ええええええええええええええええ!?」
ボタンを押したら床が抜けて落下しました、というバラエティ番組でしかお目にかからないような体験を今していた。




